サーバーとドメインの違い

サーバーとドメインの違いについては、次のように例えられることが多いです。

 

  • サーバーとはウェブ上にある土地
  • ドメインはウェブ上にある住所

 

と、言われると超初心者としてはこう首をかしげませんか?

 

「土地があるなら、住所は自動的に付いてくるでしょ!?」

 

ええ、現実世界では「土地を買う=その土地には住所がある」のが普通です。
まずここが超初心者として ”ストン” と来ない。
なので、私はこう理解するのが良いかと思います。

 

  • サーバーとはウェブ上にある土地
  • IPアドレスがウェブ上にある住所
  • ドメインはウェブ上にある建物名

 

IPアドレスなる新しいものが出てきましたが、これはまた後でちょっとだけ説明しますね。
では、サーバーとドメインの関係を東京タワーに変換して説明していきます。

 

 

サーバーについて(IPアドレスについて)

さて、サーバーが土地でIPアドレスが住所、ということはご理解いただけましたでしょうか。
土地を買ったら、建物を建てることができます。
この “建物” がサイトですね。

 

図解すると以下のようになります。
サーバーについての図

一般的に「サイトを作る」となった場合は、まずサーバー(土地)を借ります。
サーバー(土地)を借りるとそこにサイト(建物)が建てられます。

 

東京タワーのサイトを例に説明しましょう。
https:// www.tokyotower.co.jp/

 

まず、サイト(建物)を作るぞ!となったらサーバー(土地)を借ります。
そうすると、ウェブ上にあるIPアドレス(住所)の割り振られたサーバー(土地)を借りることができます。
IPアドレスというのは、一般の方はあまり目にしないかもしれませんが、
【160.16.238.100】みたいな数字で表記されます。

 

そうしたら、そのサーバー(土地)の中にサイト(建物)を作っていきます。
サイト(建物)が出来たら、もうそれで完成していると言っても問題はありません。

そう、ドメインがなくともサイトは公開できるのです。

 

ひとまずサイトを作るにあたって
サーバーが必須だと言うことはご理解いただけましたでしょうか。

 

では、なぜドメインなんてものが必要になって来るのでしょうか?

 

 

ドメインについて

ドメインがなくともサイトは公開できる。そう、そりゃそうなのです。
土地があって、住所があって、そこに建物が建っていれば完成と言えば完成なのです。

 

ただ、ドメインなしでサイトを公開する場合のURLはこうなります。
https:// 160.16.238.100

 

なんだこの数字の羅列は……
でもこの数字の羅列、なんか見たことありませんか?
つい300文字前くらいに……

そう、これは住所である【IPアドレス】です。
なんとも味気ないですね。
こんなに数字が羅列してあっては、そのサイト(建物)が何かわかりません。

 

例えば友人に

 

「今度いっしょに東京都港区芝公園4丁目2−8に行こうよ!」

 

と言われても「どこそれ?」となるのではないでしょうか。
少なくとも東京に縁の少ない私は、どこだかわかりません。
東京なのはわかりますが。では、

 

「今度いっしょに東京タワーに行こうよ!」

 

と言われたらどうでしょう?
「ああ〜東京タワーね!」となるのではないでしょうか。
この “東京タワー” つまり建物名が【ドメイン】です。

 

【ドメイン】はそのドメインを所有する人や団体の名前だったり、地域や業種、

はたまた商品名などから自由に決めることが出来ます。
つまり、サイト(建物)へ訪れてほしい人に、

分かりやすく・連想しやすい建物名(ドメイン)を付けることが可能というわけで……

 

「ドメイン、大事!」

 

ということですね。

 

 

サーバー移管

ここからはサイト制作には必須ではないけれど、ちょいちょい聞く「サーバー移管」について説明します。

「サーバー移管」と「ドメイン移転(移管)」

似ているけれど、さきほどまでのお話が理解できた方は、

なんとなく違うものだということはわかるのではないでしょうか?

 

  • サーバーとはウェブ上にある土地

 

ということなので、サーバー移管は言うなれば【お引越し】になります。

借りている土地を、別の土地へ移るわけですね。
サーバー(土地)を管理している会社を移すので、サーバー “移管” と言います。

サーバー移管の図
私たちが普通に想像する「事務所移転」とかみたいに、

建物(サイト)を新しくすることが多いです(サイトリニューアル)。
ですが、「ちいさいおうち」のように、建物(サイト)をそのまま移築させることもできます。

 

基本的にサーバー移管(お引越し)をしても、ドメイン(建物名)は変わりません
もちろん、住所(IPアドレス)は変わりますが。
(この住所が変わるせいでメールが届かなくなったりするんですが、それはまた別の機会に説明しますね)

 

 

ドメイン移管(移転)

さて、次は「ドメイン移管(移転)」についてですが、これがちょっとややこしいです。

 

  • ドメインはウェブ上にある建物名

 

つまり、この建物名を管理している会社を変える、ということです。
建物名(ドメイン)を管理している会社って何?
となりますが、ドメインは性質として “商標” に似た部分があります。

 

商標は簡単に言うと「誰が作った商品か?」「誰が提供するサービスか?」を表すものですね。
ドメインも「誰が保有するサイトなのか?」「何を扱っているサイトなのか?」を表すものです。

 

商標が同一のものを登録できないのと同じで、ドメインも同一のものを登録することは出来ません。
この登録が重複しないように管理しているのが、ドメイン管理会社です。

ドメイン移管の図
ドメインの管理する組織には「.jp担当」「.com担当」元締めみたいなのがいて、
これは「レジストリ」と呼ばれています。
が、私たちがこの元締め(レジストリ)に直接ドメインの登録をお願いするわけではありません。
ドメインの登録をする会社は別にあって、これは「レジストラ」と呼ばれ、
会社毎に様々なサービスを展開しています。

 

この登録管理会社(レジストラ)を変更することをドメイン移管(移転)と言うわけです。

 

「このドメインは〇〇さんのもので、世界に一つしかないですよ!」

 

と、証明してくれる会社を変えるということですね。
なので、サーバーなどは変わらず、特にこの移管でサイトに支障がでるということは、ほとんどないのです。
(ほとんど、です。たまにネームサーバーが変わったりとかもするので移管を担当する人は注意です)

 

 

まとめ

さて、ドメインとサーバーの違い・移管について、ふわっと理解していただけましたでしょうか?
あくまでも「超初心者でもふわっと理解できる」という説明ですので、
100%正確というわけではありません。

 

とても詳しい人にこの説明をしたら「はあ?」と言われるかもしれません……

 

でも「イメージとしてはそんな感じ」なので、Webに疎い人たちが齧って咀嚼できる程度の内容かと思います!

 

「お客さんにサーバーとドメインの違いが説明できない」
「サーバー移管とかドメイン移管の意味がよくわからないまま仕事をしてる」

 

なんて方に、この「超初心者でもふわっと理解できる」説明がお役に立てられれば幸いです。

また機会があれば、「メールサーバーって何?メールの仕組みとは」なんて内容に関しても書ければな〜と思います。

 

以上、デザイナーの木曽でした。

 

*説明図に使用したイラストはいらすとやさんのものです。