みなさんChatGPTは使用していますか?私は毎日ChatGPTを使っています。
そのおかげで仕事のスピードが2倍?いや3倍ほどアップしたと言っても過言ではありません。
2022年の春頃から「インターネット以来の大発明」として国内外で話題を呼んでいるChatGPT。
ChatGPTとは、チャット形式で質問を入力すると、テキストで回答を返してくれる対話型AIです。
2022年11月のサービス開始からわずか2ヶ月でユーザー数が1億人を突破するなど、世界的に注目を集めています。
その用途は幅広く、ブログ文章の作成やプログラミング、テキストの要約などさまざまなビジネス分野での活用が期待されています。
そんな世界から注目を集めるChatGPTですが、一部のITリテラシーの高いエンジニア達からは
「ChatGPTは全く新しい技術ではない。」 「革新的と言われるには疑問がある。」と
悲観的な意見もあるのはご存知でしょうか。
今回は、20年以上プログラミング一筋。
某Webシステム開発会社代表取締役のAさんに
ChatGPTとは何なのか、どんなことができるのか、どのように活用していけばよいのか、そしてChatGPTに対する考え方を伺いました。
ChataGPTの基礎知識には、こちらの記事をご欄ください。
(インタビュー日:2023年3月8日)
目次
ChatGPTがAI技術において革新的でない理由
ーー世界中で話題のChatGPTを「全く新しい技術ではない」と考える理由は何ですか?
ChatGPTが、「AI分野における革新」と言われる理由に疑問を持つのは、
これまでにもすでに高度なAI技術はいくつも存在しており、
人間に代わってAIが仕事をするという事態はひと昔前から起こっていたからです。
例えば投資分野において、アメリカの投資銀行であるゴールドマン・サックスは、
2017年に600人いたトレーダーをわずか2人まで削減し、残りは全てAIに置き換えたという事例もあります。
参考:人件費2.5億ドル以上削減!_…AIに置き換わる「トレーダー」 _ 幻冬舎ゴールドオンライン
このようなことが起きたのは、トレードの過去の値動きやトレーダーの心理を考え、
自動で売買を行ってくれるAIシステムが存在しているからです。
この事例からもわかるように、AIはすでに人間の代わりに仕事をしています。
Googleがクラウド技術を発表した時にも、同じような感覚になりました。
Googleは、クラウド技術を新しいものとしてアピールし、
メディアもクラウドを大きく取り上げました。
しかし、実際にはこれもすでに存在していた技術であったのです。
ChatGPTが世界から注目を集める理由
ーーではなぜこんなにも世界で話題となり、インターネット以来の大発明と言われているのですか?
それは、ChatGPTの教師データ(コンピューターに学習させるための情報データ)が
今までのAIと比べ非常に優れているからです。
例えば、明日の気温を予想する際に必要な情報は、
今日明日の天気・気温・雲の動きなどの情報ですよね。
しかしそこに、車の渋滞情報を紐づけてしまったとしたらどうでしょうか。
車の渋滞情報は、明日の気温を予想するのに関係がないので、
間違った答えを出してしまう可能性が高まります。
今までのAIは答えを出すために必要な情報を選ぶ精度が低かったのですが、
ChatGPTは必要な情報を選ぶ精度が素晴らしく高いとところが大発明と言われる大きな理由ですね。
なんせ、いろんな事柄を結びつけて考えなければいけない
ミネソタ大学の問題をも解いてしまうくらいですから。
ーーなるほど、ではこれまでにこれほど正確な返答をするAIは存在しなかったということですね?
これまでのAIも、音声や画像の認識に非常に優れていましたが、
読み書きに優れているAIは存在しなかったと思います。
2016年にMicrosoftが作成した「Tay」というAIは、
自然言語を習得させる場として、Twitterを教師データに採用しました。
「Tay」がTwitterから膨大なデータを勉強した結果、
わずか16時間で人種差別的な発言や攻撃的な発言を繰り返すようになってしまい
すぐに使用を中止したことがあります。
参考:MS、AIチャットボット「Tay」を停止–ヒトラー擁護など不適切なツイートの投稿で – CNET Japan
情報の取捨選択ができないと、社会的な格差を拡大させるリスクがあり、
AIの実用化が難しくなります。
ChatGPTは人間の脳神経回路に似ている?機械学習の仕組み
ーーChatGPTは、どのような仕組みになっているのですか?
ChatGPTは、深層学習(ディープラーニング)と呼ばれる機械学習を用いて
言葉を理解し、自然な文章を生成する対話型のAIです。
深層学習は、ニューラルネットワークと呼ばれる人間の脳神経回路に似た働きによって
実現することができています。
ニューラルネットワークは、入力されたテキストの特徴を自動的に学習し、
特徴やパターンを見つけ出すように設計されています。
それにより、インターネットの情報や会話の流れから
自動的にテキストの特徴を抽出し、適切な回答をすることができるのです。
つまり、ChatGPTは人間の脳と同じように、
データと経験を組み合わせ、話をすることができるということです。
ーーまとめると、ChatGPTは非常に頭の良い頭脳を持っているということですね。
そうですね。
なので、ChatGPTが世間に与えたインパクトは、非常に大きかったと思います。
これから新しいバージョンアップによって、
どんどんよくなっていく可能性は計り知れないです。
最後に
ChatGPTの驚くべき能力について知ってはいましたが、
今回の話を聞いてその素晴らしさがより具体的に理解できました。
実施に私も毎日ChatGPTを使用していますが、
その回答能力の高さに驚かされることばかりです。
次回はChatGPTの発達によって、私たちの生活や働き方がどのように変化するのか、
その他にも面白い使い方と今後の展望について話を展開していきます。
次回の記事まで少々お待ちください。
【追記】
このインタビューは、3月8日に行われましたが、
現在ではChatGPT4.0の登場やChromeの拡張機能など、
多くの新しい機能が追加され、見解も変わってきています。
この分野では、時間が非常に速く流れていることを感じますね。
新しい機能についても紹介していきたいと思います。