クラウドストレージとは?

クラウドストレージ(オンラインストレージ)とは「インターネットを介してデータをクラウド(データセンターのサーバー)上で格納、運用、管理」できるサービスです。

サービスを使用するための必要な仕組みはすでに構築されているので、専門的な知識や技術を必要としないので会社にIT担当者がいなくても大丈夫です。

2020年11月に内閣府がPPAP(パスワードの必要なzipファイル)の廃止を発表、企業などもPPAPの廃止を検討しているなど、クラウドストレージに対しての関心が近年高まっています。
次に、なぜクラウドストレージを導入するべきなのか?そのメリットなどをお話します。

クラウドストレージツール導入のメリット

どこからでもアクセス可能

インターネットに接続できるデバイスがあれば、いつでもどこでも好きな時に必要なドキュメントや画像・動画ファイルなどを閲覧、ダウンロード、編集、アップロードすることができます。

もし、出張先で緊急で追加の資料が必要になってもクラウドストレージがあれば安心です。
クラウドストレージツールからダウンロードするだけで迅速かつ柔軟に対応できますね。

最近ではデスクワークの少ない建設会社でもクラウドストレージツールを導入しています。工事現場からでも大容量の図面データなどを閲覧することができ、わざわざ工事事務所に戻る必要がなくなったそうです。

簡単に管理できる

クラウドストレージを導入することによって、データの管理が簡単になります。

クラウドストレージ上にあるデータは一箇所に保管されているわけではなく、世界にあるデータセンターに分散されて保管されているのでデータを安全な場所に簡単に管理できます。

もし、社内にサーバー設置を設置する必要のあるデータ保存用のオンプレミスストレージを購入した場合、サーバーが物理的なダメージを受けたときに貴重なデータを完全に失う可能性があります。
地震など災害が起きたときのことを考えると、クラウド上で管理をしたほうが安全であることが想像できると思います。

また、オンプレミスストレージを購入する場合の保守・管理の工数・費用軽減も可能になります。

ペーパーレス化で業務改善

最近では情報漏洩リスクの観点や環境保護・SDGsなどでペーパーレス化への動きが進んでいます。
日本ではまだ根強い紙文化が残っていますが、クラウドストレージを活用することで、書類を保管するスペースの削減、クラウドツールの検索機能を使い即座に必要な書類を見つけることができます。

また、書類のフローがどの段階にあるのかなどをリアルタイムで追跡できるのもクラウドストレージサービスを使うならではの便利な特徴です。

ここからは私がおすすめする法人向けクラウドストレージ3社を紹介・徹底比較していきます!

おすすめクラウドストレージ

ここからは私がおすすめする法人向けクラウドストレージ4社を紹介していきます!

Box

まず、定番法人向けクラウドストレージであるアメリカ生まれのBoxを紹介します。

Boxは共同創業者のアーロン・レヴィがカリフォルニア大学在学中に学生寮で創業しました。
創立当時は一般消費者をターゲットユーザーにしていたのですが、テックジャイアントのGoogleやAppleなどが一般消費者向けクラウドストレージに参入してきたことを皮切りに、ターゲットを法人向け顧客に転換しました。

今では、世界で76,000社以上が利用しており、フォーチュン500の中で67%以上の企業がBoxを利用しています。日本では資生堂やJALがBOXを導入しています。

セキュアSAMBA

セキュアSAMBAは中小企業向けのコミュニケーションツールを提供しているChatwork社の連結子会社が提供する純国産の法人向けクラウドストレージサービスです。

本では3000社以上の企業がセキュアSAMBAを選び、従業員100人未満のSaaS(Software as a Serivce)型コンテンツ・コラボレーション市場において、3年連続1位のシェアを獲得しています。

Dropbox Business

Dropbox Businessは消費者向けクラウドストレージサービスに特化したアメリカのDropbox社が提供している企業向けの商品です。
日本では、電通や朝日放送株式会社などがDropbox Businessを採用しています。

ちなみに、Dropboxのアイデアは共同創業者のドリュー・ヒューストンがマサチューセッツ工科大学卒業後にビジネスアイデアが入ったUSBドライブを家に忘れたことがきっかけです。
この時、どこにいてもオンラインからアクセスできるストレージが必要だということに気づきDropboxのプロトタイプをわずか2週間で作りあげたそうです。

OneDrive for Business

OneDrive for Businessはアメリカに本社を置くMicrosoft社が提供する法人向けクラウドストレージサービスです。OneDrive for Businessは、Microsoft Officeに統合されているため、Microsoft 365ユーザーの企業にとっては1つのサービスとの契約で利用することができるため、利便性が高いと言えます。そのため、企業にとっては最適なクラウドストレージツールの1つとなっています。 

それぞれの違いを徹底比較!

これからはそれぞれのツールの機能を様々な面から徹底比較していきます。

Boxの機能

特徴

  1. 高いセキュリティ
  2. 豊富なアクセス権限設定
  3. 無制限にファイルの保存が可能

価格
Business ユーザー当たり¥1,881/月
Business Plus ユーザー当たり¥3,135/月
Enterprise ユーザー当たり ¥4,620/月

オフラインでのアクセス

Box Driveという企業向けに作られたクラウドドライブを追加することでオフラインでの作業が可能になります。
このアプリをインストールすることでオフラインの状態でもBoxのアカウントと繋がっていれば、オンライン戻った時に編集したファイルが自動的にクラウド上にアップロードされます。

サポート体制

企業向けクラウドストレージに特化した企業ということもあり、Boxのサポート体制は充実しています。
Boxのカスタマーサクセスチームは「Japan Box Education」というBoxの法人向けユーザーが業務でBoxを効果的に活用できるよう支援しています。
Box管理者用のトレーニング用のコースであったり、Boxの進んだ機能の使い方を学べるコースなども提供しています。

モバイル版で可能なこと

  • PDFs、Microsoft Office ファイルなど数百種類のファイルをアップロード可能
  • Box Notesの機能を使い、アイデアや情報共有がスマホから可能
  • 書類や領収書などをスマホカメラで撮影し、そのままBoxにアップロード
  • オフラインの状態でもファイルの編集が可能
  • カメラで撮影した書類をPDFで検索可能にできる

セキュリティ

ゼロトラストのセキュリティ制御
7段階のアクセス権限
データの暗号化
Box shieldでのデータ漏洩対策と脅威検知
Box Zonesでのデータコンプライアンスと規制のニーズに対応
データ保持、リーガルホールド、廃棄管理などの機能による情報ガバナンス

他社サービスとの連携・便利機能
企業向けのクラウドストレージに特化したBoxには様々なコラボレーション機能が備わっています。いくつかのBoxのコラボレーションツールを見ていきましょう。

Box Canvas

2023年2月に新たにBoxに追加された新機能Box Canvasは仮想ホワイトボートで社員がどこにいてもリアルタイムでブレインストーミング、プラン、アイデア出しなどの業務をクラウド上ですることが可能です。チャットや付箋などの機能もBox Canvasには備わっているのでハイブリット・リモートワークなどの流動的なクリエイティブなコラボレーションにぴったりの機能です。Boxのプランに加入していれば無料で使うことができます。

Box ファイルリクエスト

Boxファイルリクエストを使うことにより、相手がBoxアカウントを持っていなくても、安全にファイルを受け取ることができます。内定者から書類を提出してもらう時、業務委託の契約書、社外のフリーランスのパートナーさんなどから成果物を納品してもらうときなどに使える便利な機能です。BoxファイルリクエストではBoxがサポートしているファイルタイプに対応しています。

 

セキュアSAMBAの機能

特徴

  1. 操作が簡単
  2. サポート体制が充実
  3. ユーザー数無制限

価格

フリープラン ¥0/
ライトプラン ¥15,000/月  初期費用¥15,000
ビジネスプラン ¥35,000/月 初期費用¥35,000

オフラインでのアクセス

セキュアSAMBAではWindows・ユーザー向けのデスクトップアプリが提供されており、そこからオフラインでファイルにアクセスすることが可能です。

サポート体制
セキュアSMABAは従業員100人未満の企業から1位に選ばれたということもあり
「データ移行支援サービス」「新規導入サービス」というどのデータを移行していいかわからない企業や導入から運用までの時間がとれない企業に手厚いサポート体制を整えています。

モバイル版で可能なこと

  • 15種類以上の画像、ドキュメント、動画ファイルの閲覧
  • ファイルのコピー、移動
  • ファイル・フォルダーのシェア
  • ダウンロードリンクの作成
  • 撮影した写真・動画を指定のフォルダーに即座にアップロード

セキュリティ

ファイルの暗号化
アクセス制限
グローバルIPアドレスによる制限
端末認証
パスワードポリシー
自動ログアウト
二段階認証

他社サービスとの連携・便利機能

PC端末、スマートデバイス端末(UUID)承認を行うことで、登録した以外の場所からでもグローバルIPアドレス元以外の場所からもアクセスを許可することが可能です。

利用制限を細かく設定することができるので社内、社外でアクセス制限を分けることができます。

DropBox Business

特徴

  1. 共同編集が可能
  2. フォルダに入れるだけで自動保存
  3. DropboxのWEB上で、Microsoft Officeの編集可能

価格

Standard ユーザー当たり ¥1,500 /月
Standard + DocSend ユーザー当たり ¥5,600 /月
Advanced ユーザー当たり ¥2,400 /月

オフラインでの作業

Windows, Macの両方の環境でDropboxデスクトップアプリをダウンロードすることができ、オフラインアクセスを許可することでインターネットに接続せずともファイルの編集ができ、インターネットに接続後、自動的に加えた変更がDropboxで同期されます。

サポート体制

Dropbox Businessは企業向けユーザーにサービスを最大限に活用してもらえるよう「自分のペースで進められるトレーニング」「バーチャルトレーニング」「モジュール」の3つのコースを提供しています。

バーチャルトレーニングではライブ講師の指導のもとに無料で効率的な共同作業を行う方法や、管理者が安全にチームアクティビティを管理できる方法なども習うことができます。

モバイル版で可能なこと

  • 175種類以上のファイル形式を閲覧可能
  • 書類、領収書、身分証明書などをカメラでスキャンし高画質のPDFに変換
  • リンクをコピーして貼り付けるだけで大容量のファイルも送信可能

セキュリティ

アイデンティティとアクセス管理
共有ファイル・フォルダの権限
復元とバージョン管理
遠隔排除
包括的な監視ログ

他社サービスとの連携・便利機能

Dropbox キャプチャ

口頭や文面で情報を共有するのが難しいなと感じる時、Dropboxキャプチャをコンピューターにインストールするだけで社内のメンバーや社外の人たちと簡単に意思の疎通を図ることができます。

カスタマーとして働いている自分から見てもこの機能は便利だなと思います。

たとえば、WordPressの使用方法がわからないというお問い合わせがあった時などにメールやチャットで書面で伝えるのではなく、動画での方が情報を伝えやすいので、この機能を活用できる企業は多いと思います。

 

OneDrive for Business

特徴

  1. Officeアプリケーションとの連携
  2. Microsoft Teamsでのコラボーレーション向上
  3. 共同作業に最適

価格

OneDrive for Business(Plan 2) ユーザー当たり ¥1,090 /月
Microsoft 365 Business Basic ユーザー当たり ¥650 /月
Microsoft 365 Business Standard ユーザー当たり ¥1,360 /月

オフラインでの作業

OneDrive for Businessを利用する場合、PCやスマートフォンであらかじめファイルをダウンロードしておけば、インターネットに接続していなくても作業を行うことができます。新規のドキュメントやプレゼンテーションをオフラインで作成することができますが、テンプレートを使用する場合にはインターネットに接続する必要があります。

サポート体制

OneDrive for Businessのサポート体制は充実しており、どのプランで契約をしても24時間年中無休ので電話/オンラインのサポートを受けることができます。

セキュリティ

転送中、保管中のデータ暗号化
データ損失防止機能(DLP)の利用可能
電子情報開示
コンプライアンス認証

他社サービスとの連携・便利機能

CRM(Customer Relationship Management)のシェア1位を誇るSalesforceとの連携が、OneDrive for Businessで可能です。さらに、Microsoft 365 Business BasicまたはMicrosoft 365 Business Standardプランを契約すれば、Microsoft Teamsでファイルを直接共有することができるため、業務効率化につながります。

選ぶ際の注意点

運用コストが必要

クラウドストレージツールを導入する際には、使用するデバイスの他にも、ネット環境を整える必要があるなど運用コストがかかります。

特にネット環境によっては、クラウドストレージツールを利用することがかえって負担になるかもしれませんので、ぜひ使いやすい環境を整えてください。

セキュリティ

クラウドストレージ導入時に企業が最も注意しなければならないことは「セキュリティ」です。

インターネットやWebサイトを通じて、ファイルを利用不可の状態に書き換え、身代金を請求するコンピューターウイルスのランサムウェアなどは決して大企業だけの問題ではありません。
実際に被害に遭う企業の5社に1社が中小企業だそうです。

私がこのブログで紹介している3社ともセキュリティ対策はしっかりしており、クラウドツールを使うことにより「アクセス履歴記録の管理などで情報漏洩リスクの低減」「ランサムウェア対策」などが可能になります。

終わりに

外部に社内の重要なデータを移管することで情報漏洩のリスクが増えるのではなどの心配になられる方も多いと思います。

しかし、法人向けクラウドストレージツールを提供する企業の事業持続の絶対条件としてユーザのデータを守ることであるため、そのような心配をする必要はありません。

実際に米国連邦政府機関はファイル共有、管理に外部の法人向けクラウドストレージサービスを使用しており、セキュリティの面でこれらのツールを信用していることが分かると思います。

2022年度からは、クラウドストレージも「IT導入補助金」の対象になり、このブログで紹介した4社とも補償対象のクラウドサービスです。
ビジネスを取り巻く環境は日々進化するので、会社をこれからのデジダルプルーフな会社にするための、第一歩としてクラウドストレージ導入をしてみてはいかがでしょうか!

企業の現場課題であるDXを進めるためのクラウドストレージについて、どのように導入してよいかわからないという法人様はぜひエッコにお問い合わせください。