「チラシを配っても反響がない」「紹介だけでは売上が安定しない」——そんな悩みを抱えるリフォーム会社は少なくありません。

東京商工リサーチの調査によると、2023年のリフォーム業の倒産件数は過去最多ペースを記録しました。

倒産した企業の95.1%が従業員10人未満の小規模事業者であり、その主な原因は「販売不振」、つまり新規顧客の獲得ができなかったことです。

リフォーム市場自体は堅調に推移しているにもかかわらず、集客に苦戦する会社が増えているのはなぜでしょうか。

その答えは、時代に合った集客方法を実践できていないことにあります。

かつてはチラシや紹介だけで十分だった集客も、いまではWebを活用した戦略が欠かせません。

本記事では、リフォーム会社が実践すべき18の集客方法を、Web施策とオフライン施策に分けてくわしく解説します。

さらに、実際に成果を出した企業の事例や、集客を成功させるための3つのポイントもご紹介します。

この記事を読むことで、自社に最適な集客戦略を見つけ、安定した問い合わせ獲得への道筋が見えてくるはずです。

集客に課題を感じているリフォーム会社の経営者や担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

リフォーム会社が集客に苦戦する原因

リフォーム業界では、多くの会社が新規顧客の獲得に苦労しています。

市場規模は拡大傾向にあるにもかかわらず、なぜ集客がうまくいかないのでしょうか。

ここでは、リフォーム会社が集客に苦戦する3つの主な原因について解説します。

自社の状況と照らし合わせながら、課題を明確にしていきましょう。

紹介・口コミ依存の限界

これまで多くのリフォーム会社は、既存顧客からの紹介や口コミに頼って集客を行ってきました。

たしかに紹介による集客は、成約率が高く広告費もかからないという大きなメリットがあります。

しかし、紹介だけに依存する集客には明確な限界があるのです。

リフォーム工事は一度完了すると、次の依頼まで数年から数十年の間隔が空きます。

そのため、リピート案件だけでは事業を維持できないという構造的な問題を抱えています。

紹介の流れが一度途切れると、売上が急激に落ち込むリスクも見過ごせません。

  • 紹介元の顧客が引っ越しや高齢化で紹介できなくなる
  • 競合他社も紹介営業を強化しており、紹介先を奪われる
  • 紹介だけでは新しい顧客層にアプローチできない
  • 紹介件数をコントロールすることが難しい
  • 繁忙期と閑散期の差が激しくなりやすい

住宅リフォーム推進協議会の調査でも、リフォーム検討者の多くがインターネットで情報収集を行っていることが明らかになっています。

紹介や口コミは引き続き重要な集客手段ですが、それだけに頼る時代は終わりつつあります。

安定した集客を実現するためには、紹介以外のチャネルを複数持つことが不可欠です。

Web施策への取り組み不足

リフォームを検討するお客様の多くは、まずインターネットで情報を調べます。

「リフォーム 費用」「キッチン リフォーム おすすめ」といったキーワードで検索し、複数の会社を比較検討するのが一般的な流れです。

ところが、Web集客に本格的に取り組んでいるリフォーム会社はまだ少ないのが現状です。

ホームページを作っただけで更新が止まっている会社や、SNSアカウントはあるものの投稿が数か月前で止まっているケースも珍しくありません。

Web施策が不十分な会社に見られる典型的な問題点を挙げてみましょう。

  • ホームページのデザインが古く、スマートフォン対応していない
  • 施工事例の写真や説明が少なく、実力が伝わらない
  • SEO対策ができておらず、検索しても上位に表示されない
  • Googleビジネスプロフィールに登録していない、または情報が古い
  • SNSを開設しただけで、継続的な情報発信ができていない

とくに近年は、50代以上のシニア層もスマートフォンでリフォーム会社を探す時代です。

Web上で見つけてもらえなければ、どれだけ技術力があっても比較検討の土俵にすら上がれません。

Web施策への取り組み不足は、機会損失に直結する深刻な問題といえます。

ターゲットを絞らない広告出稿

「広告を出せば問い合わせが増えるだろう」という考えで、やみくもに広告費をかけている会社も少なくありません。

しかし、ターゲットを明確にしない広告は、費用対効果が極めて低くなります

たとえば、新築マンションが多いエリアにリフォームのチラシを配布しても、反響はほとんど期待できないでしょう。

リスティング広告でも、競合が多いキーワードに高額な費用をかけて出稿しても、クリック単価が高騰するばかりで成約には結びつきにくいのです。

ターゲットを絞らない広告の問題点は、以下のとおりです。

  • 興味のない人にも広告が表示され、無駄なコストが発生する
  • 問い合わせがあっても、自社のサービスと合わない顧客が多い
  • 価格だけで比較されやすく、値引き競争に巻き込まれる
  • 広告費をかけても費用対効果が測定できない
  • どの広告が効果的だったのか分析できない

リフォームを検討している人は、年代やライフステージ、住居形態によってニーズが大きく異なります

50代で子どもが独立した世帯と、30代で中古住宅を購入した世帯では、求めるリフォーム内容もまったく違います。

効果的な集客を行うためには、まず「誰に届けたいのか」を明確にし、そのターゲットに響くメッセージを適切な媒体で届ける必要があります。

集客を成功させるための事前準備

集客施策を始める前に、しっかりとした準備を行うことが成功への近道です。

準備を怠ったまま施策を実行しても、期待した成果は得られません。

ここでは、リフォーム会社が集客を成功させるために必要な3つの事前準備について解説します。

自社の強みと差別化ポイントの整理

リフォーム業界には数多くの会社が存在し、お客様から見ると「どこも同じ」に見えてしまいがちです。

その中から自社を選んでもらうためには、他社にはない独自の強みを明確にする必要があります。

「価格が安い」だけでは差別化になりません。

なぜなら、価格競争に参入すると利益率が下がり、経営が苦しくなるからです。

自社の強みを整理するためには、以下の視点で考えてみましょう。

視点 具体例
得意な工事分野 水回り専門、古民家リフォーム、マンション専門など
技術力・資格 一級建築士在籍、耐震診断士資格保有など
対応力 土日対応可、最短3日で施工完了など
アフターサービス 10年保証、定期点検無料など
地域密着 創業30年、地元職人のみで施工など

強みが整理できたら、それをお客様にとってのメリットとして言い換えることが大切です。

たとえば「一級建築士が在籍」という事実は、お客様にとっては「安心して相談できる」「専門的なアドバイスがもらえる」というメリットになります。

自社の強みを言語化し、ホームページやチラシ、営業トークに一貫して反映させることで、競合との差別化が図れます。

リフォーム検討者のニーズ分析

集客を成功させるためには、お客様が何を求めているかを正確に把握することが欠かせません。

リフォームを検討している人は、単に「古くなったから」という理由だけで工事を考えているわけではありません。

その背景には、さまざまなニーズや不安が隠れています。

住宅リフォーム推進協議会の調査によると、リフォーム会社を選ぶ際に重視されるポイントは以下のとおりです。

  • 工事の質・技術力への信頼
  • 工事価格の透明さ・明朗さ
  • 担当者の対応・人柄
  • 工事価格の安さ
  • 施工実績の豊富さ

注目すべきは、「費用目安や精算基準」の情報がWeb上で最も不足していると感じられていることです。

つまり、お客様は「だいたいいくらかかるのか」「何にいくら費用がかかるのか」を知りたがっているのです。

この情報をホームページやチラシで丁寧に伝えることができれば、競合との差別化につながります。

お客様のニーズを分析する方法としては、過去に成約したお客様へのアンケート調査や、営業担当者へのヒアリングが効果的です。

顧客フェーズ(潜在層・見込層・購買層)の理解

リフォームを検討しているお客様は、全員が同じ段階にいるわけではありません。

顧客のフェーズによって、響くメッセージや効果的なアプローチ方法が異なります

顧客フェーズを理解し、それぞれに適した施策を打つことが、効率的な集客につながります。

フェーズ 特徴 効果的なアプローチ
潜在層 リフォームに漠然と興味がある段階。まだ具体的な検討はしていない SNSでのビフォーアフター投稿、YouTubeでのルームツアー動画
見込層 リフォームを具体的に検討中。複数の会社を比較している段階 ホームページの施工事例、費用相場の情報、口コミ
購買層 依頼する会社を絞り込んでいる段階。最終決定の後押しが必要 見学会への招待、詳細な見積もり、担当者との直接相談

潜在層に対しては、自社の存在を知ってもらうことが最優先です。

InstagramやYouTubeなど、偶然目にする機会の多い媒体で情報発信を続けることで、「いつかリフォームするときはこの会社に」と思ってもらえます。

見込層に対しては、比較検討の材料となる情報を充実させることが重要です。

施工事例、費用相場、お客様の声など、判断に必要な情報をホームページでしっかり提供しましょう。

購買層に対しては、最後の一押しとなる直接的なコミュニケーションが効果的です。

見学会や相談会への招待、丁寧な見積もり説明などを通じて、信頼関係を築きましょう。

Web集客で成果を出す6つの方法

インターネットが普及した現代において、Web集客はリフォーム会社にとって欠かせない戦略です。

ここでは、リフォーム会社が実践すべき6つのWeb集客方法について、具体的なノウハウとともに解説します。

ホームページの最適化とSEO対策

ホームページは、リフォーム会社のWeb集客における最も重要な拠点です。

他のあらゆる施策は、最終的にホームページへお客様を誘導することを目的としています。

そのため、ホームページの完成度が集客の成否を左右するといっても過言ではありません。

まず、ホームページで最低限押さえるべきポイントを確認しましょう。

  • スマートフォンで見やすいレスポンシブデザインになっているか
  • 問い合わせや見積もり依頼への導線がわかりやすいか
  • 会社概要、施工事例、料金目安などの基本情報が揃っているか
  • ページの表示速度が遅くないか
  • 定期的に更新されているか

これらの基本を押さえたうえで、SEO対策を行い検索結果での上位表示を目指します

SEO対策とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードを検索したときに、自社サイトを上位に表示させるための施策です。

「地域名 リフォーム」「キッチン リフォーム 費用」などのキーワードで上位表示できれば、広告費をかけずに見込み客を集められます。

施工事例ページの充実

ホームページの中でも、施工事例ページは最も重要なコンテンツのひとつです。

リフォームを検討しているお客様は、その会社がどのような工事を行っているのかを確認するために、必ず施工事例をチェックします。

事例が少なかったり、情報が不十分だったりすると、「この会社で大丈夫だろうか」という不安を与えてしまいます。

充実した施工事例ページを作るためのポイントは以下のとおりです。

要素 具体的な内容
ビフォーアフター写真 施工前と施工後の写真を並べて掲載。明るく鮮明な写真を使用
工事内容の詳細 どのような工事を行ったのか、具体的に説明
費用と工期 概算費用と工事期間を明記。お客様の予算検討の参考に
お客様の声 施主様からいただいた感想を掲載。信頼性が高まる
施工エリア 対応可能なエリアを明示

事例は数が多ければ多いほど良いですが、質も重要です。

写真は明るく鮮明なものを使用し、できればプロのカメラマンに撮影を依頼することをおすすめします。

工事内容や費用の説明は、専門用語を避けてわかりやすく記載しましょう。

地域名+キーワードでの上位表示戦略

リフォーム会社のSEO対策では、「地域名+リフォーム」というキーワードで上位表示を狙うことが基本戦略です。

たとえば「名古屋市 リフォーム」「愛知県 キッチン リフォーム」といったキーワードです。

リフォームは地域密着型のビジネスであり、お客様は自宅から通いやすい範囲の会社を探す傾向があります。

そのため、全国を対象とした大きなキーワードよりも、地域を絞ったキーワードのほうが成約につながりやすいのです。

地域名キーワードで上位表示を狙うためのポイントは以下のとおりです。

  • ホームページのタイトルやmetaディスクリプションに地域名を含める
  • 各ページのコンテンツ内でも自然に地域名を使用する
  • 施工事例ページで施工エリアを明記する
  • 地域の情報を発信するブログ記事を作成する
  • Googleビジネスプロフィールと連携させる

地域名キーワードは、大手リフォーム会社との競争を避けられるというメリットもあります。

自社の商圏内で確実に見つけてもらえる状態を作ることが、Web集客の第一歩です。

SEO対策に不安がある場合は、リフォーム業界に強いWeb制作会社やコンサルティング会社に相談することも検討しましょう。

名古屋を拠点とする株式会社エッコでは、リフォーム会社向けのWebマーケティング支援を行っています。

Googleビジネスプロフィール(MEO対策)

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は、無料で利用できる強力な集客ツールです。

「地域名 リフォーム」で検索すると、検索結果の上部にGoogleマップとともに店舗情報が表示されます。

この表示枠に自社を上位表示させる施策をMEO対策(Map Engine Optimization)と呼びます。

MEO対策はSEO対策に比べて競合が少なく、比較的短期間で効果が出やすいという特徴があります。

Googleビジネスプロフィールで設定すべき項目は以下のとおりです。

  • 正確な会社名、住所、電話番号
  • 営業時間と定休日
  • 提供サービスの詳細
  • 施工事例の写真(定期的に追加)
  • ホームページへのリンク
  • お客様からの口コミへの返信

とくに重要なのが口コミです。

口コミの数と評価が高いほど、検索結果での表示順位が上がりやすくなります。

また、お客様が業者を選ぶ際の重要な判断材料にもなります。

口コミ収集の具体的ノウハウ

口コミを増やすためには、お客様に投稿をお願いする仕組みを作ることが大切です。

ただ待っているだけでは、よほど感動した場合を除いて口コミは集まりません。

実際に口コミ収集に成功しているリフォーム会社の事例を紹介します。

施策 具体的な方法
入力マニュアルの配布 口コミ投稿画面へのQRコード、書いてほしい内容の例を記載した案内を渡す
施工完了時の声がけ 現場監督や担当者から直接お願いする。LINEでの依頼も効果的
特典の提供 口コミ投稿で次回工事の割引や、定期点検無料などの特典を用意
タイミングの工夫 施工直後、お客様の満足度が高いうちにお願いする

三重県のリフォーム会社クロスポでは、独自の入力マニュアルを活用して118件もの口コミを獲得しています。

マニュアルには、投稿画面へのQRコード、「会社を選んだ理由」「工事中の感想」など何を書いてほしいかを具体的に明記しています。

口コミを集める際の注意点として、報酬と引き換えに良い評価を依頼することはGoogleのガイドライン違反となります。

あくまでも正直な感想をお願いし、悪い口コミがついた場合は真摯に対応することが大切です。

リスティング広告・ディスプレイ広告

リスティング広告は、検索結果の上部に表示される有料広告です。

「リフォーム 見積もり」「キッチン 交換 費用」などのキーワードで検索したユーザーに、自社の広告を表示できます。

SEO対策は効果が出るまでに時間がかかりますが、リスティング広告は即効性があるのが最大のメリットです。

広告を出稿すれば、その日のうちに検索結果の上位に表示されます。

ディスプレイ広告は、ニュースサイトやブログなど、さまざまなWebサイトに画像広告を表示する手法です。

一度自社サイトを訪れたユーザーに再度広告を表示するリマーケティング広告は、検討中のお客様へのアプローチに効果的です。

Web広告を出稿する際のポイントは以下のとおりです。

  • 地域を絞って配信し、商圏外への無駄な出稿を避ける
  • 緊急性の高いキーワード(水漏れ、故障など)を狙う
  • 広告のランディングページ(着地ページ)を最適化する
  • 予算上限を設定し、費用対効果を測定する
  • 定期的に効果を分析し、キーワードや広告文を改善する

リスティング広告は専門知識がないと費用対効果が悪くなりがちです。

社内にノウハウがない場合は、Web広告に強い代理店やコンサルティング会社への依頼を検討しましょう。

Instagram運用とビフォーアフター投稿

Instagramは、視覚的にリフォームの魅力を伝えるのに最適なSNSです。

とくにリフォームのビフォーアフター写真は、ユーザーの関心を引きやすいコンテンツです。

国内利用者数は3,300万人を超えており、20〜40代の女性を中心に幅広い層が利用しています。

リフォームを検討する主婦層にアプローチするには、非常に有効なプラットフォームといえます。

Instagram運用で押さえるべきポイントは以下のとおりです。

  • ビフォーアフター写真を中心に、定期的に投稿する
  • ハッシュタグを活用し、検索されやすくする(#リフォーム #キッチンリフォーム など)
  • リール動画でルームツアーや施工過程を紹介する
  • ストーリーズで日常の様子やスタッフ紹介を発信する
  • プロフィールにホームページや問い合わせ先のリンクを設置する

投稿のタイミングも重要です。

通勤時間帯(6〜8時)やお昼休み(12〜13時)など、ユーザーがスマートフォンを見やすい時間帯に投稿すると、閲覧数が増えやすくなります。

フォロワー10万人を超えるリフォーム会社トミオでは、1日2〜3回の投稿を継続して、高いエンゲージメントを獲得しています。

YouTube活用による信頼構築

YouTubeは、リフォーム会社の信頼性を高めるのに非常に効果的なメディアです。

動画は文章や写真よりも情報量が多く、会社の雰囲気や担当者の人柄、施工の質などを伝えやすいという特徴があります。

リフォームは高額な買い物であり、お客様は慎重に会社を選びます。

「この会社なら信頼できる」と思ってもらうためには、YouTubeでの情報発信が大きな効果を発揮します。

リフォーム会社がYouTubeで発信すべきコンテンツは以下のとおりです。

コンテンツ種類 内容例
ルームツアー 施工完了後の物件を歩きながら紹介
ビフォーアフター 施工前と施工後を比較。工事過程も見せると効果的
専門知識の解説 リフォーム費用の相場、失敗しない業者選びのポイントなど
よくある質問への回答 お客様から寄せられる疑問に動画で回答
代表者・スタッフ紹介 会社の理念や想いを伝え、親近感を醸成

徳島県の塗装リフォーム会社・中山コーティングでは、塗料の特徴やリフォーム詐欺の事例などを解説する動画を配信し、問い合わせの約2割がYouTube経由となっています。

動画制作には手間がかかりますが、一度作った動画は長期間にわたって集客効果を発揮し続けます。

ポータルサイト・一括見積もりサイト活用

リフォーム関連のポータルサイトや一括見積もりサイトへの登録も、有効な集客手段です。

これらのサイトには、すでにリフォームを検討している見込み客が集まっているため、効率的にアプローチできます。

代表的なサイトとしては、ホームプロ、ハピすむ、リショップナビなどがあります。

ポータルサイト活用のメリットとデメリットを整理しましょう。

  • メリット:リフォームに興味のあるユーザーに直接アプローチできる
  • メリット:自社サイトがなくても情報を発信できる
  • メリット:サイトの信頼性を借りて、自社の信頼性も向上する
  • デメリット:登録料や紹介手数料などのコストがかかる
  • デメリット:競合他社と並列で比較されるため、価格競争になりやすい

ポータルサイトは自社の信頼性を高めるための手段として活用し、成約を狙う場合は他の施策と組み合わせることをおすすめします。

登録する際は、施工事例や口コミを充実させ、競合との差別化を図ることが重要です。

オフライン集客を強化する7つの施策

Web集客が重要になった現代でも、オフラインの集客施策は依然として有効です。

とくに地域密着型のリフォーム会社にとっては、オンラインとオフラインを組み合わせることで、より効果的な集客が実現できます。

ここでは、リフォーム会社が実践すべき7つのオフライン集客施策を紹介します。

チラシ・ポスティングの効果的な活用

チラシは昔ながらの集客方法ですが、正しく活用すれば今でも十分な効果を発揮します。

ただし、やみくもに配布するだけでは費用対効果が低くなってしまいます。

ターゲットを絞り、適切なエリアに配布することが成功の鍵です。

効果的なチラシ配布のポイントは以下のとおりです。

ポイント 具体的な方法
配布エリアの選定 築年数が経過した住宅が多いエリアを狙う。10〜20年前に開発された住宅地が効果的
ターゲットの明確化 「築20年以上の戸建て住宅にお住まいの方へ」など、対象を明示
情報の絞り込み 詰め込みすぎず、伝えたいことを3つ程度に絞る
行動喚起の設置 QRコードでホームページへ誘導、電話番号を大きく表示
継続的な配布 1回で終わらせず、定期的に配布して認知度を高める

チラシには必ずホームページへの導線を設けましょう。

QRコードを掲載することで、興味を持ったお客様がすぐにスマートフォンで詳細を確認できます。

また、補助金制度の情報を掲載すると、お客様の関心を引きやすくなります。

リフォーム見学会・相談会の開催

見学会や相談会は、見込み客と直接接点を持てる貴重な機会です。

実際の施工現場を見てもらうことで、写真や文章では伝わらないリフォームの質感や仕上がりを体感してもらえます。

見学会に来場するお客様は、すでにリフォームを具体的に検討している段階であることが多く、成約につながりやすいというメリットがあります。

効果的な見学会を開催するためのポイントは以下のとおりです。

  • 家具や小物を配置し、生活をイメージしやすい空間を演出する
  • 施工前の写真を用意し、ビフォーアフターを説明できるようにする
  • 来場者にはアンケートを実施し、後日フォローできる体制を整える
  • 単発ではなく定期的に開催し、地域での認知度を高める
  • チラシやSNS、ホームページで集客を行う

リフォーム相談会では、お客様の悩みをじっくり聞くことが重要です。

すぐに売り込むのではなく、まずは信頼関係を築くことを優先しましょう。

愛知県の東陽住建では、来場者と1時間ほど会話する相談会を開催し、平均単価を約28万円から約70万円に引き上げることに成功しています。

既存顧客からの紹介促進

既存顧客からの紹介は、最も成約率が高い集客方法です。

紹介されたお客様は、すでに信頼できる人からの推薦を受けているため、商談がスムーズに進みやすい傾向があります。

紹介を増やすためには、まず顧客満足度を高めることが大前提です。

そのうえで、紹介しやすい仕組みを整えることが重要です。

紹介を促進するための施策は以下のとおりです。

  • 施工完了時に「お知り合いにもぜひご紹介ください」と伝える
  • 紹介カードやパンフレットを渡しておく
  • 紹介してくれた方への特典を用意する(商品券、次回工事の割引など)
  • 紹介された方にも特典を用意する(見積もり時の割引など)
  • 定期点検やアフターフォローで継続的に関係を維持する

紹介をお願いする際は、押し付けがましくならないよう注意しましょう。

あくまでも満足していただいた方に自然な形でお願いすることが大切です。

地域イベントへの出展

地域のイベントや展示会への出展は、地元での認知度を高めるのに効果的です。

住宅展示場でのイベント、地域の祭りやフリーマーケット、商工会議所主催のビジネスマッチングなど、さまざまな機会があります。

イベントに出展することで、リフォームをまだ検討していない潜在層にもアプローチできます。

イベント出展のポイントは以下のとおりです。

ポイント 具体的な方法
ブースの工夫 施工事例の写真パネル、サンプル素材の展示など
来場特典の用意 無料相談券、小さなノベルティなど
アンケートの実施 連絡先を取得し、後日フォローできるようにする
スタッフの対応 押し売りせず、まずは話を聞く姿勢を大切に
SNSでの告知 イベント出展をSNSで発信し、来場を促す

地域に根差した活動を続けることで、「リフォームといえばあの会社」という認知を獲得できます。

一度きりの出展ではなく、継続的に参加することが重要です。

DM・ニュースレターの送付

DMやニュースレターは、既存顧客や見込み客との関係を維持するのに効果的な施策です。

一度工事をしたお客様に定期的に情報を届けることで、次回のリフォームや紹介につなげられます。

ただし、宣伝色の強い内容ばかりでは読んでもらえません。

お客様にとって役立つ情報を中心に構成することが大切です。

ニュースレターに盛り込むべき内容は以下のとおりです。

  • 季節に応じた住まいのメンテナンス情報
  • 補助金制度や税制優遇の最新情報
  • スタッフ紹介や会社の近況報告
  • 地域のお店紹介や生活お役立ち情報
  • 施工事例の紹介(簡潔に)

三重県のリフォーム会社・山のめぐみ舎では、月1回のニュースレター送付で受注の6割をリピーターが占めるという成果を上げています。

ニュースレターの内容は、社長のプライベートや地域の飲食店情報など、リフォームとは直接関係のない話題も含めているそうです。

異業種との連携・紹介網の構築

異業種との連携は、新しい顧客層を開拓するのに効果的な方法です。

リフォーム会社単独ではアプローチしにくいお客様でも、連携先からの紹介であれば接点を持てます。

リフォーム会社と相性の良い連携先としては、以下のような業種があります。

  • 不動産会社(中古住宅購入者へのリフォーム提案)
  • 介護事業者・ケアマネジャー(介護リフォームの紹介)
  • 保険代理店(火災保険を使った修繕の紹介)
  • 金融機関(リフォームローン利用者への紹介)
  • 家具店・インテリアショップ(リフォーム検討者の紹介)

とくに介護事業者との連携は、高齢化が進む中で有望な市場です。

ケアマネジャーは、担当する高齢者の住環境について相談を受ける機会が多く、バリアフリーリフォームのニーズを把握しています。

信頼関係を築ければ、継続的に案件を紹介してもらえる可能性があります。

請負仕事からの元請け転換

現在、下請けや孫請けとして仕事を受けているリフォーム会社にとって、元請けへの転換は大きな課題です。

元請けになれば利益率が向上し、お客様との直接的な関係も築けます。

しかし、これまで下請け一筋でやってきた会社にとっては、集客のノウハウがないというハードルがあります。

元請けへ転換するためのステップは以下のとおりです。

ステップ 具体的な行動
1. 自社の強みを明確化 下請けで培った技術力、得意な工事分野を整理
2. ホームページの整備 施工事例、会社概要、問い合わせ先を掲載
3. Googleビジネスプロフィールの登録 地域検索での露出を増やす
4. 小さな案件から実績を積む 知人や紹介からスタートし、事例を増やす
5. 集客施策の拡大 実績が増えたら、チラシやWeb広告にも挑戦

最初から大きな投資をする必要はありません

まずは無料でできるGoogleビジネスプロフィールの登録や、SNSでの情報発信から始めてみましょう。

Web集客に不安がある場合は、専門家への相談も有効です。

株式会社エッコでは、リフォーム会社の元請け転換を支援するWebマーケティングサービスを提供しています。

リフォーム集客の成功事例

ここでは、実際に集客に成功したリフォーム関連会社の事例を紹介します。

具体的な施策と成果を知ることで、自社での取り組みの参考になるはずです。

売上9倍を達成したLINE活用事例

ある住宅会社では、LINEのステップ配信を活用して展示会への集客を行い、売上を9倍に伸ばすことに成功しました。

ステップ配信とは、友だち登録したユーザーに対して、あらかじめ設定した順番でメッセージを自動送信する機能です。

この会社が実施した配信の流れは以下のとおりです。

配信順序 内容
1通目 信頼できる会社であることの説明
2通目 この会社なら理想の住まいが実現できることの説明
3通目 現状の住まい探しの課題を刺激
4通目 自社なら課題を解決できるという提案

ポイントは、いきなり売り込むのではなく、段階的に信頼関係を構築している点です。

1通目と2通目で会社への信頼を築き、3通目で課題を認識させ、4通目で解決策として自社を提案しています。

この流れによって、お客様は「押し売りされている」という感覚なく、自然に展示会への来場を検討するようになりました。

LINEは、リフォームのような検討期間の長い商材と相性が良いツールです。

YouTubeやSNSでファーストタッチしたユーザーをLINE友だちに誘導し、継続的にコミュニケーションを取ることで、成約率を高められます。

YouTube1動画から契約5件獲得した設計事務所

ある設計事務所では、YouTubeチャンネルを運用し、1つの動画から月20件の問い合わせと5件の契約を獲得しています。

この会社が成功した要因は、徹底したターゲティングと差別化にあります。

チャンネルでは、デザイン性に優れた物件のルームツアー動画だけを投稿しています。

一般的なリフォーム会社のYouTubeチャンネルでは、さまざまな種類の動画を投稿しがちですが、この会社は「デザイン性」という切り口に絞りました。

成功のポイントをまとめると以下のとおりです。

  • チャンネルのコンセプトを明確にし、一貫した内容を発信
  • 「古民家リフォーム」など、特定のジャンルに特化
  • ルームツアー動画で潜在層の興味を引く
  • こだわりや使用素材の解説動画でファンを育成
  • 動画の概要欄に問い合わせ先を明記

YouTubeは「資産」になるコンテンツです。

一度投稿した動画は、何年にもわたって視聴され続け、集客効果を発揮します。

動画制作には手間がかかりますが、中長期的な視点で見れば非常に費用対効果の高い施策といえます。

集客を成功させる3つのポイント

ここまで、さまざまな集客方法を紹介してきました。

最後に、これらの施策を成功させるための3つの重要なポイントをお伝えします。

顧客のファン化を意識した情報発信

単に「リフォームしませんか」と呼びかけるだけでは、お客様の心には響きません。

「この会社に頼みたい」と思ってもらえるファンを作ることが、安定した集客の鍵です。

ファン化を促進するためには、お客様にとって価値のある情報を継続的に発信することが重要です。

ファン化を促す情報発信のポイントは以下のとおりです。

  • 施工事例だけでなく、リフォームの知識や業界情報も発信する
  • スタッフの人柄や会社の雰囲気が伝わるコンテンツを作る
  • お客様の声や感想を積極的に紹介する
  • 専門用語を避け、わかりやすい言葉で伝える
  • 押し売り感のない、お客様目線の情報を心がける

「いつかリフォームするときは、この会社にお願いしよう」

そう思ってもらえるファンが増えれば、広告費をかけなくても自然と問い合わせが入るようになります。

ファン化には時間がかかりますが、一度築いた信頼関係は長期間にわたって集客効果を発揮し続けます。

オンラインとオフラインの組み合わせ

Web集客とオフライン集客は、どちらか一方だけでは不十分です。

両方を組み合わせることで、相乗効果を生み出し、より効果的な集客が実現できます。

オンラインとオフラインを連携させる具体例を見てみましょう。

オフライン施策 オンラインとの連携方法
チラシ配布 QRコードでホームページへ誘導
見学会開催 SNSやホームページで告知、LINE登録を促進
既存顧客訪問 Googleの口コミ投稿をお願い
地域イベント出展 イベントの様子をSNSで発信

たとえば、チラシを見てホームページにアクセスしたお客様は、施工事例やお客様の声を確認できます。

その後、LINE友だち登録をしてもらえれば、継続的に情報を届けることができます。

オフラインで接点を作り、オンラインで関係を深めるという流れを意識しましょう。

逆に、SNSやYouTubeで興味を持ったお客様を、見学会やショールームに誘導するという流れも効果的です。

施工事例・お客様の声の積極活用

リフォームを検討しているお客様にとって、施工事例とお客様の声は最も重要な判断材料です。

これらのコンテンツを充実させることで、集客効果を大幅に高められます。

施工事例やお客様の声は、ホームページだけでなく、あらゆる媒体で活用しましょう。

  • ホームページの施工事例ページに詳細な情報を掲載
  • SNSでビフォーアフター写真を定期的に投稿
  • YouTubeでルームツアー動画を公開
  • チラシやパンフレットに代表的な事例を掲載
  • Googleビジネスプロフィールに写真を追加
  • 見学会で実際の施工現場を見せる

施工事例を集める際は、お客様の許可を必ず取得しましょう。

できれば、お客様のコメントや感想も一緒にいただけると、より説得力のあるコンテンツになります。

「この会社に頼めば、こんな仕上がりになるんだ」とイメージしてもらえることが、問い合わせにつながります。

まとめ

本記事では、リフォーム会社が実践すべき18の集客方法について解説してきました。

Web集客では、ホームページのSEO対策、Googleビジネスプロフィールの活用、SNSやYouTubeでの情報発信が効果的です。

オフライン集客では、チラシ配布、見学会開催、既存顧客からの紹介促進、異業種との連携などが有効な手段となります。

大切なのは、これらの施策を単発で終わらせず、継続的に取り組むことです。

そして、オンラインとオフラインを組み合わせ、相乗効果を生み出すことで、より効果的な集客が実現できます。

集客を成功させるためのポイントを最後にもう一度確認しておきましょう。

  • 自社の強みを明確にし、差別化ポイントを打ち出す
  • ターゲットとなる顧客のニーズを深く理解する
  • 顧客フェーズに応じた適切なアプローチを行う
  • 施工事例やお客様の声を積極的に活用する
  • ファン化を意識した情報発信を継続する

「どの施策から始めればいいかわからない」「Web集客のノウハウがない」という方は、専門家に相談することも有効な選択肢です。

名古屋を拠点とするWebコンサルティング会社・株式会社エッコでは、リフォーム会社向けの集客支援サービスを提供しています。

ホームページ制作からSEO対策、Web広告運用まで、リフォーム業界に特化したノウハウで、貴社の集客をサポートいたします。

集客に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

本記事が、皆様のリフォーム会社の集客改善の一助となれば幸いです。

 

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