世界中で熱狂的なブームが続いており、
「使いこなさないとやばい」と言われるChatGPT。
日本の企業でも、業務に導入する動きが相次いでいます。

しかし中小企業の多くは、
他の企業がどのようにChatGPTを使っているかを見て、
という声も多く聞かれます。

今回は、日本の企業がChatGPTをどのように活用しているか事例を紹介し、
さらに具体的な活用方法もご紹介していきます。

ChatGPTを使いこなすためには、少しずつでも積極的に使っていくことが重要です!
社員の時間を有効活用し、業務効率を向上させたい!
そんな方に読んでいただきたい記事となっております。

ChatGPTが得意なこと

ChatGPTを企業で使いこなすために、
まずはChatGPTが得意とすることを3つ紹介していきます。

情報収取

ChatGPTは、情報を収集するのが得意です。

例えば、「インボイス制度について教えて」など、何か複雑な新しい分野に関して調べたい時、
今までであればWebサイトで検索して調べたり、読んだり、本を読んだりして情報を集めるのに、たくさんの時間や労力が必要でした。
しかしChatGPTを使えば、インターネット上のウェブページ、書籍、記事、論文、会話のログなどから
要点をまとめた情報を瞬時に手に入れることができます

そのため、ChatGPTを使うと、調査をする時間を短縮できます。

文章の作成

ChatGPTは、文章を作ることも得意としています。
ChatGPTを使って書いた文章は、
ブログ、社内外向け資料、メールなどの草案として十分に活用することができます。
そのため、業務内で文章を作成する業務が多い方はChatGPTを使うことで、
業務にかかる時間を大幅に減らすことが可能です。

またChatGPTは、「〇〇の悩みを持つ人が興味を持つ文章で」などと指示をすれば、
読む人に合わせて表現を変えてくれるので、
読んだ人に響く魅力的な表現で文章を作ることができます。

アイデア出し

ChatGPTは、新しいアイデアを生み出すのも非常に得意です。

例えば、「AIを利用した新しいサービスの企画を立案してほしい」などと指示をすれば、
新しいビジネスのアイデアや商品開発のヒントをChatGPTに考えてもらうことができます。

これにより、事業を始める初期の作業を効率化できたり、
成功例などを踏まえた自分では思いつかないような斬新な意見を聞くことができるようになります。

ChatGPTは企業の発展のいい相方になるかもしれません。

文章の翻訳

ChatGPTの翻訳機能は、非常に正確で自然です。
論文や契約書などの翻訳が難しい文章でも、わかりやすく翻訳することができます。

また、翻訳してもらった文章の中で疑問に思うことがあれば、
その答えをChatGPTに聞くことができます。
そのため、問題を効率よく解決できるので、業務を効率化することが可能です。

日本企業ChatGPTの活用事例

ChatGPTを導入し、業務に活用している企業や、官公庁の活用事例をご紹介します。

他の企業がどのようにChatGPTを使っているかを見て、
具体的な活用方法を学んでいきましょう!

文章の校閲にChatGPTを活用 【横須賀市役所】

横須賀商工会議所では、ChatGPTを活用し業務の中の
文章作成、文章の要約、誤字脱字のチェック、またアイデア創出に役立てています。

このような業務をChatGPTに任せることで、
人にしかできない、人だからこそできる仕事に注力し、市民の幸福を実現する取り組みを進めていくとのことです。

なお横須賀市では、ChatGPTへの入力情報が二次利用されない方式で使用し、
また機密情報や個人情報は入力しないとルールを制定し、情報の安全な取扱いを徹底しています。

参考:自治体初!横須賀市役所でChatGPTの全庁的な活用実証を開始(2023年4月18日)|横須賀市

入社式に“チャットGPTを活用” AIが考えた社長のスピーチ 【パナソニックコネクト】

パナソニックコネクトの入社式では、
社長の代わりにChatGPTが作成した文章が、入社式のスピーチの原稿として使用されました。

樋口泰行 社長によると、
「新入社員に(技術を)アピールをしようと思いついた。ウケたかどうかわかりませんが」
「あのツールはもう明らかに生産性向上に繋がります。思いもよらなかったアイディアがですね、
どんどんどんどん出てきていて、ひょっとしたらその使い方だけでなく、
真似されない独自な世界を作れるのかなということで、そういう前提でやっております」
と今回のスピーチを振り返っています。

参考:入社式に“チャットGPTを活用” AIが考えた社長のスピーチは? パナソニック コネクトが入社式

企画書や戦略立案をChatGPTに 【大和証券株式会社】

大和証券では全社員およそ9000人を対象に、ChatGPTの業務での利用を認めることを決めました。

最終的に大和証券社員がChatGPTのアウトプットの正確性を確認することを前提に、
英語等での情報収集のサポート資料作成の外部委託にかかる時間の短縮や費用の軽減
各種書類や企画書等の文章作成時にChatGPTを活用しているとのことです。

これにより、お客さまと接する時間や企画立案に専念できる時間を増やしています。

参考:大和証券「ChatGPT」業務利用を開始、全社員約9000人が対象 メールや企画書、戦略案などの補助に活用

事務分野のDXを加速 【東北大学】

東北大学は、まず、広報やシステム運営などの業務で活用を進めています。
具体的には、すでに発表済みのプレスリリースを要約し、イベントのキャッチコピーの作成に活用しているそうです。
またシステム運営では、職員がチャットGPTと対話をしながら管理や運用業務を効率化していく予定だそうです。

他大学でも教育目的などでChatGPTを活用する例はありますが、
国公立大学などで業務効率化のための導入は珍しい事例です。

東北大が導入したサービスでは、情報の誤送信を防ぐ機能があるらしく、
個人情報や機密情報は取り扱わないことを徹底するとしています。

参考:東北大学、業務効率化にChatGPT導入

一番の相談役にChatGPTを活用 【日本情報通信】

日本情報通信では、80%以上の社員がリモートワークをしており、
ちょっとした疑問を解決するだけでも、社内チャットやオンライン会議が必要で、
業務の生産性を阻害する原因になっていました。

社員がいつでもどこでも、必要な知識やアイデア・ヒントを簡単に得ることができる環境を作り
リモートワーク環境でも生産性、創造性をさらに高めていけるようにChatGPTを使いこなしていくとのことです。

参考:日本情報通信、「ChatGPT」全社展開で業務効率化とハピネス経営を推進 

マーケティング業務にChatGPTを活用 【サイバーエージェント】

サイバーエージェントでは、ChatGPTを活用して年齢や性別・興味関心などの配信ターゲットを考慮した
バナーやキャッチコピーを作成し、配信ターゲットごとに効果予測を行なっています。
実際に、ChatGPTがターゲティングを考慮して配信した広告は、
通常よりも広告効果が1.5倍向上した事例があるそうです。

デジタル広告業務にかかる時間を大幅に削減する「ChatGPTオペレーション変革室」を設立し、
月間で広告業務にかかっている総時間約23万時間のうち30%にあたる約7万時間の削減を目指しているとのことでした。

参考:ChatGPTで広告運用の実行スピードを大幅短縮する「ChatGPTオペレーション変革室」を設立 ~ 「ChatGPT」を適切かつセキュアに活用することでオペレーション総時間の30%を削減へ ~

ChatGPTを活用するポイント

ChatGPTはとても便利なツールですが、うまく使いこなすにはコツが必要です。

ここでは、ChatGPTを効率的に使いこなすためのポイントについて説明します。

プロンプト(指示文)に工夫が必要

ChatGPTは、プロンプト(指示書)に基に回答を出すため、
どのようなプロンプトをChatGPTに与えるのかによって、回答の質が変わってきます。

プロンプトは具体的で明確な情報を含めて、必要な条件や要件をきちんと伝えるようにしましょう。
適切なプロンプトを使うことで、ChatGPTの性能を向上させることができます。

ChatGPTのプロンプトを紹介した記事はこちら

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人によるチェックが必要

ChatGPTは最新のAI技術を持つツールですが、完璧な回答をするわけではありません。
回答を活用するには、必ず人間のチェックが必要です。

ChatGPTはよく、”優秀な新入社員”と言われています。
新入社員には、ミスはつきものです。
そのため、ChatGPTに全ての業務を任せるのではなく、
最後は自分で内容を確認し、必要な修正や追加を行いましょう。

 

ChatGPTで生産性を上げる方法

ChatGPTは、企業が生産性を向上させるための強力なツールとして活用できます。

それでは、ChatGPTで生産性を上げる具体的な方法について解説します。

ChatGPTにできることできないことを理解する

まずは、ChatGPTが得意な作業とそうでない作業を理解することが大切です。
なぜなら、ChatGPTは”何でも”できるわけではないからです。

例えば、情報収集や文章の作成、アイデア出しには優れていますが、
専門的な知識についての回答を出すことや、
感情的な状況を考えて答えを出すことは得意ではありません。

そのため、活用するにはまずはChatGPTについて理解を高めましょう。

自分の普段の作業からChatGPTが得意とする業務を洗い出す

ChatGPTが得意な作業とそうでない作業を把握した後は、
自分の業務の中からChatGPTに依頼できそうな業務を見つけましょう。

まずは、文章を作成する作業や誤字脱字を見つける作業など、
ルーティンワークや情報整理にChatGPTを活用するのがおすすめです!

適切なプロンプトと条件指定をして許容できる質の回答を得る

繰り返しになりますが、ChatGPTを最大限に活用するためには、適切な質問文と条件指定が必要です。

質問文は回答の具体性や正確さに影響し、条件指定は回答の品質や内容に影響します。
適切な質問文と条件指定をすることで、満足できる回答を得ることができます。

プロンプトはインターネットやSNSなどにたくさん紹介されているので、
自分に合うものを探してみましょう!

答えを自分で確認・整える

ChatGPTはヒントやアイデアを提供するツールです。
そのため、ChatGPTからの回答を受け取った後は、
自分の知識や経験を活かして確認を行い、最終的な判断は人間が行いましょう。

自分で確認し、必要な修正や追加を行うことで、
今までより短い時間でクオリティーの高い仕事ができるようになります。

 

社員のChatGPTの活用を補助している企業

ChatGPTは、医療や金融、教育、企業などの幅広い分野での利用が期待されていますが、
ChatGPTを活用するためには、知識や経験が必要です。

そのため社員のAIスキル向上を目的として、
ChatGPT Plus(有料版ChatGPT)の利用を支援する会社も増えてきています。

以下はその一例をまとめた表です。

企業名 事業概要 補助内容
コロプラ ゲーム開発・運営 全社員を対象にChatGPT Plusの利用料を補助
業務改善施策を表彰するコンテストを毎月開催しており
最大月15万円までの賞金を支給
心幸グループ 企業様の売店・食堂運営 全社員対象にChatGPT Plusの利用料を補助
MIXI SNS・Webメディア・ゲーム開発運営 全社員対象にChatGPT Plusの利用料を補助
Zaim 家計簿アプリの開発・運営 全社員対象にChatGPT Plusの利用料を補助
社員からの相談を受け付ける窓口も新設
UUUM コンテンツ・メディア事業 社員30人にChatGPT Plusの利用料を補助
約3カ月の試験運用終了後、
対象者を60人に拡大する計画
ビープラウド システム開発 毎月最大1万円までアプリ使用料を補助する制度の対象に
ChatGPT Plusを追加
Nobollel アプリ開発 全社員対象にChatGPT Plusの利用料を補助

参考
心幸グループ、全正社員向け福利厚生として「ChatGPT Plus」利用料全額補助を導入|心幸グループのプレスリリース
「ChatGPT」のノウハウ獲得を急げ、コロプラやUUUMが相次ぎ補助制度を導入 | 日経クロステック(xTECH)

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(リンクないので、企画戦略に確認中)

まとめ

今回はChatGPTの活用事例についてご紹介しました。

この記事がChatGPTの活用方法がわからず、
企業活用できない方のお役に立てれば光栄です!

EOCでは過去にもChatGPTに関する記事をたくさん配信しています。
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