突然ですが皆さんは、ビジネスをする上でこんな事を考えたことはないでしょうか。

「顧客の心理を知りたい・・・!」

Webに限らず、マーケティングに関わる方なら誰もが考えるべきテーマだと思います。
顧客心理は人の行動原理に基づくものなので、心理学の分野になります。

つまり、マーケティングと心理学は密接な関係性があるということですね。

どれだけAIが発達しようと、モノを売る相手が人間である以上、この心理学に基づいた分析が非常に重要となります。

 

今回は、その顧客心理を読み解く上で非常に参考になる心理学の法則
「チャルディーニの法則」をご紹介したいと思います。

チャルディーニの法則に基づいて、顧客心理を6つの法則に分類し
それぞれをマーケティングへの具体的な応用事例と合わせて解説していきます。

世の中に溢れているマーケティングの根本となる知識といっても過言ではありません。
ぜひ最後まで読んでいただき、皆さんのビジネスにも活用していただけると幸いです。

 

チャルディーニの法則とは

まず最初にチャルディーニの法則とは
アメリカの社会心理学者ロバート・チャルディーニ氏が提唱した概念であり

人の決断や行動において、そこにはとある6つの要因が影響する

という法則です。

マーケティングや営業など、様々な分野で実はこの法則が使われており
『影響力の武器』という著書で30年前に発売されて以来、ビジネス書のバイブルとして語り継がれています。

以下に示すのがチャルディーニの法則における、人を動かす6つの要素です。

1. 返報性
何かを貰ったら何かを返そうと感じる心理。
分かりやすく言うと「受けた恩は返す必要がある」と思う法則です。

2. 一貫性
自分の言葉や行動に一貫性を持たせようと感じる心理。
分かりやすく言うと「一度約束(発言・決断)したらできる限り守ろう」と思う法則です。

3. 社会的証明
他社の意見や評判を判断基準にしたがる心理。
分かりやすく言うと「とりあえず周囲と合わせるべきだ」と思う法則です。

4. 好意
好意を抱いている人の意見や要求を受け入れようと感じる心理。
分かりやすく言うと「好きな人のオススメなら良いものだと信じる」法則です。

5.権威
権力のある、社会的に影響力のある人の言動は正しいと感じる心理。
分かりやすく言うと「偉い人には従うべきだ」と思う法則です。

6. 希少性
残り少ないものや珍しいものには価値があると感じる心理。
分かりやすく言うと「限定品は手に入れないと損だ」と思う法則です。

これら6つの法則が、人を動かし決断させる要因だと提唱されています。
皆さんも心当たりがある内容ばかりではないでしょうか。
それもそのはず、これらはどれも人間の根本的な性質とされているので
誰もが元々持ち合わせている、ごく自然な心理になります。

つまり、これらを理解したうえで、正しくお客様へアプローチすることができれば
顧客をより購買やお問い合わせに繋げられる確率が高くなるということです。

6つの法則を理解したうえで
マーケティングに応用する事例を踏まえてそれぞれ詳しくみていきましょう。

マーケティングへの応用事例

先ほどご紹介した6つの法則は、日々体験するセールスやプロモーションにも潜んでいます。
実際にそれぞれが、マーケティングにどのように応用されているか事例を見ながらご紹介します。

「返報性」を用いた事例

返報性の法則のポイントは3点です。

・人は与えられた恩を断りにくい
・人は面識や好意に関わらず恩を感じる
・人は恩を受けたら返そうとする

これらを考慮したセールスは、身近な所でも多く発見できるかと思います。

実はホワイトデーもこの法則にのっとったイベント戦略です。
バレンタインでチョコを貰ったらお返しをした方が良い
という心理に訴えかけて、男性に商品を売るという構造は
返報性の法則を上手く用いた、セールス戦略となっています。

また、返報性の法則は、譲歩でも発動することが明らかになっています。
どういうことか、具体的に説明します。

電気屋で値引き交渉があったとしましょう。
店員さんはまず、3%割引で提示しますが、最終的に
「本当に特別です!10%割引でいかがでしょう?」と伝えるわけです。

そうすると、どうでしょう。買いたくなりますよね?
たとえ店員は最初から10%引きで販売するつもりだったとしても
敢えて最初は3%引きで提示することで心理的にはより動かされるようになります。

これが譲歩による返報性の法則発動原理です。
ちなみに、顧客からしても譲歩を得た取引の方が満足度が高まる
という傾向があるので、お互いに良い結果をもたらす形になります。(悪質な取引は除きます)

これらを踏まえて、マーケティングではどのように取り入れられているかも少し見てみましょう。
今回はBtoBの事例です。

BtoBのWebサイトでは、よくコンバージョンポイントを資料ダウンロードに設定しているケースがあります。
お客様の為になる情報を無料でプレゼントすることで、返報性の法則が発動し
その後のお問い合わせに繋がりやすくなります。

無料で価値のある情報や体験を提供してもらったら信頼してもらえる
よく考えれば当たり前と感じますが、こういった心理が働いていることが理由ですね。

気をつけなければならないのが、提供する情報や体験の質が低すぎると逆効果になることです。
あくまでも役に立つモノを提供することで、お客様からの信頼も獲得できるということに気をつけてください。

「一貫性」を用いた事例

一貫性の法則のポイントは3点です。

・人は発言や行動・決断に一貫性を持たせようとする
・人は面識や好意に関わらず恩を感じる
・人は恩を受けたら返そうとする

ちなみにこれらの法則は、決断を書いたり、決断を公表することで
より一貫性を保つ意識が強くなることが知られています。

身近な例でいうと、ダイエットをすると決意した時
ノートに体重を記録したり、あらかじめ知り合いに「わたしは◯kgまで痩せる!」と公表すると
より継続できるようになるのは、まさに一貫性の法則です。

マーケティングではどのように取り入れられているか見てみましょう。
今回はLPでよく見る事例です。
みなさんはアンケートLPというものを見たことはあるでしょうか。

LP内に簡単なアンケートを盛り込まれたもので、回答が完了したユーザーには何かしらの特典があることが多いです。
具体例で見てみましょう。
今回はこのアンケートLPを上手く利用しているメンズクリアの事例です。

 

質問の流れとしては以下です。

脱毛したい理由を教えてください。
→メンズクリアの痛みと効果に関して良いと思うところは?
→メンズクリアの魅力的なポイントはどこですか?
→メンズクリアの980円ヒゲ脱毛を体験してみたいですか?

最初の質問で脱毛への意識を固めるように動き
2問目以降では、メンズクリアの魅力となるポイントを意識させています。
ここで大事なのは「自分から能動的にメンズクリアが良いと言っている」ように見えることです。

自分から魅力を意識するように作用したことで
最後の「メンズクリアのヒゲ脱毛を体験してみたいですか?」という質問には
Yesと応えるのが自然で一貫性が保たれるという形ですね。

また、特典も用意することで先述の返報性の法則も作用しています。
これらを踏まえると心理学を上手く取り入れたこのアンケートLPは、非常に良く設計されたLPといえますね。

「社会的証明」を用いた事例

社会的証明の法則のポイントは以下です。

・人は、他の人が考えることを元に正しさを決める。
・人は、自分がよく知らないものほど、より強く周囲の影響を受ける

日本人は色濃く現れる心理ですね。
みんながYesと言っているから自分もYesかな。
という考えは一度は経験があるはずです。

社会的証明の法則は、Webマーケティングでもイメージしやすいと思います。
レビューやお客様の声が良い例です。
例えば、Amazonで商品を選ぶときは星5段階のレビューを参考にしますよね。

画像:アマゾン

また、初めて購入する商品やサービスの場合は
そのWebサイトでお客様の声を見て信頼感を判断する方も多いと思います。

画像:エアコン買取王

ただ、気をつけなければならないのが
この法則を利用して、創作でお客様の声を作成するWebサイトも少なくないことです。

今のユーザーもリテラシーが高くなってきており、情報の真偽を確認する動きは強くなってきています。

お客様から信頼を獲得したい場合は、可能な範囲で写真やはがきなど
リアルな情報でお客様の声を掲載することで、より信頼に繋げましょう。

「好意」を用いた事例

好意の法則のポイントは3点です。

・人は好意(義理・思いやり)を抱いた相手の頼み事をなかなか断れない

・人は相手が自分に好意を示すと、それがお世辞であっても相手に好意を持つ

好きな人から頼まれたら断りづらいという、よくある話ですが
これらはマーケティングにも応用されており、かなり強力な方法となっています。

ただ、好意の法則を活用するにはまず認知してもらうのが前提となり
その認知を獲得するために有用なのがSNSです

今では、SNSの大流行によりビジネスにも幅広く活用されていますが
SNSで認知を獲得していくことで、発信を伝えたい見込み客に自分の好意が伝わりやすくなります。

好意が伝わることで,相手からも好意的な反応が得られる可能性が高くなります。
この時点でフォロワーがあなたのファンとなり、SNSを通してサービスの販売までつなげることも可能になります。

一つ気をつけるべきなのが、好意は相手を騙して獲得するものではないです。
悪質な活用をする事業者はそのうち信頼感が薄れていき、失った信頼は取り戻すことは困難です。
相手を誤解させるようなアプローチは決してしないようにしてください。

「権威」を用いた事例

権威の法則のポイントは3点です。

・人は適切な権威に従うことが正しく、従わないのは間違いだと考える
・人は、皆自分は権威の影響を受けないと考えるが、多くの人が影響されるものである

権威と言うと難しく感じますが、とても簡単な話です。
あなたが頭痛薬がほしいとして、誰か分からない人からオススメされた薬よりも
医者からオススメされた薬の方が買いたいと思うのはごく自然でしょう。

また最近ではSEO(自然検索最適化)においても、この権威性を重視する
Googleから公表されているほど、権威性というものが重要になってきています。

昔はページのコンテンツ量が多いほど、検索順位が上がりやすいといった時代もありましたが
Googleの理念としても、ユーザーが本当に信頼できる情報と判断するために
権威性を示すことがページの評価を上げるという動きになっています。

SEO界隈では権威である、鈴木謙一氏も自身のブログでしっかり権威性を示しています。

画像:海外SEO情報ブログ

「希少性」を用いた事例

希少性の法則のポイントは以下です。

・人は、希少なものに価値があると考え、思った以上に欲する
・人は、一度手にしたものを失うと、思った以上に欲するようになる

いわゆる「期間限定!」や「数量限定!」ですね。
間違いなく誰でも惹かれる、超強力な心理だと思います。

スターバックスが分かりやすい例で
季節に合わせて、期間限定の新作フレーバーを数量限定で販売しています。
タイミングによっては、売切れになることも珍しくなく
SNSでの投稿も相まって消費者の購買意欲が拡大していくような仕組みになっています。

広告LPのキャッチコピーでは、限定訴求はもはや常套句になっているので
あまり押し出しすぎると、かえって不自然に思われることもあるので注意です。
商品の魅力を存分に分かってもらった上で、限定訴求を添えることで自然な表現にすることもできます。

 

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、チャルディーニの法則をご紹介するとともに
心理学がマーケティングへどのように活用されているかをご紹介しました。

人間の行動原理である心理学を知ることで、顧客心理を読み解ける確率が高くなります。
ITやAIが発達している現代であっても、商品を売る相手が人間である以上は
マーケティングと心理学は切っても切り離せない関係性にあるのは間違いありません。

ぜひ今回ご紹介した話をもとに、お客様へどのように訴求をしたら
購買意欲を動かすことができるのか考えてみてください。

株式会社エッコは、Webマーケティング会社として長年の実績があります。
集客やマーケティング全般でお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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