Webサイトのリニューアルやドメイン変更を検討する際、「301リダイレクト」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
301リダイレクトは、これまで築き上げてきたWebサイトの資産価値を守るための、最も重要な技術のひとつです。
適切に設定しなければ、長年かけて積み重ねてきた検索順位や被リンクの評価が失われ、アクセス数が大幅に減少してしまう可能性があります。
実際、サイトリニューアル後に「検索順位が急落した」「アクセス数が半減した」といったトラブルは、301リダイレクトの設定ミスが原因であることが少なくありません。
本記事では、301リダイレクトの基本的な仕組みから具体的な設定方法、さらによくあるトラブルの解決策まで、実務で役立つ情報を徹底的に解説します。
名古屋のWebコンサルティング会社として、数多くのサイトリニューアルをサポートしてきた株式会社エッコの知見を活かし、初心者の方でも安心して実践できる内容をお届けします。
Webサイトの価値を未来へ確実に引き継ぐために、ぜひ最後までお読みください。
目次
301リダイレクトとは
基本的な仕組みと定義
301リダイレクトとは、古いURLから新しいURLへユーザーや検索エンジンを自動的に転送する、恒久的な転送処理のことです。
Webサーバーが「このページは永久に別の場所に移動しました」という情報を返すことで、訪問者を正しいページへ導きます。
たとえば、会社が引っ越しをしたときに、旧住所の郵便物を新住所へ転送する仕組みをイメージしてください。
301リダイレクトは、まさにインターネット上での「転送届」のような役割を果たします。
この設定により、古いURLの評価や価値を新しいURLへ引き継ぐことができるため、SEO対策において非常に重要な技術となっています。
リダイレクトが設定されていない状態で旧URLにアクセスすると、ユーザーは「404エラー(ページが見つかりません)」という画面を目にすることになります。
これでは、せっかく訪問してくれたユーザーを失うだけでなく、検索エンジンからの評価も下がってしまいます。
301リダイレクトを正しく設定することで、ユーザー体験を損なうことなく、スムーズにサイトの移行を完了できるのです。
項目 | 説明 |
転送の種類 | 恒久的(永続的)な転送 |
主な用途 | ドメイン変更、URL変更、サイト移転 |
SEO評価 | 旧URLの評価を新URLへ引き継ぐ |
ユーザーの動き | 自動的に新URLへ転送される |
HTTPステータスコードの意味
301リダイレクトの「301」とは、HTTPステータスコードのひとつで「Moved Permanently(恒久的に移動した)」を意味します。
HTTPステータスコードは、Webサーバーがブラウザに対して返す「応答の結果」を示す3桁の数字です。
普段、私たちがWebページを閲覧するとき、この数字を意識することはほとんどありません。
しかし、Webサーバーとブラウザの間では、常にこのステータスコードがやり取りされており、適切な表示や転送を実現しています。
代表的なHTTPステータスコードには、以下のようなものがあります。
「200 OK」は正常にページが表示されたことを示し、「404 Not Found」はページが見つからなかったことを表します。
「301 Moved Permanently」は、そのページが永久に別の場所へ移動したことを示すコードです。
検索エンジンのクローラー(情報収集ロボット)は、この301のステータスコードを受け取ることで、「このURLは新しい場所へ完全に移転した」と理解し、評価を新URLへ統合する処理を開始します。
この明確な指示があるからこそ、旧URLの資産を新URLへ確実に引き継ぐことができるのです。
ステータスコードは単なる数字ですが、Webサイトの運営において非常に重要な役割を担っています。
ステータスコード | 意味 | 用途 |
200 | OK | ページが正常に表示された |
301 | Moved Permanently | 恒久的に別URLへ移動 |
302 | Found | 一時的に別URLへ移動 |
404 | Not Found | ページが見つからない |
302リダイレクトとの違い
リダイレクトには「301リダイレクト」のほかに「302リダイレクト」という種類があり、**両者の最も大きな違いは「転送の期間」と「SEO評価の扱い」**にあります。
どちらを選ぶかによって、検索エンジンの評価やユーザーへの影響が大きく変わるため、正しく使い分けることが重要です。
恒久的転送と一時的転送
301リダイレクトは「恒久的(永続的)な転送」を意味し、元のURLに戻る予定がない場合に使用します。
たとえば、会社のドメインを変更した場合や、サイトリニューアルでURL構造を変更した場合などが該当します。
一度設定したら、基本的には解除することを前提としない、長期的な転送設定です。
一方、302リダイレクトは「一時的な転送」を意味し、元のURLに戻る予定がある場合に使用します。
サイトのメンテナンス中に別ページへ誘導する場合や、期間限定のキャンペーンページへ一時的に転送する場合などに適しています。
メンテナンスが終わったら元に戻すことを前提とした、短期的な転送設定といえます。
検索エンジンは、301と302のステータスコードを受け取ることで、「この転送は永久的なのか、一時的なのか」を判断しているのです。
この判断を誤ると、SEOに深刻な影響を及ぼす可能性があるため、転送の目的に応じて適切なコードを選択する必要があります。
SEO評価の引き継ぎの差
301リダイレクトは旧URLのSEO評価を新URLへ引き継ぎますが、302リダイレクトは基本的に評価を引き継ぎません。
かつてGoogleは「301リダイレクトでは10〜15%の評価が失われる」と言われていましたが、現在では「301リダイレクトによる評価の損失はない」という見解を示しています。
つまり、301リダイレクトを正しく設定すれば、被リンクの価値やページの権威性をほぼ完全に新URLへ移行できるということです。
一方、302リダイレクトの場合、検索エンジンは「いずれ元のURLに戻る」と判断するため、評価は旧URLに保持されたままになります。
ただし、302リダイレクトが長期間続いた場合、検索エンジンが「実質的には恒久的な転送」と判断し、301リダイレクトと同様の扱いをすることもあります。
サイト移転やURL変更など、元に戻す予定がない場合は、必ず301リダイレクトを使用することがSEO対策の基本です。
適切なリダイレクト設定は、検索順位を維持し、安定したアクセス数を確保するための重要な要素となります。
検索結果への表示の違い
301リダイレクトを設定すると、検索結果には基本的に新しいURLが表示されるようになります。
検索エンジンは「このページは完全に移転した」と理解し、インデックス(検索データベース)を旧URLから新URLへ書き換える処理を行います。
時間が経過すると、旧URLは検索結果から消え、新URLのみが表示されるようになるのです。
一方、302リダイレクトの場合は、検索結果には旧URLが表示され続けることが多いです。
検索エンジンは「これは一時的な転送であり、いずれ元のURLに戻る」と判断するため、インデックスは旧URLを保持したままにします。
メンテナンス中の一時的な転送であれば、この動作は理にかなっています。
しかし、恒久的なサイト移転で302リダイレクトを使用してしまうと、いつまでも新URLがインデックスされず、検索結果に表示されない事態が発生します。
「どちらのURLを検索結果に表示させたいか」という観点で、301と302を使い分けることが重要です。
Googleは公式ドキュメントで「検索結果に移転先のURLを表示させたい場合は、301リダイレクトを使用することが最善の方法」と明記しています。
項目 | 301リダイレクト | 302リダイレクト |
転送期間 | 恒久的(永続的) | 一時的 |
SEO評価 | 新URLへ引き継ぐ | 旧URLに保持 |
検索結果の表示 | 新URLが表示される | 旧URLが表示される |
使用シーン | サイト移転、ドメイン変更、URL正規化 | メンテナンス、期間限定キャンペーン |
301リダイレクトが必要な理由
SEO評価を新URLに引き継ぐため
301リダイレクトの最も重要な役割は、長年かけて築き上げたSEO評価を新しいURLへ確実に引き継ぐことです。
Webサイトは、質の高いコンテンツの提供や、他サイトからの被リンクの獲得を通じて、検索エンジンからの評価を徐々に高めていきます。
この評価は「検索順位」という形で現れ、上位表示されることで多くのユーザーを呼び込むことができます。
しかし、URLを変更する際に301リダイレクトを設定しないと、検索エンジンは新URLを「全くの新規ページ」として認識し、これまでの評価がすべてリセットされてしまいます。
その結果、検索順位が大幅に下落し、サイトへのアクセス数が激減する事態に陥るのです。
301リダイレクトを正しく設定することで、旧URLが持っていた評価を新URLへスムーズに移行させることができます。
検索順位の維持や向上に長い時間をかけてきた努力を無駄にしないためにも、301リダイレクトは必須の設定といえるでしょう。
被リンク評価の継承
被リンク(他サイトから自サイトへのリンク)は、SEOにおいて最も重要な評価要素のひとつです。
Googleは、質の高いサイトから多くのリンクを受けているページを「信頼性が高い」と判断し、検索順位を上げる傾向があります。
被リンクは、いわばインターネット上での「推薦状」のようなものです。
301リダイレクトを設定すると、旧URLが獲得していた被リンクの価値が新URLへ引き継がれます。
外部サイトからのリンクは旧URLを指したままであっても、ユーザーや検索エンジンのクローラーは自動的に新URLへ転送されるため、リンクの効果が失われることはありません。
一方、リダイレクトを設定しないと、せっかく獲得した被リンクがすべて無効になってしまいます。
外部サイトのリンクから訪問したユーザーは404エラーページにたどり着き、検索エンジンも「このページは存在しない」と判断します。
数年かけて積み上げてきた被リンクの価値を一瞬で失わないためにも、301リダイレクトは欠かせない設定なのです。
特に、権威性の高いメディアや業界団体からのリンクは、SEO効果が非常に高いため、確実に引き継ぐ必要があります。
検索順位の維持
301リダイレクトを適切に設定することで、サイト移転やURL変更後も検索順位を維持することが可能です。
検索順位は、日々の積み重ねによって獲得した重要な資産であり、上位表示されているキーワードからのアクセスは、ビジネスの成果に直結します。
しかし、リダイレクトの設定を誤ると、一夜にしてこの資産を失うリスクがあります。
実際のところ、サイト移転直後は一時的に順位が変動することがありますが、301リダイレクトが正しく機能していれば、数週間から数ヶ月で順位は安定します。
これは、検索エンジンが新URLをクロールし、評価を統合する処理に時間がかかるためです。
重要なのは、この移行期間中もリダイレクト設定を維持し続けることです。
途中でリダイレクトを解除してしまうと、せっかく進んでいた評価の移行がストップし、順位が回復しなくなる可能性があります。
Googleのジョン・ミューラー氏は「リダイレクトは最低でも1年間は維持すべき」と推奨しています。
検索順位を守り、安定したアクセスを確保するために、301リダイレクトは長期的に運用する必要があるのです。
SEO評価の種類 | 301リダイレクトの効果 |
被リンク評価 | 旧URLの被リンク価値を新URLへ引き継ぐ |
ページ権威性 | コンテンツの質や信頼性の評価を継承 |
検索順位 | 上位表示を維持し、アクセス減少を防ぐ |
ユーザーを正しいページに誘導するため
301リダイレクトは、SEOだけでなく、ユーザー体験(UX)の向上にも大きく貢献します。
Webサイトへのアクセスは、検索結果からだけでなく、ブックマーク、メールマガジン内のリンク、SNSの投稿、他サイトからのリンクなど、さまざまな経路で発生します。
もし、これらのリンク先が古いURLのままであった場合、リダイレクトが設定されていないと、ユーザーは404エラーページにたどり着くことになります。
404エラーは、ユーザーに「このサイトは閉鎖されたのかもしれない」という不安や不信感を与え、即座にサイトを離れる原因となります。
これは、見込み客や既存顧客を失う直接的な機会損失です。
301リダイレクトを設定すれば、ユーザーはURLが変更されたことに気づくことなく、シームレスに新しいページへ案内されます。
ストレスのない快適なブラウジング体験を提供することで、ユーザーの満足度を高め、サイトへの信頼を維持できるのです。
特に、ECサイトやサービスサイトでは、スムーズなページ遷移がコンバージョン(成約)に直結します。
ユーザーを迷わせない設計こそが、ビジネスの成功につながります。
- ブックマークからのアクセスを正しいページへ導く
- メールマガジンの古いリンクでもエラーを表示しない
- SNSでシェアされた古いURLからも新ページへ誘導
- 外部サイトからのリンク経由でもスムーズに閲覧可能
クロールバジェットの効率化
クロールバジェットとは、検索エンジンのクローラーが各サイトをクロール(巡回)するために割り当てる、リソースの上限のことです。
Googleなどの検索エンジンは、限られた時間とリソースの中で、インターネット上の膨大なページを効率的にクロールする必要があります。
そのため、各サイトに対して「このサイトにはこれだけのクロールリソースを使う」という上限を設けているのです。
301リダイレクトが設定されていないと、クローラーは存在しない旧URLへのアクセスを繰り返し、貴重なクロールバジェットを浪費してしまいます。
旧URLが404エラーを返すようになっても、検索エンジンは一定期間クロールを続けます。
その結果、本当にクロールしてほしい新しいページの発見やインデックス登録が遅れ、検索結果への反映が大幅に遅くなる可能性があります。
301リダイレクトを適切に設定することで、クローラーを迷わせることなく、効率的に新しいコンテンツへ導くことができます。
これにより、クロールバジェットが有効活用され、サイト移転やURL変更がより迅速に検索エンジンに認識されます。
特に、大規模なサイトやページ数の多いサイトでは、クロールバジェットの最適化が重要な課題となります。
リダイレクト設定は、検索エンジンとの円滑なコミュニケーションを実現する基盤なのです。
- 存在しない旧URLへの無駄なクロールを防ぐ
- 新しいページの発見とインデックス登録を早める
- 404エラーページの大量発生を防止
- サイト全体の検索エンジン評価を向上
404エラーの防止
404エラーとは、「ページが見つかりません」という状態を示すHTTPステータスコードです。
ユーザーが存在しないURLにアクセスした際に表示されるエラーページで、多くの場合、ユーザーはすぐにサイトを離れてしまいます。
サイトリニューアルやURL変更の際、旧URLをそのまま放置すると、大量の404エラーが発生します。
301リダイレクトを設定することで、旧URLへのアクセスを新URLへ自動的に転送し、404エラーの発生を防ぐことができます。
これは、ユーザー体験の向上だけでなく、SEOの観点からも重要です。
Google Search Consoleでは、404エラーの発生状況を確認できますが、大量のエラーが報告されると、サイトの品質に問題があると判断される可能性があります。
404エラーを放置すると、クローラーが無駄なページを何度も訪問し続け、サイト全体の評価に悪影響を及ぼすこともあります。
特に、検索結果からのアクセスや外部リンクからのアクセスで404エラーが頻発すると、ユーザーの信頼を失い、サイトのブランド価値も損なわれます。
301リダイレクトは、こうしたリスクを回避し、サイトの健全性を保つための重要な手段なのです。
問題 | リダイレクトなし | 301リダイレクトあり |
ユーザー体験 | 404エラーで離脱 | 新ページへスムーズに誘導 |
クロールバジェット | 無駄なクロールが発生 | 効率的にクロール可能 |
SEO評価 | 評価がリセット | 評価を新URLへ引き継ぐ |
エラー発生 | 大量の404エラー | エラーを防止 |
301リダイレクトを設定すべきケース
ドメイン変更時
ドメインを変更する際には、必ず301リダイレクトの設定が必要です。
会社のブランド変更や事業の再編、より適切なドメイン名への変更など、ドメインを変える理由はさまざまです。
しかし、ドメインが変わるということは、サイト内のすべてのURLが変更されることを意味します。
旧ドメインから新ドメインへ、1対1の対応関係で301リダイレクトを設定することで、すべてのページの評価を新ドメインへ引き継ぐことができます。
ドメイン変更は、SEOにおいて最もリスクの高い作業のひとつです。
適切にリダイレクトを設定しないと、検索順位が大幅に下落し、アクセス数が激減するだけでなく、ビジネスに深刻なダメージを与える可能性があります。
実際、ドメイン変更後に「売上が半減した」「問い合わせが来なくなった」というトラブルは、リダイレクト設定の不備が原因であることが多いのです。
旧ドメインの全ページを新ドメインの対応するページへ正確にリダイレクトすることが、成功の鍵となります。
- 「old-domain.com」から「new-domain.com」へのサイト全体の移転
- 会社名変更に伴うドメインの刷新
- より短く覚えやすいドメインへの変更
- 事業統合によるドメインの統一
Webサイトリニューアル時
Webサイトのリニューアルは、デザインやコンテンツを刷新する絶好の機会ですが、URL構造の変更には細心の注意が必要です。
リニューアルの際、サイト構造の見直しやカテゴリの再編成により、多くのページのURLが変更されることがあります。
このとき、旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定しないと、これまで築き上げてきたSEO評価がすべて失われてしまいます。
リニューアル後にアクセス数が激減したという失敗事例の多くは、リダイレクト設定の漏れや誤りが原因です。
特に、CMSの変更やサイト構造の大幅な見直しを伴うリニューアルでは、URL構造が根本から変わることが多く、リダイレクト設定が複雑になりがちです。
すべての旧URLと新URLの対応表を作成し、漏れなくリダイレクトを設定することが重要です。
リニューアルプロジェクトでは、デザインやコンテンツと同じくらい、リダイレクト設計に時間を割くべきです。
株式会社エッコでは、名古屋を中心に数多くのサイトリニューアルをサポートしており、リダイレクト設計から実装、検証まで、トータルでお手伝いしています。
リニューアルを成功させるためには、SEOの専門知識を持ったパートナーの支援が不可欠です。
- カテゴリ構造の変更によるURL変更
- CMSの移行に伴うURL形式の変更
- パーマリンク設定の見直し
- 古いページの統合や削除
URLの正規化
URL正規化とは、同じ内容のページが複数のURLで存在する場合に、評価を集めたい代表URL(正規URL)を1つに統一することです。
Webサーバーの設定によっては、同じページに対して複数のURLでアクセスできてしまうことがあります。
人間にとっては同じページでも、検索エンジンは異なるURLを別々のページとして認識するため、SEO評価が分散してしまうのです。
301リダイレクトを使ってURL正規化を行うことで、分散していた評価を1つのURLに集約し、検索順位を向上させることができます。
wwwの有無統一
「www.example.com」と「example.com」は、人間にとっては同じサイトですが、検索エンジンは異なるURLとして扱います。
どちらのURLでもアクセスできる状態を放置すると、被リンクや評価が2つのURLに分散してしまいます。
そのため、どちらか一方を正規URLと定め、もう一方から301リダイレクトを設定する必要があります。
一般的には、「wwwなし」のURLを正規URLとする企業が多いですが、どちらを選ぶかは自由です。
重要なのは、一度決めたら一貫して使い続けることです。
301リダイレクトを設定することで、どちらのURLでアクセスしても、最終的には正規URLへ転送されるようになります。
これにより、評価の分散を防ぎ、SEO効果を最大化できます。
- 「www.example.com」→「example.com」への統一
- または「example.com」→「www.example.com」への統一
- どちらを選んでも効果は同じ
- 重要なのは一貫性を持つこと
HTTPSへの移行
HTTPからHTTPSへの移行(常時SSL化)は、セキュリティの向上とSEO効果の両面で重要な施策です。
Googleは、HTTPSを使用しているサイトを検索ランキングで優遇する方針を明確にしています。
また、ユーザーに安全な通信環境を提供することで、信頼性の向上にもつながります。
常時SSL化を行う際には、すべてのHTTPページからHTTPSページへ301リダイレクトを設定する必要があります。
これを「HTTPSリダイレクト」と呼びます。
リダイレクトを設定しないと、HTTPとHTTPSの両方のページが存在することになり、評価が分散してしまいます。
また、ユーザーがHTTPのURLでアクセスした場合、セキュリティ警告が表示される可能性もあります。
301リダイレクトにより、HTTPへのアクセスを自動的にHTTPSへ転送することで、すべてのユーザーに安全な通信を提供できるのです。
常時SSL化は、もはや必須の対策といえます。
- 「http://example.com」→「https://example.com」への転送
- サイト全体のセキュリティ向上
- Googleの検索ランキング要素として評価される
- ユーザーの信頼性向上
ページ統合やコンテンツ移動時
複数のページの内容を1つにまとめたり、コンテンツを別のページに移動したりする際にも、301リダイレクトが必要です。
サイトを長期間運営していると、似たようなテーマのページが複数できてしまったり、情報が古くなって統合したほうが良いページが出てきたりします。
こうした場合、コンテンツを1つのページにまとめ、より充実した内容の「ピラーページ(柱となる記事)」を作成することが有効です。
統合元のページから統合先のページへ301リダイレクトを設定することで、それぞれのページが持っていた被リンクや評価をすべて統合先ページに集約できます。
これにより、検索順位が大幅に向上する効果が期待できます。
また、ブログ記事のカテゴリを変更する際にも、URLが変わる場合は301リダイレクトが必要です。
コンテンツを整理し、ユーザーにとってわかりやすいサイト構造を実現するためにも、リダイレクト設定は欠かせません。
状況 | リダイレクト設定 |
ドメイン変更 | 旧ドメイン全体を新ドメインへ転送 |
サイトリニューアル | 旧URL構造から新URL構造へ1対1で転送 |
wwwの有無統一 | どちらか一方へ統一 |
HTTPS移行 | HTTPページをHTTPSページへ転送 |
ページ統合 | 統合元ページを統合先ページへ転送 |
301リダイレクトの設定方法
.htaccessファイルでの設定
.htaccessファイルを使った301リダイレクトの設定は、最もパフォーマンスと信頼性が高く、Googleが公式に推奨する方法です。
.htaccess(ドットエイチティーアクセス)とは、ApacheというタイプのWebサーバーの動作を制御するための設定ファイルです。
サーバー側で直接処理されるため、高速かつ確実にリダイレクトが実行されます。
ただし、.htaccessファイルの編集には注意が必要で、記述ミスがあるとサイト全体が表示されなくなる可能性があります。
作業前には必ずバックアップを取り、慎重に進めることが重要です。
.htaccessファイルは、通常Webサイトのルートディレクトリ(最上位の階層)に配置されています。
FTPソフトやサーバーのファイルマネージャーを使ってアクセスし、テキストエディタで編集します。
設定の規模や目的に応じて、ページ単位、ディレクトリ単位、ドメイン全体など、柔軟にリダイレクトを設定できることが.htaccessの大きな利点です。
個別ページの転送設定
個別のページを別のページへリダイレクトする場合の設定方法は、最も基本的な形式です。
特定の1ページだけURLが変更になった場合や、複数のページを個別に異なるページへ転送したい場合に使用します。
.htaccessファイルに以下のように記述します。
Redirect 301 /old-page.html https://www.example.com/new-page.html
“`
この記述の意味は、「/old-page.htmlへのアクセスを、https://www.example.com/new-page.htmlへ301リダイレクトで転送する」というものです。
**「Redirect 301」の後に、転送元のパス(ルートからの相対パス)を記述し、半角スペースを空けて転送先の完全なURLを記述します**。
複数のページをリダイレクトする場合は、この記述を必要な数だけ繰り返します。
注意点として、転送元のパスは「/」から始まる相対パスで記述し、転送先は「https://」から始まる絶対URLで記述する必要があります。
– 特定の1ページのみを転送
– 削除したページを類似ページへ転送
– 複数ページを個別に異なるページへ転送
ディレクトリ単位の転送設定
**ディレクトリ(フォルダ)単位でリダイレクトを設定する方法**は、特定のカテゴリやセクション全体のURLが変更になった場合に便利です。
たとえば、「/old-category/」以下のすべてのページを「/new-category/」以下へ一括で転送できます。
ディレクトリ単位のリダイレクトには、より高度な設定が可能な「mod_rewrite」という機能を使用します。
“`
RewriteEngine On
RewriteRule ^old-category/(.*)$ /new-category/$1 [R=301,L]
“`
**「RewriteEngine On」でリダイレクト機能を有効化し、「RewriteRule」で転送ルールを定義します**。
「^old-category/(.*)$」は「old-category/以下のすべてのパスを対象とする」という意味で、「(.*)」がファイル名やサブディレクトリを表します。
「/new-category/$1」の「$1」は、「(.*)」でキャプチャしたファイル名やサブディレクトリをそのまま引き継ぐという意味です。
これにより、「/old-category/page1.html」は自動的に「/new-category/page1.html」へ転送されます。
**ディレクトリ構造を維持したまま、カテゴリ名だけを変更したい場合に非常に有効**です。
– カテゴリ名の変更
– セクション全体の移動
– サブディレクトリを含むすべてのページを一括転送
ドメイン全体の転送設定
**ドメイン全体を新しいドメインへリダイレクトする場合の設定**は、サイト移転で最もよく使われるパターンです。
旧ドメインのすべてのページを、新ドメインの対応するページへ転送します。
“`
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^old-domain\.com$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://www.new-domain.com/$1 [R=301,L]
“`
**「RewriteCond」で「もしホスト名がold-domain.comだったら」という条件を指定し、「RewriteRule」で「すべてのパスを新ドメインへ転送する」というルールを定義します**。
「^(.*)$」は「すべてのパス」を意味し、「$1」でそのパスを新ドメインのURLに引き継ぎます。
「[NC]」は「大文字小文字を区別しない」というオプションで、「[R=301,L]」は「301リダイレクトで転送し、これ以降のルールは実行しない」という意味です。
これにより、旧ドメインのどのページにアクセスしても、自動的に新ドメインの対応するページへ転送されます。
**ドメイン移転では、この設定が最も重要であり、確実に機能させる必要があります**。
設定後は必ず複数のページで動作確認を行いましょう。
転送の種類 | 記述方法 | 用途 |
個別ページ | Redirect 301 | 特定のページのみを転送 |
ディレクトリ単位 | RewriteRule(正規表現) | カテゴリ全体を転送 |
ドメイン全体 | RewriteCond + RewriteRule | サイト移転時の全ページ転送 |
PHPでの設定方法
**PHPを使った301リダイレクトの設定は、動的なページや特定の条件で転送先を変えたい場合に便利**です。
.htaccessが使えない環境や、プログラムの中で柔軟にリダイレクトを制御したい場合に選択します。
PHPファイルの先頭(HTMLの出力前)に以下のコードを記述します。
“`
<?php
header(‘Location: https://www.example.com/new-page.html’, true, 301);
exit();
?>
「header()」関数を使ってHTTPヘッダーを送信し、301リダイレクトを実行します。
第1引数の「Location: 転送先URL」で転送先を指定し、第2引数の「true」で既存のヘッダーを置き換え、第3引数の「301」でステータスコードを指定します。
注意点として、PHPでそのままリダイレクトを設定すると、デフォルトでは302リダイレクト(一時的な転送)になってしまいます。
SEO評価を引き継ぐためには、必ず第3引数に「301」を指定する必要があります。
また、「exit();」を記述することで、リダイレクト後のコードが実行されないようにします。
PHPでのリダイレクトは、ユーザーのログイン状態やデバイスの種類によって転送先を変えるなど、条件分岐を伴う複雑な処理にも対応できます。
ただし、処理速度の面では.htaccessに劣るため、大規模なサイトでは.htaccessの使用が推奨されます。
- 動的ページのリダイレクト
- 条件によって転送先を変える
- .htaccessが使えない環境での代替手段
WordPressプラグイン「Redirection」の使い方
WordPressを使用している場合、「Redirection」というプラグインを使うと、初心者でも簡単に301リダイレクトを設定できます。
.htaccessファイルを直接編集する必要がなく、管理画面から視覚的に設定できるため、技術的な知識がなくても安心です。
Redirectionは無料で利用でき、多くのWordPressユーザーに支持されている定番のプラグインです。
ただし、プラグインを使う方法は.htaccessに比べてわずかにパフォーマンスが劣る可能性があります。
少数のリダイレクトであれば問題ありませんが、数百・数千単位の大規模なリダイレクトを行う場合は、.htaccessでの設定が推奨されます。
インストール手順
Redirectionプラグインのインストールは、WordPressの管理画面から簡単に行えます。
まず、WordPressにログインし、ダッシュボードの左メニューから「プラグイン」→「新規プラグインを追加」をクリックします。
画面右上の検索窓に「Redirection」と入力すると、プラグインの一覧が表示されます。
「Redirection」という名前で、赤い矢印のアイコンが目印のプラグインを見つけたら、「今すぐインストール」をクリックします。
類似のプラグインもあるため、必ず作者名やアイコンを確認してからインストールしてください。
インストールが完了すると、「有効化」ボタンが表示されるので、クリックしてプラグインを有効にします。
有効化後、ダッシュボードの「ツール」メニューに「Redirection」という項目が追加されます。
「Redirection」をクリックすると、セットアップ画面が表示されます。
「セットアップを開始」ボタンをクリックし、基本設定を行います。
いくつかのオプションが表示されますが、基本的にはデフォルトのまま進めて問題ありません。
「WordPressの投稿と固定ページのパーマリンクの変更を監視」と「すべてのリダイレクトと404エラーのログを保存する」にチェックを入れておくと便利です。
設定が完了すると、リダイレクトを管理する画面が表示されます。
- WordPressダッシュボードから「プラグイン」→「新規追加」
- 「Redirection」を検索してインストール
- 有効化してセットアップを完了
リダイレクト設定の手順
Redirectionプラグインでのリダイレクト設定は、直感的でわかりやすいインターフェースで行えます。
セットアップが完了したら、「ツール」→「Redirection」を開き、「転送ルール」タブをクリックします。
画面下部に「新しい転送ルールを追加」という入力欄が表示されます。
「ソースURL」に転送元のURL(リダイレクト前のURL)を入力し、「ターゲットURL」に転送先のURL(リダイレクト後のURL)を入力します。
ソースURLは相対パス(例: /old-page/)でも絶対URL(例: https://example.com/old-page/)でも構いませんが、相対パスで入力するのが一般的です。
ターゲットURLは、完全なURL(https://から始まるURL)を入力します。
「グループ」は、転送ルールを管理するためのカテゴリで、デフォルトの「転送ルール」のままで問題ありません。
画面右側の歯車アイコンをクリックすると、詳細設定が表示され、302リダイレクトへの変更やクエリパラメータの扱いなどを設定できます。
通常は、301リダイレクトのままで大丈夫です。
すべての入力が完了したら、「転送ルールを追加」ボタンをクリックします。
設定したリダイレクトが一覧に表示され、すぐに機能し始めます。
設定後は、必ず実際にブラウザで旧URLにアクセスし、新URLへ正しく転送されることを確認しましょう。
Redirectionは、複数のリダイレクトを一度に管理でき、後から編集や削除も簡単に行えます。
また、404エラーの発生状況も確認できるため、リダイレクト漏れを発見するのにも役立ちます。
項目 | 説明 |
ソースURL | 転送元のURL(旧URL) |
ターゲットURL | 転送先のURL(新URL) |
グループ | 転送ルールの管理カテゴリ |
リダイレクトコード | 301(恒久的)または302(一時的) |
設定後の確認方法
リダイレクトチェックツールの使い方
301リダイレクトが正しく設定されているかを確認するには、リダイレクトチェックツールを使用するのが最も簡単で確実です。
オンラインで無料で利用できるツールがいくつかあり、URLを入力するだけで、リダイレクトの状態を瞬時に確認できます。
代表的なツールとして、「ohotuku.jp リダイレクトチェック」や「リダイレクトチェッカー」などがあります。
ツールを使うと、ステータスコードが「301 Moved Permanently」になっているか、最終的な転送先URLが正しいかを確認できます。
使い方は非常にシンプルで、ツールのサイトにアクセスし、チェックしたい旧URLを入力欄に入力して「チェック」ボタンをクリックするだけです。
結果画面には、ステータスコード、リダイレクト先のURL、リダイレクトの回数などが表示されます。
「301」と表示されていれば、正しく設定されています。
もし「302」と表示された場合は、設定が一時的な転送になっているため、SEO評価が引き継がれない可能性があります。
また、「404」や「500」などのエラーが表示された場合は、リダイレクトが機能していないか、転送先のURLが間違っている可能性があります。
リダイレクトチェーンが発生していないかも確認しましょう。
リダイレクトが複数回連鎖していると、表示速度が遅くなり、SEOにも悪影響を及ぼします。
- ステータスコードが「301」であることを確認
- 転送先URLが意図したURLと一致しているか確認
- リダイレクトチェーンが発生していないか確認
- 複数のページで動作確認を行う
Google Search Consoleでの確認
Google Search Consoleは、Googleが提供する無料のツールで、リダイレクトの状態を検索エンジンの視点から確認できます。
リダイレクトチェックツールが外部からの確認であるのに対し、Search ConsoleはGoogleが実際にどう認識しているかを確認できる点が大きな違いです。
Search Consoleにログインし、対象のサイトを選択します。
左メニューの「URL検査」ツールを使うと、特定のURLがGoogleにどう認識されているかを確認できます。
画面上部の検索窓に、旧URLを入力して「Enter」キーを押します。
しばらく待つと、検査結果が表示されます。
正しくリダイレクトが認識されていれば、「URLはGoogleに登録されていません: リダイレクトのあるページ」というメッセージが表示されます。
次に、新URLも同様に検査し、「URLはGoogleに登録されています」と表示されることを確認します。
これにより、Googleがリダイレクトを正しく認識し、新URLをインデックスしていることがわかります。
また、「インデックス作成」→「ページ」レポートでは、サイト全体のインデックス状況を確認できます。
旧サイトのプロパティでは「インデックス登録済みのページ数」が徐々に減少し、新サイトのプロパティでは逆に増加していくはずです。
「リダイレクトエラー」の項目が急増していないかもチェックしましょう。
エラーが多い場合は、リダイレクト設定に問題がある可能性があります。
確認項目 | 正常な状態 |
旧URLの検査結果 | リダイレクトのあるページ |
新URLの検査結果 | Googleに登録されています |
インデックス数の推移 | 旧サイトは減少、新サイトは増加 |
リダイレクトエラー | 極端に多くない |
インデックス状況のチェック
インデックス状況の確認は、リダイレクトが検索エンジンに正しく認識され、新URLへの移行が進んでいるかを把握するために重要です。
Google Search Consoleの「インデックス作成」→「ページ」レポートを定期的にチェックすることで、移行の進捗状況を追跡できます。
サイト移転やURL変更を行った場合、旧サイトと新サイトの両方のプロパティをSearch Consoleに登録しておくと、より詳細な状況を把握できます。
旧サイトのプロパティでは、インデックス登録済みのページ数が徐々に減少していきます。
これは、Googleが「これらのページは新URLへ移転した」と認識し、インデックスから削除しているためです。
一方、新サイトのプロパティでは、インデックス登録済みのページ数が増加していきます。
この増加が、旧サイトのページ数とほぼ同じになれば、移行が順調に進んでいる証拠です。
ただし、完全に移行が完了するまでには、サイトの規模にもよりますが、数週間から数ヶ月かかることがあります。
焦らずに、定期的に状況を確認することが大切です。
また、「カバレッジ」レポートでは、エラーや警告の内容を確認できます。
「リダイレクトエラー」や「ページがリダイレクトされています」という項目を確認し、意図しないエラーが発生していないかチェックしましょう。
- 旧サイトのインデックス数が減少しているか
- 新サイトのインデックス数が増加しているか
- エラーや警告が異常に多くないか
- 重要なページが正しくインデックスされているか
被リンク評価の移行確認
被リンク(外部サイトからのリンク)の評価が新URLへ移行しているかを確認することも、リダイレクト設定の効果を測る重要な指標です。
被リンクは、SEOにおいて最も価値の高い評価要素のひとつであり、その価値が正しく引き継がれているかを確認する必要があります。
Google Search Consoleの「リンク」レポートを使うと、どのサイトからリンクを受けているかを確認できます。
旧サイトのプロパティと新サイトのプロパティの両方で「リンク」レポートを確認し、被リンクの数を比較します。
時間が経過するにつれて、新サイトの被リンク数が増加していけば、評価の移行が順調に進んでいると判断できます。
ただし、外部サイトからのリンクは旧URLを指したままであっても、リダイレクトによってユーザーと検索エンジンは新URLへ転送されるため、問題ありません。
重要なのは、旧URLが持っていた被リンクの価値が、新URLの評価に反映されているかどうかです。
検索順位の推移を見ることで、間接的に被リンク評価の移行を確認できます。
もし、リダイレクト設定後に検索順位が大幅に下落し、数ヶ月経っても回復しない場合は、リダイレクトに問題があるか、他の要因が影響している可能性があります。
株式会社エッコでは、リダイレクト設定後のモニタリングやSEO効果の分析もサポートしています。
名古屋エリアを中心に、サイト移転やリニューアル後のフォローアップも行っていますので、不安がある場合はお気軽にご相談ください。
- Search Consoleの「リンク」レポートで被リンク数を確認
- 旧サイトと新サイトの被リンク数を比較
- 検索順位の推移を定期的にチェック
- 重要なキーワードでの順位変動を監視
301リダイレクト設定時の注意点
.htaccessが使用できるサーバーか確認する
301リダイレクトを.htaccessで設定する場合、まず使用しているサーバーが.htaccessに対応しているかを確認する必要があります。
.htaccessは、Apache(アパッチ)というWebサーバーソフトウェアで利用できる設定ファイルです。
多くのレンタルサーバーではApacheが採用されているため、.htaccessを使用できることが一般的です。
しかし、一部のサーバーでは.htaccessが使用できなかったり、特定の機能が制限されていたりする場合があります。
たとえば、Nginx(エンジンエックス)というWebサーバーでは、.htaccessではなく独自の設定ファイルを使用します。
また、共有レンタルサーバーでは、セキュリティ上の理由から一部の命令が無効化されていることもあります。
サーバーの管理画面やマニュアルを確認し、.htaccessが使用可能かどうか、どのような制限があるかを事前に把握しておきましょう。
もし.htaccessが使用できない場合は、PHPでのリダイレクト設定や、サーバー独自のリダイレクト機能を利用する必要があります。
サーバーの仕様がわからない場合は、サーバー会社のサポートに問い合わせるのが確実です。
設定作業を始める前に、環境の確認を怠らないことが、トラブルを防ぐ第一歩です。
- 使用しているWebサーバーの種類を確認(Apache、Nginxなど)
- サーバーの管理画面やマニュアルで.htaccessの対応状況を確認
- 制限されている機能や命令がないかチェック
- 不明な場合はサーバー会社に問い合わせる
最低1年以上は設定を維持する
301リダイレクトの設定は、一度設定したら最低でも1年以上は維持することが推奨されています。
これは、Googleのジョン・ミューラー氏が公式に推奨している期間です。
リダイレクトを早期に解除してしまうと、検索エンジンがまだすべてのURLを新URLへ移行できていない状態で転送が止まり、評価の引き継ぎが不完全になる可能性があります。
検索エンジンが、インターネット上に存在するすべての旧URLへのリンクを発見し、評価を新URLへ完全に統合するには、十分な時間が必要です。
また、その期間中も、ブックマークや外部サイトからのリンク経由で旧URLにアクセスするユーザーが存在します。
リダイレクトを解除してしまうと、これらのユーザーは404エラーページにたどり着き、目的のページを見ることができなくなります。
ユーザー体験を損なわないためにも、可能であれば無期限にリダイレクトを維持することが理想です。
実際、多くの企業では、旧ドメインの契約を更新し続け、リダイレクトを半永久的に維持しています。
旧ドメインの維持費用はかかりますが、SEO評価やユーザーの利便性を考えると、投資に見合う価値があるといえます。
どうしても解除する必要がある場合でも、最低1年間は設定を保持し、その後も定期的に旧URLへのアクセス状況を確認しながら慎重に判断しましょう。
期間 | 状況 |
設定直後〜数週間 | 検索エンジンがリダイレクトを認識し始める |
1〜3ヶ月 | 主要なページの評価が移行し始める |
6ヶ月〜1年 | 評価の移行がほぼ完了する |
1年以上 | 長期的な安定性のために維持を推奨 |
内部リンクとタグの更新
301リダイレクトを設定した後は、サイト内の内部リンクやタグに記述されているURLも、すべて新しいURLに更新する必要があります。
リダイレクトが設定されていれば、古いURLからでも新しいページへ転送されるため、一見すると問題ないように思えます。
しかし、内部リンクが旧URLを指したままだと、ユーザーがリンクをクリックするたびにリダイレクトが発生し、ページの表示速度が遅くなります。
検索エンジンのクローラーも、無駄なリダイレクトを何度も辿ることになり、クロールバジェットの浪費につながります。
また、サイト内で新旧のURLが混在していると、検索エンジンに対して矛盾したシグナルを送ることになり、評価の移行が遅れる可能性があります。
更新が必要な箇所は、主に以下の通りです。
ナビゲーションメニュー、フッターリンク、パンくずリスト、記事本文内のリンク、関連記事リンク、サイドバーのリンクなど、すべての内部リンクを新URLに変更します。
canonicalタグ(正規URLを示すタグ)も、新しいURLを指すように更新しましょう。
canonicalタグが旧URLを指したままだと、検索エンジンが混乱し、どちらを正規URLとして扱うべきか判断できなくなります。
構造化データ(リッチリザルト用のマークアップ)にURLが含まれている場合も、同様に更新が必要です。
大規模なサイトでは、すべてのページを手作業で確認するのは現実的ではありません。
クローラーツール(Screaming Frogなど)を使用すると、サイト全体をスキャンして、旧URLへのリンクを自動的に抽出できます。
これにより、更新漏れを防ぎ、効率的に作業を進めることができます。
内部リンクの更新は、リダイレクト設定と同じくらい重要な作業です。
確実に実施することで、SEO効果を最大化し、ユーザーにとって快適なサイトを実現できます。
- ナビゲーションメニューとフッターリンク
- 記事本文内のすべてのリンク
- canonicalタグの更新
- 構造化データのURL更新
- サイドバーや関連記事のリンク
関連性のあるページへ転送する
301リダイレクトは、転送元のページと転送先のページの内容に関連性がなければ、SEO効果を発揮できません。
検索エンジンは、リダイレクト元と転送先のコンテンツの関連性を精査しており、関連性が低いと判断された場合、評価を引き継がないことがあります。
これは「ソフト404」と呼ばれる状態で、サーバーは301を返しているものの、実質的には404エラーと同じ扱いになってしまうのです。
たとえば、「青いウィジェットの使い方」というページを、「赤いガジェットのレビュー」というページへリダイレクトしても、ユーザーは求めていた情報を見つけられません。
このような場合、ユーザーはすぐにサイトを離れてしまい、検索エンジンは「このリダイレクトはユーザーの期待を裏切っている」と判断します。
サイトリニューアルで削除するページがある場合、「とりあえずトップページにリダイレクトしておけば良い」という対応は、最も避けるべき方法です。
削除するページがあったとしても、そのページのテーマに最も近い内容のページへリダイレクトする必要があります。
適切な代替ページがない場合は、リダイレクトせずに404エラーのままにするか、410 Gone(恒久的に削除)のステータスコードを返すほうが適切です。
関連性の高いページへリダイレクトすることで、ユーザーの満足度を維持し、SEO評価も確実に引き継ぐことができます。
リダイレクト設計の段階で、各ページの対応関係を慎重に検討しましょう。
- 転送元と転送先のテーマやキーワードが一致しているか
- ユーザーが求めている情報が転送先ページにあるか
- 適切な代替ページがない場合は404エラーのままにする
- トップページへの一括リダイレクトは避ける
リダイレクトチェーンとループを避ける
リダイレクトチェーンとは、リダイレクトが複数回連鎖している状態のことで、ページの表示速度を遅くし、SEOにも悪影響を及ぼします。
たとえば、ページA → ページB → ページC → ページDのように、リダイレクトが何段階も続いている状態です。
ユーザーがページAにアクセスすると、最終的にページDにたどり着くまでに複数回のリダイレクト処理が発生し、表示が遅くなります。
検索エンジンのクローラーも同様に、複数のリダイレクトを辿る必要があり、クロールバジェットを無駄に消費します。
Googleの公式ドキュメントでは、リダイレクトチェーンは5回未満、理想的には3回以下に抑えるべきとされています。
長すぎるチェーンは、クローラーが途中で追跡を諦める可能性もあります。
リダイレクトチェーンが発生する典型的な原因は、段階的なURL変更やサイト構造の複数回の変更です。
たとえば、HTTP → HTTPS の移行を行った後、さらにドメイン変更を行い、その後URL構造を変更すると、3段階のチェーンが発生します。
このような場合は、最初のURL(HTTP)から最終的なURL(新ドメインの新構造)へ直接リダイレクトするように、.htaccessの設定を見直す必要があります。
リダイレクトループは、さらに深刻な問題で、ページA → ページB → ページAのように、リダイレクトが無限に繰り返される状態です。
この状態になると、ブラウザはエラーを表示し、ページがまったく表示されなくなります。
リダイレクトループは、設定ミスによって発生することがほとんどです。
複数のリダイレクト設定が競合したり、条件指定が不適切だったりすると、ループが発生します。
リダイレクト設定後は、必ず複数のページで動作確認を行い、チェーンやループが発生していないか確認しましょう。
リダイレクトチェックツールを使うと、チェーンの有無も一目でわかります。
定期的にサイト全体を監査し、不要なリダイレクトチェーンを解消することが、サイトの健全性を保つために重要です。
問題 | 状態 | 影響 |
リダイレクトチェーン | 複数回のリダイレクトが連鎖 | 表示速度の低下、クロール効率の悪化 |
リダイレクトループ | リダイレクトが無限に繰り返す | ページが表示されない、エラー発生 |
正常な状態 | 1回のリダイレクトで最終ページへ | 高速表示、効率的なクロール |
robots.txtとXMLサイトマップの更新
robots.txtとXMLサイトマップの適切な管理は、リダイレクトの効果を最大化し、検索エンジンへの認識を早めるために重要です。
robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対して「どのページをクロールして良いか、してはいけないか」を指示するファイルです。
リダイレクト設定を行う際、旧URLがrobots.txtでクロールを拒否されていると、クローラーはそのページにアクセスできず、リダイレクトの指示を読み取ることができません。
その結果、新URLへの評価の移行が大幅に遅れることになります。
サイト移転やURL変更を行う際は、旧URLへのクロールを許可するよう、robots.txtを見直す必要があります。
クローラーがすべてのURLをクロールし、リダイレクトを認識できるようにすることが重要です。
一方、XMLサイトマップは、検索エンジンに対してサイト内の重要なURLを一覧で伝えるファイルです。
リダイレクト設定後は、新旧両方のサイトでXMLサイトマップを用意し、Google Search Consoleから送信することが推奨されます。
旧サイトのサイトマップには旧URLを記載し、新サイトのサイトマップには新URLを記載します。
これにより、検索エンジンは旧URLから新URLへのリダイレクトを検出しやすくなり、新URLのインデックス登録が早まります。
サイトマップは、リダイレクトの移行が完了した後は、旧URLを含むサイトマップは削除し、新URLのみのサイトマップを維持します。
また、サイトマップ内のURLが旧URLを指したままになっていないか、定期的に確認することも重要です。
robots.txtとXMLサイトマップの適切な管理は、地味ですが非常に重要な作業です。
これらのファイルを正しく設定することで、検索エンジンとの円滑なコミュニケーションを実現し、リダイレクトの効果を最大限に引き出すことができます。
- robots.txtで旧URLのクロールを許可する
- 新旧両方のXMLサイトマップを用意
- Search Consoleから両方のサイトマップを送信
- 移行完了後は旧URLのサイトマップを削除
- サイトマップ内のURLが新URLになっているか確認
よくあるトラブルと解決方法
リダイレクトが機能しない場合
リダイレクトを設定したにもかかわらず、転送が機能しない場合、いくつかの原因が考えられます。
最も多いのは、.htaccessファイルの記述ミスです。
スペルミス、記号の間違い、スペースの有無、URLの記述形式の誤りなど、わずかなミスでもリダイレクトは機能しなくなります。
まず、.htaccessファイルの記述を慎重に見直し、正しい構文になっているか確認しましょう。
特に、転送元のパスは「/」から始まる相対パスで記述し、転送先は「https://」から始まる絶対URLで記述する必要があります。
また、.htaccessファイルが正しい場所(通常はルートディレクトリ)にアップロードされているかも確認してください。
サーバーが.htaccessに対応していない場合も、リダイレクトは機能しません。
前述の通り、Nginxなど一部のWebサーバーでは.htaccessが使用できないため、サーバーの仕様を確認する必要があります。
キャッシュが原因でリダイレクトが反映されていないように見えることもあります。
ブラウザのキャッシュをクリアするか、シークレットモード(プライベートブラウジング)で確認してみましょう。
リダイレクトチェックツールを使って、サーバーが正しくステータスコードを返しているかを確認することも有効です。
ツールで「301」と表示されていれば、サーバー側の設定は正しく機能しています。
それでも解決しない場合は、サーバーのエラーログを確認するか、サーバー会社のサポートに問い合わせることをおすすめします。
- .htaccessの記述ミスを確認(スペル、記号、構文)
- ファイルが正しい場所にアップロードされているか確認
- サーバーが.htaccessに対応しているか確認
- ブラウザのキャッシュをクリア
- リダイレクトチェックツールで動作確認
- サーバーのエラーログをチェック
検索順位が下がった場合
301リダイレクトを設定したにもかかわらず、検索順位が下がった場合、いくつかの原因と対処法があります。
まず理解しておくべきことは、サイト移転やURL変更直後は、一時的に順位が変動することは正常な現象だということです。
検索エンジンが新URLをクロールし、評価を統合する処理には時間がかかるため、数週間から数ヶ月の間、順位が不安定になることがあります。
重要なのは、この期間中もリダイレクト設定を維持し続けることです。
途中でリダイレクトを解除したり、設定を変更したりすると、移行プロセスがリセットされ、さらに順位が下がる可能性があります。
数ヶ月経っても順位が回復しない場合、以下の原因が考えられます。
リダイレクトが正しく設定されていない可能性があります。
302リダイレクトになっていたり、関連性の低いページへリダイレクトしていたりすると、評価が引き継がれません。
リダイレクトチェックツールとSearch Consoleで、設定が正しいか再確認しましょう。
新サイトのコンテンツ品質が、旧サイトよりも低下している可能性もあります。
リニューアルでコンテンツを大幅に削減したり、情報量が減ったりすると、検索エンジンの評価が下がることがあります。
内部リンク構造が最適化されていないことも、順位下落の原因になります。
新サイトでの内部リンク設計を見直し、重要なページへ適切にリンクが集まっているか確認しましょう。
株式会社エッコでは、サイト移転後の順位下落のトラブルシューティングもサポートしています。
原因の特定から改善施策の提案まで、SEOの専門知識を活かしてお手伝いします。
名古屋エリアの企業様を中心に、リダイレクト設定やサイトリニューアルのご相談を承っていますので、お気軽にお問い合わせください。
原因 | 対処法 |
一時的な変動 | 数ヶ月様子を見る、リダイレクトを維持 |
リダイレクト設定ミス | 301になっているか、関連性があるか確認 |
コンテンツ品質の低下 | 情報量を増やす、質を向上させる |
内部リンク構造の問題 | 重要ページへの内部リンクを最適化 |
リダイレクトループが発生した場合
リダイレクトループは、ページが表示されなくなる深刻なトラブルであり、迅速な対処が必要です。
ブラウザに「リダイレクトが多すぎます」「ページが正しくリダイレクトされませんでした」といったエラーが表示された場合、ループが発生しています。
リダイレクトループの最も一般的な原因は、複数のリダイレクト設定が競合していることです。
たとえば、.htaccessで「ページA → ページB」へのリダイレクトを設定しつつ、PHPやプラグインで「ページB → ページA」へのリダイレクトを設定していると、ループが発生します。
まず、すべてのリダイレクト設定を洗い出し、競合がないか確認しましょう。
.htaccessファイル、PHPコード、WordPressプラグイン(Redirectionなど)、サーバーの管理画面での設定など、複数の場所でリダイレクトが設定されている可能性があります。
条件分岐の設定ミスも、ループの原因になります。
たとえば、「www.example.com にアクセスしたら example.com へリダイレクト」と「example.com にアクセスしたら www.example.com へリダイレクト」の両方が設定されていると、無限ループに陥ります。
リダイレクトループが発生したら、まず.htaccessファイルのバックアップから元の状態に戻し、ひとつずつ設定を確認しながら再設定しましょう。
FTPソフトでサーバーにアクセスし、.htaccessファイルを一時的にリネーム(名前変更)して無効化すると、ループを止めることができます。
その後、正しい設定を慎重に記述し、少しずつ機能を追加しながら動作確認を行います。
WordPressの場合、プラグインが原因でループが発生することもあります。
プラグインを一時的に無効化し、問題が解決するか確認してみましょう。
リダイレクトループは、設定の矛盾や記述ミスがほとんどの原因です。
落ち着いて、ひとつずつ確認していけば、必ず解決できます。
- .htaccessファイルを一時的に無効化してループを止める
- すべてのリダイレクト設定を洗い出す
- 競合する設定がないか確認
- 条件分岐の記述を見直す
- プラグインを無効化して原因を特定
- 正しい設定を少しずつ追加しながら動作確認
まとめ
301リダイレクトは、Webサイトの資産価値を守り、SEO評価を未来へ確実に引き継ぐための、最も重要な技術です。
本記事では、301リダイレクトの基本的な仕組みから、具体的な設定方法、そして実務で遭遇するトラブルの解決策まで、幅広く解説してきました。
ドメイン変更やサイトリニューアルを行う際、適切にリダイレクトを設定しなければ、長年かけて築き上げてきた検索順位や被リンクの評価がすべて失われてしまいます。
検索順位の下落は、アクセス数の減少、問い合わせの減少、そして売上の減少に直結します。
こうしたリスクを回避するためには、リダイレクトの正しい知識と確実な実装が不可欠です。
.htaccessファイルを使った設定は、最もパフォーマンスと信頼性が高く、Googleも推奨している方法です。
WordPressを使用している場合は、Redirectionプラグインを活用することで、初心者でも安心して設定できます。
設定後の確認も忘れずに行い、リダイレクトチェックツールやGoogle Search Consoleを使って、正しく機能しているか定期的にモニタリングしましょう。
また、内部リンクやcanonicalタグの更新、XMLサイトマップの送信など、関連する作業も確実に実施することが、成功の鍵となります。
リダイレクトは、最低でも1年以上、可能であれば無期限に維持することが推奨されています。
ユーザーの利便性と、検索エンジンへの明確なシグナルを維持するために、長期的な運用を心がけましょう。
株式会社エッコは、名古屋を拠点とするWebコンサルティング会社として、サイトリニューアルやドメイン変更のサポートを数多く手がけてきました。
リダイレクト設計から実装、検証、そして移行後のモニタリングまで、トータルでお手伝いしています。
「リダイレクト設定に不安がある」「サイトリニューアルで失敗したくない」「移行後の順位が回復しない」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
SEOの専門知識を持ったスタッフが、貴社のWebサイトの価値を守り、さらに成長させるためのお手伝いをいたします。
Webサイトは、企業にとって重要なビジネス資産です。
正しいリダイレクト設定により、その資産価値を未来へ確実に引き継ぎ、さらなる成長を実現しましょう。
本記事が、皆様のサイト運営の成功に少しでもお役に立てれば幸いです。