LINE公式アカウントのステップ配信とは、
友だち追加したユーザーに対して予め用意しておいた内容・タイミング・期間でメッセージが自動配信できる無料機能です。

この機能を活用すると、LINE公式アカウト運用負担を軽減できます。
今回はLINEコンサルタントが、ステップ配信の効果を最大にするコツを事例を交えて紹介します。

目次

LINE公式アカウントのステップ配信とは

ステップ配信とは、あらかじめ設定したメッセージを設定しておいたタイミンで自動送信できる機能です。
友だち追加してからの経過日数や、ユーザーの属性(性別・年齢・住まい)に合わせてメッセージを設定できます。

ステップ配信はメールマーケティングでも使用さている手法です。
例えば通販サイトで商品を購入した1週間後にアンケート、その何週間か後にクーポンが送られてくる経験はないでしょうか。
それは、ステップメールが設定されています。

ステップ配信のメリット

LINE公式アカウントでステップ配信を活用すると、以下の4つのメリットが得られます。

1.LINE公式アカウントの運用にかかる時間を短縮

ステップ配信を活用することで、メッセージ配信を自動化できます。

ステップ配信を使用しなければ、毎回手動でメッセージを設定しなければいけません。
ステップ配信を使えば、友だち登録した後に予め設定したメッセージを順番に送信したい時に役立ちます。

また、送り忘れ防止にもなります。

2.クリック率やWEBサイトへの誘導率を高められる

メールよりも高い到達率と開封率でメッセージをステップ配信できるということは、
メール以上にWebサイトやお問い合わせへの誘導が期待できます。

クーポンやお得情報のステップ配信をきっかけに、お問い合わせや商品購入に繋げましょう。

4. リピート客を獲得できる

お客さまがリピートされない理由の第1位が、「忘れるから」だそうです。
そのためステップ配信で定期的にメッセージを配信すると、リピート客を増やせます。

商品購入後に
・「ご購入頂いた商品は満足していますか?」
・「購入した商品の残量が少なくなっていませんか?」
とフォローメッセージを送信し、リピート客を獲得しましょう。

ステップ配信の設定方法

それでは、LINE公式アカウントのステップ配信を設定する手順を紹介します。

ステップ配信の作成画面を開く

LINE公式アカウントの管理画面のサイドバーから「ステップ配信」を選び、ステップ配信作成画面を表示します。

新規メッセージを作成する

右下の「テンプレートを使用」または「新規メッセージを作成」を選びます。何から始めたらいいか迷っている運用者の方は「テンプレートを使用」するのがおすすめです。
「再来店の促進」・「新規客のフォロ−アップ」などの目的別にテンプレートが用意されています。

引用:LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) ステップ配信マニュアル|LINEヤフー for Business 

メッセージ設定

次にメインとなるメッセージ設定です。
まず、タイトル・有効期限・配信数の上限を設定します。

メッセージの開始条件を決める

まずは「友だち追加」と書かれている場所をクリックします。
設定できる項目は以下の通りです。

・開始タイミングの設定:「友だち追加」
・「オーディエンス」から選択します。
・追加日:ここに設定した日付より後に友だち追加した人に配信されます
・追加経路:「すべての追加経路」または「特定の追加経路」を選択します。
・オーディエンス:「配信したメッセージに含まれるリンクをクリックしたユーザー」「メッセージを開封した」 などから選びます。
(※配信先に設定するには、50人以上のユーザーが必要です。)

設定が完了したら「保存」を押します。

メッセージ配信の内容を決める

次のメッセージが何日後に配信されるのかを決めます。
まずは次のメッセージを「何日後に配信するのか」を決めます。
補足:ステップ配信の「待ち時間」の起算日は「該当のステップ配信を設定した日」から起算されます。

画像中央の緑色のプラスボタンを押すと、「条件分岐を追加」ができます。
条件分岐とは、ある条件で絞って、ステップ配信を分岐させることが出来る仕組みです。

分岐させる条件は、「属性」と「オーディエンス」で絞り込めます。

効果的なステップ配信のコツ

ステップ配信を設置するコツがあるので、5つ紹介します。

1.目的に沿って配信内容を決める

ステップ配信を始める前は、明確に目的を設定しましょう。
例えば、「新規顧客の獲得」「リピーター客の獲得」「顧客満足度の向上」などです。

目的を達成するにはどんなメッセージを送ればいいかな?」と考え、
各ステップで伝えたい情報やコンテンツを検討しましょう。

2.ターゲットを明確にする

ターゲット層ごとに興味やニーズが異なります。
配信する情報やクーポンは、ターゲットに合わせて決めることが大切です。

例えば、飲食店でクーポンを配信する際、
20歳未満のお友だちが多いにも関わらず「ビール1杯無料券」を送ってしまっては効果がありません。
このようなズレを発生しないよう、ターゲットを決めましょう。

LINE公式アカウントの分析機能からは、お友だちの年齢や性別を確認できます。

画像:LINE公式アカウントの分析画面

3.伝えたいことを繰り返し配信する

情報は繰り返し提示されることで記憶に残りやすくなります。
メッセージやキャンペーン情報は複数のステップで継続的に伝え、ユーザーにしっかりと浸透させましょう。

4.メッセージの配信頻度に注意する

配信頻度が高すぎるとブロックに繋がります。
メッセージの配信頻度として、月に2〜4回のメッセージ配信がおすすめです。
友だちとのLINEのやりとりの邪魔にならないように、多くても週1回に留めるのが妥当です。

5.メッセージの配信時間に注意する

配信する時間帯も重要な要素です。
お友だちがアクティブな時間帯や、通常の休憩時間など、
スマートフォンを触っていることが多い時間にメッセージを送信しましょう。

ステップ配信のおすすめの使い方

ステップ配信は、様々な業種で効果的に活用できます。
以下では、具体的な業種ごとにステップ配信のおすすめの使い方を紹介します。

美容クリニック(店舗で友だち追加)の場合

美容クリニックでは、店舗でLINE公式に追加をした友だちステップ配信をしました。
施術内容ごとにQRコードを分けると、施術内容に合わせたメッセージを送信できます。

 

【目的】
リピート客を増やす

【配信例】
美容皮膚科を施術されたお客様専用のQRコードで追加
・1通目(追加当日):来院ありがとうメッセージと施術後のお肌のお手入れ方法
・2通目(7日後):「お肌の調子はいかがでしょうか?」のメッセージと別のお客様の施術事例
・3通目(14日後):類似商品の紹介
・4通目(30日後):クーポン及びキャンペーン情報

【ポイント】
・お客様の肌の状態に合わせて知りたい情報を配信
・ダウンタイムが終わり次回の施術ができるタイミングでクーポンを配信
・お客様が興味のある施術内容に関する情報を送信(流入経路でQRコードを分けることで実現可能)

不動産会社(ホームページから友だち追加)の場合

Web集客施策を実施してリーチを拡大しているときには、問い合わせの導線に必ずLINEを設置しましょう。
Webサイトからお友だち追加するユーザーは、情報収集している段階のユーザーが多いので、次のようにステップ配信をしてみましょう。

 

【目的】
店舗やモデルルームへの来店へ繋げる

【配信例】
・1通目(追加当日):LINE限定の非公開物件情報を配信
・2通目(3日後):最新の物件情報をLINEで配信
・3通目(10日後):不動産会社を選ぶ際の3つのポイントについてのコラム記事
・4通目(14日後):店舗予約を促すようなキャンペーン情報

【ポイント】
・見込み客をLINE公式アカウントに呼び込むことで顧客の囲いこむ
・1通目はユーザーに有益な情報を届ける
来店までにユーザーが知りたい情報を送信する

 

会員制ジム(会員様のみ友だち)の場合

会員制ジムでは、会員様向けに特別な情報やトレーニングプランを提供し顧客満足度を高められます。

 

【目的】
顧客満足度の向上

【配信例】
・1通目(追加当日):トレーニングスケジュールやクラススケジュールの配信
・2通目(10日後):器具の使い方についてのコラムを送信
・3通目(20日後):特別イベントやキャンペーンの情報発信
・4通目(30日後):トレーニングのヒントや健康情報の共有

【ポイント】
・お客様に忘れられない施策
・キャンペーンの効果をリアルタイムで測定できる
・1度LINE公式に友だち追加してもらうと、退会後にも再度アプローチができる

ステップ配信の注意点

ステップ配信を設定する際の注意点は5つあるので、確認して注意しましょう。

細かい条件分岐や設定には外部ツールが必要

さらに自由な条件分岐や設定をしたい場合、外部ツールの利用が必要です。

外部ツールを連携すると、「クーポンを使用した日から」「アンケートに答えた日から」など
自由度の高いステップ配信が設定できます。

配信されたメッセージは課金対象

ステップ配信で送信されるメッセージは課金対象です。
配信前に課金体系を確認し、予算内でキャンペーンを計画しましょう。

メッセージ通数の上限を超過した場合は配信が停止する

LINE公式アカウントでは、一定のメッセージ通数に上限が設けられています。
これを超過すると一時的に配信が停止されます。

1ヶ月に配信される通数を予想し、プランを選びましょう。

友だちがアカウントをブロックした場合

ユーザーが配信されたメッセージに不満を抱いた場合、アカウントをブロックする可能性があります。

ユーザーにとって有益で魅力的なコンテンツを提供し、ブロックのリスクを最小限に抑えるよう努めましょう。
LINE公式アカウントのブロック率を下げる方法は以下の記事にまとめています。

▼関連記事▼
LINE公式アカウントのブロック率を下げる8つの方法

途中でステップ配信を削除した場合

途中でステップ配信を削除すると、最後までステップ配信が送信されず止まってしまいます。

 

ステップ配信が使用可能な外部ツールを選ぶ際のポイントを解説

先ほど説明した通り、LINE公式アカウントに外部ツールを連携すると、より自由な配信が可能です。
外部ツールの連携をお考えの方に選び方のポイントを紹介しておきます。

ポイント①: ステップ配信以外の機能も確認する

外部ツールを選ぶ際には、ステップ配信以外にもLINE公式を使いやすくする機能多くあります。

例えば、自動タグ付け機能やセグメント配信機能です。
LINE公式の活用目的に合わせてどのような機能があるといいのかを調べてみましょう。

ポイント②: サポートの体制がどうなっているかを確認する

外部ツールの使用は、複雑になる場合があります。

選んだツールが十分なサポート体制を整えているかを確認しましょう。
運用をサポートや運用セミナーを実施しているツールを選択するのがおすすめです。

ポイント③: 配信通数と月額料金を確認する

外部ツールの利用には通常、月額料金がかかります。
使用するステップ配信の頻度や配信通数に応じて、選んだツールの料金プランが適切であるかを確認しましょう。

まとめ

LINE公式アカウントのステップ配信は、完全に無料で使用できます。
友だち追加したユーザーに対して、予め用意しておいた内容・タイミング・期間でメッセージが自動配信できる機能です。

LINE公式アカウントの配信数の上限を超えた場合は配信が自動停止されるので注意しましょう。