こんにちは。
2週連続、エッコの働き方改革・事例紹介をします!
今回紹介するのは「時間単位年休」の制度です。
この制度も社員の声から始まり、導入するまでに至りました。
働き方改革で注目される制度のひとつですが、
導入するまでに整えなければならない会社の仕組みがたくさんあります。
「どのように導入したらよいのか」「どのような運用ルールがあるのか」などを知りたい方もいるのではないでしょうか。
今回は、時間単位年休の概要だけでなく、導入方法、労使協定の書き方などについてもご紹介します。
目次
時間単位年休とは
「時間単位年休」とは、年次有給休暇を時間単位で取得できる制度のことで、「時間単位有給」とも呼ばれています。
ワークライフバランスを図る観点から、 年次有給休暇を有効活用できるようにすることを目的とした制度です。
2010年4月施行の改正労働基準法で定められました。
時間単位年休の導入メリット
では、制度の導入で、企業・従業員にそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか?
企業のメリット
従事してもらう時間が確保できる
短時間で済む用事なら、全休や半休ではなく、数時間単位の中抜けで仕事に戻ってもらうことができます。
特にフレックスの場合は、コアタイム時間が必須労働時間のため、半休4時間程度では対応できず、全休するしかありません。
時間単位年休があれば、従事する時間・人数を確保しやすくなります。
有給取得率の向上が期待できる
「忙し過ぎる」「上司や周囲の評価が気になる」といった理由から、
日本の有給取得率は世界各国と比べ、極端に低いと言われています。
時間単位年休を導入すれば、1日単位で有給を取得することに抵抗がある労働者も有給を取得しやすくなり、
有給取得率の向上が期待できます。
企業の社会的価値の向上につながる
時間単位年休の導入を対外的にアピールすれば、
「労働者のワークライフバランス向上に取り組んでいる企業」というプラスの印象を持たれやすくなり、
企業の社会的価値の向上につながります。
柔軟な働き方が認められ「女性活躍推進に優れた上場企業」、
経済産業省および東京証券取引所より「準なでしこ」に選定され評価された企業もたくさんあります。
従業員のメリット
選択肢が増える
従来の有給休暇制度では、短時間で済む用事であっても、1日もしくは半日の有給休暇を取得するしかありませんでした。
時間単位で取得できれば、短時間の用事の際に取得できる有給休暇の選択肢が増えるので、従来通り休むことができます。
有給をあまり抵抗なく取得できる
「1日休んでしまうと仕事がたまってしまう」「周囲に負担をかけることが心配」といった悩みを抱える労働者でも、
時間単位年休であれば、仕事への影響を最小化できるので、あまり抵抗なく有給を取得できます。
中抜けが可能
時間単位年休はお昼休憩を除いた時間に取得することができるので、中抜けが可能です。
役所の手続きや保育園のお迎えなど、用事を済まして再度業務を行うことができます。
※会社によって取得可能時間のルールは異なります
ワークライフバランスの実現が図れる
仕事への影響が最小限にとどめられるため、時間単位年休の利用によって有給消化する機会が増えると考えられます。
有給を有効活用することで、ワークライフバランスの実現が図れます。
精神的にも肉体的にも、休みを取ることは従業員のメリットになります。
リフレッシュもできて、仕事への意欲も増加するでしょう。
時間単位年休導入で気をつけるべき注意点
時間単位年休は、いくつかのルールが定められています。
導入の際は注意する必要があるので確認していきましょう。
時間単位
時間単位年休は時間単位でのみ取得できる制度です。
取得できる最大時間は就業規則に規定されている所定労働時間で、最少は1時間となっています。
30分などの1時間未満の時間は取得できません。
5日の上限
時間単位年休は年間で取得できる日数の上限が5日と定められています。
時間数は通常、所定労働時間を基に規定されます。
年間では8時間(1日の時間数)×5日で40時間がこの場合の上限となります。
所定労働時間が7時間30分といった時間に満たない端数がある場合は、
時間単位に切り上げてから計算する必要があるため、1日あたり8時間が時間単位年休として利用できます。
繰り越し
取得した時間有給5日分を使い切らなかった場合、
翌年に繰り越しされますが、繰り越し分含めても5日が付与上限となります。
5日+前年繰り越し分とはならないので注意が必要です。
有給休暇取得義務の5日には含まれない
5日間の有給休暇取得が義務化されていますが、
時間単位年休で取得した休暇は義務化された有給取得から控除が認められていません。
したがって有給休暇の取得日数と時間単位年休の2つを個々で管理する必要があります。
半日単位の有給とは別
半日単位有給休暇は従来通りの扱いとなります。
半日休暇を取得しても時間単位年休で取得できる時間が減ることはありません。
上限5日にも半日休暇は当てはまりません。
また、半日単位の有給休暇と違う点として中抜けの可否があります。
半日単位の有給休暇では労働時間の途中で使用することができません。
一方で、時間単位年休であれば中抜けも可能です。
対象とする従業員の範囲
対象とする従業員の範囲は時間単位年休の付与が事業の正常な運営の妨げになると考えられる場合にのみ対象外とできます。ただし、育児中の労働者など目的によって取得の制限はできません。
就業規則・労使協定への規定が必要
上記で挙げた取得時間や1日の時間数などは、規則に規定が必要です。
就業規則への記載・労働者の過半数を代表する者との書面による協定(労使協定)が必要になります。
有給取得日数の減少
時間単位年休の制度ができたことで本来の1日の有給休暇が取得しづらい状態となることもあり、
有給休暇の取得率が下がってしまう可能性もあります。
時間単位年休の制度はあくまで従来の有給休暇の補助的な役割ですので、有給休暇の取得しやすい環境整備が求められます。
複雑な管理
前述した通り、時間単位年休で取得した有給は、取得が義務化された5日の有給休暇からは控除できません。
また遅刻を時間単位年休に変更することは、本来の有給休暇の趣旨からは外れるため合理性に欠けるので、
事前に申請をしてもらったりと、管理が複雑になります。
時間単位年休に対応している人事労務ソフト・勤怠管理ソフトを利用する、
またはエクセル等で別管理とするのが良さそうです。
利用者の声
エッコでは時間単位年休の制度を昨年10月に導入しました。
既に何人かの従業員が利用しているので、実際に利用した感想を聞いてみます!
時間単位年休はどのような目的で利用していますか?今まで利用した場面を教えてください!
・子どもの面倒見るとき、中抜けしています
・区役所に行くときに、中抜けしました
・保育園に子どもを迎えに行くとき、時間単位年休を使って早退しています
・病院に通院するときに利用しています
・災害や気候等で電車が遅延し遅刻したとき、利用しました
有給取得率は上がりましたか?また、今後上がりそうですか?
・上がると思います!
・1日休むのと仕事に穴を空けることになるので気がひけるけど、時間単位ならどんどん使いたい!
この制度のおかげで自分に起こった変化があれば教えてください!
・今まで仕事第一でプライベートは二の次という意識でした。
ワークライフバランスを意識して過ごせるので、仕事へのモチベーションも高まります!
・美容院に行きたいから1時間早引きしよう、というように柔軟に対応できて嬉しい。
そのためにやることはやらなきゃ!ってなります。
・コロナ禍で不足の事態に備えなければならないことが増えたので、日によってライフに重点をおけるのはとても良い!
仕事も家庭も、どちらも重要なので、今まではバランスを取ることに苦しくなっていました。
今日は仕事、今日は家庭、とメリハリをつけられるので、
時間だけでなく精神的にも上手にバランスを取れるようになってきています。
今後も制度を活用し続けたいですか?
・今まではちょっとした用事を1日に詰め込んでいたので、かなり忙しく大変でした。
今は、空きそうな時間に気軽に取得できるので、非常に良いです!活用し続けます!
・使いたいです!
まだ制度ができて日が浅いのでどのように活用したらいいかわからない、という他の従業員にも是非おすすめしたい!
嬉しい意見がいっぱいでした!
頑張って導入した甲斐がありました!!
最後に
これからも従業員の声を大切に、色々な制度を整えていく予定です。
エッコの働き方に魅力を感じた方は是非、共に働き、共に制度を創っていきましょう!