今、「SDGs」はビジネスで注目されるキーワードですね。
しかしその重要性を理解しながらも、
「具体的な取り組み方やそのメリットがわからない」
という方がほとんどではないでしょうか。
今回は、中小企業がSDGsをマーケティングに取り入れる方法をご紹介します。
●SDGsをマーケティングに取り入れる方法
●中小企業のSDGs取り組み事例
目次
SDGsとは
SDGsは、2030年までに全世界が達成すべき大きな目標を17のゴールにまとめたものです。
2015年国連の会合で全ての国が賛成し、この目標が採択されました。
具体的なゴールとしては、すべての人が貧困から解放されることや、
食べ物が十分にあること、そして地球の気候が安定することなどが含まれています。
SDGsは私たち全人類が一緒に取り組む大切な課題です。
世界と日本の取り組みの現状
現在、SDGsの取り組みは大手企業を中心に行われており、中小企業の取り組みはまだ十分ではありません。
SDSNのランキングによると、
日本のSDGs達成度は過去最高の11位から現在は20位台に下がっています。
日本の企業の9割は中小企業であることを考えると、
日本のSDGs達成のためには、中小企業の積極的な取り組みが不可欠です。
2023年の日本のSDGs達成度は世界21位(出典:Sustainable Development Report 2023)
世界中の多くの国々も、SDGsの達成を目指し具体的な取り組みを進めています。
SDGsが中小企業に広がらない理由
中小企業の経営者や個人事業主2,000人を対象とした株式会社ネオマーケティングの調査によれば、
90.5%はSDGsについて「何らかの形で認知している」と回答していますが、
「SDGsに取り組んでいる」と答えたのは14.0%のみでした。
また、「SDGsに対する理解を進めている段階である」と答えた企業は40.0%と、
意識はあるものの、具体的な取り組みをしている企業は少ないことがわかります。
SDGsを実際に取り組めない理由として
「取り組むメリットがわからない」「何から取り組めばよいのかわからない」
が大きな理由としてあげられていました。
この調査から中小企業がSDGsに本格的に取り組むためには、
まずSDGsに関する情報や具体的な手法を知る必要があることがわかります。
中小企業の SDGs 推進に関する実態調査(2023 年)(参考:SDGSQuestionnaireZentai_202303.pdf)
SDGsはマーケティングの軸として活用できる
明日や1年後の経営に悩む中小企業にとって、
10年後の未来や、持続可能な社会について考えるのは簡単ではないですよね。
そこで、SDGsはマーケティングの手段として活用するのがおすすめです。
SDGsをマーケティングに取り入れることで、
企業は長期的に継続できる事業モデルを確保できます。
というのも、2021年に行われたアンケートでは、「普段の購買行動で行っていることはありますか? 」という問いに対して、
「環境にいいものを積極的に利用している」「環境にいいものは価格や品質に納得できれば利用する」と回答した人が合わせて75%。
商品やサービスを選ぶ際の基準として、環境への配慮を意識している人が増えてきています。
そのため中小企業は、流行やバズワードなどの流行りに乗った短期的なマーケティングだけに取り組むのではなく、
SDGsのような大きな目標と関連させた長期的なマーケティングが必要になってくるのです。
(参考:社会課題への姿勢が購買やサービス選びに大きく影響/SDGsに関する意識調査2021 )
SDGsをマーケティングに取り入れるためのポイント
SDGsをマーケティングに取り入れるためのポイントは下記の3つです。
1.既存事業の中でSDGsに貢献できる取り組みを探す
2.社員との関係構築としてSDGsを利用する
3.ビジネスモデルにSDGsを取り入れる
詳しく解説していきます。
既存事業の中でSDGsに貢献できる取り組みを探す
会社がSDGsの活動を始めるとき、ゼロから新しく始める必要はなく、
今行っている事業の中にSDGsに貢献できる部分があるかを探してみるのがポイントです。
例えば、食品を作っている会社なら、
「飢餓をゼロに」や「持続可能な食品生産」といったSDGsの目標と関わりがあるかもしれません。
また、IT企業は「良質な教育をみんなに」や「産業と技術の革新」などという目標に関連する仕事をしているかもしれません。
そのため、SDGsに取り組む際は、まず自分たちの事業とSDGsの目標との関わりを見つけ、
どの目標であれば今の事業とSDGsを掛け合わせられるのかを探してみましょう。
社員との関係構築としてSDGsを利用する
企業がSDGsに取り組むことは、
お客さんだけではなく、働く社員にとっても良い影響があります。
例えば、社内でSDGsについての勉強会やワークショップを開くことで、
それを業務や日常の中で役立てられるかもしれません。
弊社で実施したSDGs研修の様子
そのため、SDGsの研修を通じて、
社員同士の関係を強くしたり、会社全体としての一体感を作ることに取り組んでみるのもいいでしょう。
▼弊社の研修の様子はこちら▼
ビジネスモデルにSDGsを取り入れる
SDGsは、未来のための大きな目標です。
これをビジネスに取り入れることで、
会社は長期的に続くビジネスモデルを見つけられます。
例えば、会社が環境にやさしい商品やサービスを作ることに決めれば、
それはSDGsの「つくる責任つかう責任」という目標に関連しています。
環境に配慮した商品やサービスは、今後ますます需要が高まっていくことは間違いありません。
このような商品を提供することで、会社は新しいニーズのお客さんを取り込むと共に、
既存のお客さんにもっと自社の商品を好きになってもらうこともできるはずです。
中小企業のSDGsの取り組み事例3選
それでは最後に、中小企業のSDGsに対する取り組みをご紹介します。
「ランドセル FOR ALL」プロジェクト
引越や片付けなどのサービスを展開している流通株式会社。
業務を通じて「多くの家庭に使われなくなったランドセルが残っている」といった気づきを得て、
経済的な理由でランドセルを手に入れることが難しい子どもたちへ「ランドセル FOR ALL」というプロジェクトを立ち上げました。
不要となったランドセルを集め、社員がそれらをメンテナンス。
その後、ランドセルの譲渡会を開催し、子どもたちに好きなランドセルを選んでもらいます。
この活動はテレビや新聞などのメディアで多く取り上げられ、注目を浴びることで、
社内においてもSDGsと自社の活動をより深く認識するきっかけとなりました。
出典:2022年の「ランドセルFOR ALL」プロジェクトをスタート
植木を救いたい!「植木の里親」事業
株式会社やましたグリーンは、東京都八王子市で造園、外構工事事業などを行っている会社です。
地域の緑を守り、一本でも多くの植木を救いたいという思いから、「植木の里親」事業をスタートさせました。
「植木の里親」は、引っ越しや建て替え、手入れができなくなったなど、
さまざまな理由で伐採しなければならなくなった植木の、新たな里親を探すという事業です。
最低限の費用のみで植木を引き取り、譲渡も運搬費・植栽費用のみで行っています。
新たな里親を探すため、そして地域の人たちに植物のことをもっと知ってもらうために、「もらえる植物園」も開設しました。
引き取った植物たちが管理されている「もらえる植物園」は、誰でも好きな時に散策をすることができ、
気に入った植物と出会えれば、引き取ることができます。
育て方のレクチャーや地域交流のイベント、
地域の子ども食堂やレストランとのコラボ企画なども実施し、地域の植物リテラシーの向上に取り組んでいます。
出典:やましたグリーンのSDGsへの取り組み|植木の里親|八王子市のやましたグリーン
ITを通じて喜びワクワクするような”Happy”を創り、広めたい
エッコは企業理念「Be Happy」に基づき、SDGsに取り組んでいきたい!という思いを強く持っていました。
そのため、講師の方をお招きし、SDGsの概念を理解したり、取り組みを考える研修に社員全員で参加しました。
その研修での学びを基に、私たちの事業や職場のあり方を、
SDGsが目指す理想の世界と照らし合わせて整え、エッコができる社会的責任は何かをみんなで考えました。
自分たちの仕事が何に役立っているのか、どんな社会課題を解決しているのかを認識できたことで、
社員の責任感が高まり、仕事への熱意も一層高まりました。
▼研修内容はこちら▼
SDGsをマーケティングに活かすために
SDGsの取り組みが企業のマーケティングに活かすことができる具体的な事例をいくつか紹介しました。
最後に、成功の鍵となるポイントを3つご紹介します。
ポイント1
成功するSDGsプロジェクトは、具体的な目標(KGIとKPI)を設定することが大切です。
簡単に言えば、大きな目標に向かって漠然と進むのではなく、どのように取り組むか、明確に計画を立てて実行しましょう。
ポイント2
SDGsの取り組みは、あらゆる立場の人を巻き込んで進めましょう。
経営層や一部の部署だけでなく、全員が関わることで、企業全体で実績へと繋げることができます。
ポイント3
SDGsに関する取り組みを積極的に発信しましょう。
取り組みを発信することで、新しいビジネスのチャンスを生む可能性もあります。
社会課題に対する取り組みは、企業の新しい価値を生む手がかりとなるかもしれません。
SDGsの取り組みを通して、あなたの企業の可能性を広げ、更なる成長の種を見つけてみませんか?
▼エッコのSDGsへの取り組みはこちら▼