「せっかくイベントを企画したのに、思うように人が集まらない…」

このような悩みを抱えているかたは少なくありません。 イベント集客は、多くの企業や団体が直面する共通の課題です。 どれだけ魅力的な内容を用意しても、適切な集客施策がなければ成功にはつながりません。

実際に、ある調査ではイベント主催者の約7割が集客に課題を感じているという結果も出ています。 一方で、正しい方法で告知をおこなえば、4,500名以上の集客に成功した事例や、来場率80%を超える成果を出している企業も存在します。

この記事では、イベント集客を成功させるための基本的な考え方から、具体的な告知方法8選、さらには時期ごとの施策やイベント種類別のポイントまで、網羅的に解説します。 これからイベントを企画するかた、過去に集客で苦戦した経験があるかた、どちらにも役立つ内容となっています。

最後までお読みいただければ、あなたのイベントを成功に導くための具体的なアクションがきっと見つかるはずです。

イベント集客の基本と成功の鉄則

イベント集客を成功させるためには、まず基本となる考え方をしっかりとおさえておく必要があります。 どのような告知手法を使うかという以前に、イベントそのものの設計が成否を大きく左右するからです。 ここでは、成功するイベントに共通する条件や、目的設定の重要性、そして参加者にとってのメリットの伝え方について解説していきます。

イベント集客が成功する企画の条件

イベント集客がうまくいくかどうかは、企画の段階でほぼ決まるといっても過言ではありません。 魅力的なコンテンツがあることターゲットが明確であること参加のハードルが低いこと、この3つが成功する企画の基本条件です。

まず、魅力的なコンテンツとは、参加者にとって「行く価値がある」と感じられる内容のことです。 たとえば、業界の第一人者による講演や、ここでしか聞けない事例紹介、参加者同士の交流機会などがこれにあたります。 他では得られない情報や体験を提供できるかどうかが、集客力に直結します。

次に、ターゲットの明確化です。 「できるだけ多くの人に来てほしい」という気持ちはわかりますが、誰にでも響くイベントは誰の心にも刺さりません。 対象を絞り込むことで、告知メッセージがより具体的になり、結果的に集客効率が高まります。

最後に、参加ハードルの問題です。 申込フォームが複雑だったり、参加費が不明確だったりすると、興味を持った人でも離脱してしまいます。 申込みは3ステップ以内で完了できるようにするのが理想的です。

成功する企画の条件 具体的なポイント
魅力的なコンテンツ 業界の第一人者の登壇、限定情報の提供、交流機会の創出
ターゲットの明確化 業種・役職・課題などで対象を絞り込む
参加ハードルの低さ 申込3ステップ以内、費用の明示、キャンセルポリシーの明記
日程の配慮 競合イベントとの重複回避、繁忙期を避ける
適切な情報量 過不足なく概要を伝え、詳細は別途案内

目的設定とターゲットの明確化

イベントを企画する際に最も重要なのは、「なぜこのイベントをおこなうのか」という目的を明確にすることです。 目的があいまいなままでは、内容も告知も中途半端になり、結果として集客に苦戦することになります。

イベントの目的は、大きく分けると以下のようなパターンがあります。 リード獲得を目的とする場合は、参加者の連絡先を取得して後日フォローすることが重要になります。 ブランディング目的であれば、イベント自体の話題性や参加者の満足度を重視すべきでしょう。 既存顧客との関係強化が目的なら、新規集客よりも招待制にするほうが効果的かもしれません。

ターゲットの明確化においては、ペルソナを設定することが有効です。 たとえば、「30代の中小企業の経営者で、売上拡大に課題を感じており、Webマーケティングに興味を持ち始めている」というように、具体的な人物像を描きます。 このペルソナが明確であれば、どのような切り口で告知すれば響くのかが見えてきます。

また、ターゲットによって最適な告知チャネルも変わってきます。 若年層向けであればInstagramやTikTokが効果的ですが、BtoBのビジネスパーソン向けであればLinkedInやメールマガジンのほうが適しています。 目的とターゲットの設定は、その後のすべての施策の土台となる重要なステップです。

  • 目的の例:リード獲得、ブランド認知向上、既存顧客の関係強化、新製品のPR、採用促進
  • ターゲット設定の要素:業種、役職、年齢層、課題意識、情報収集方法
  • ペルソナ設定のメリット:告知メッセージの具体化、チャネル選定の明確化、コンテンツ設計の指針
  • ターゲット別の適切なチャネル:若年層はSNS、ビジネスパーソンはメール・LinkedIn
  • 目的とターゲットのミスマッチ:よくある失敗パターンのひとつ

参加メリットの訴求ポイント

イベントへの参加を検討している人は、必ず「参加することで何が得られるのか」を考えています。 この参加メリットを明確に伝えられるかどうかが、集客の成否を大きく左右します。

参加メリットは、大きく分けて「情報的価値」「人脈的価値」「体験的価値」の3つに分類できます。 情報的価値とは、セミナーで得られる知識やノウハウ、最新事例などのことです。 人脈的価値は、他の参加者や登壇者との交流によって生まれるつながりを指します。 体験的価値は、実際に製品を触ったり、ワークショップに参加したりすることで得られる経験のことです。

告知文を作成する際は、これらのメリットを具体的な言葉で表現することが重要です。 「最新のマーケティング手法が学べます」よりも、「明日から使える顧客獲得の具体的テクニック5選を公開」のほうが、参加者にとっての価値がイメージしやすくなります。

また、参加者の声や過去の実績を掲載することも効果的です。 「前回参加者の満足度92%」「参加後1ヶ月以内に売上が20%向上した事例多数」といった具体的な数字は、参加を迷っている人の背中を押す材料になります。

メリットの種類 具体例 訴求のコツ
情報的価値 業界動向、ノウハウ、成功事例 「明日から使える」など即効性を強調
人脈的価値 登壇者との交流、参加者同士のネットワーキング 参加者属性や交流時間を明記
体験的価値 製品デモ、ワークショップ、限定特典 「ここでしか体験できない」を強調
限定性 早期割引、先着特典、限定資料 期限や人数を具体的に示す
実績・信頼性 参加者の声、満足度、過去の成果 数字で示して説得力を高める

イベント企画段階で準備すべきこと

イベントの成功は、企画段階での準備の質に大きく依存します。 会場選び、日程設定、開催形式の選択、予算計画など、本格的な集客を始める前に決めておくべきことは数多くあります。 ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

会場選びとアクセスの重要性

オフラインイベントにおいて、会場選びは集客に直結する重要な要素です。 どれだけ内容が魅力的でも、アクセスが悪ければ参加をためらう人が増えてしまいます。

会場を選ぶ際にまず考慮すべきは、ターゲット層のアクセスのしやすさです。 ビジネスパーソン向けのイベントであれば、主要駅から徒歩5分以内の会場が理想的でしょう。 地方から参加者を集める場合は、新幹線の停車駅や空港からのアクセスも重要になります。

また、会場の雰囲気やキャパシティも集客に影響します。 内容と会場の雰囲気にミスマッチがあると、参加者の満足度が下がりますし、告知時の印象も悪くなります。 たとえば、カジュアルな交流会を格式高いホテルで開催すると、参加のハードルが上がってしまうことがあります。

最近では、ユニークベニューとよばれる特別な会場を活用するケースも増えています。 美術館や歴史的建造物、屋上テラスなど、通常はイベントに使われない場所を会場にすることで、イベント自体の話題性を高めることができます。 ただし、設備面での制約がある場合も多いので、事前の確認が必須です。

  • 主要駅から徒歩5分以内が理想的
  • 駐車場の有無や周辺のコインパーキング情報も確認
  • 会場のキャパシティは想定参加者数の1.2倍程度を確保
  • 設備(マイク、プロジェクター、Wi-Fi)の事前チェック
  • ユニークベニューは話題性向上に効果的だが設備面は要確認
  • 名古屋エリアでのイベント会場選びは地域に精通した専門家への相談も有効

開催日時の決め方と避けるべき日程

イベントの日程設定は、集客数を大きく左右する重要な要素です。 ターゲット層が参加しやすい曜日・時間帯を選ぶことが、集客成功の基本となります。

ビジネスパーソン向けのセミナーであれば、平日の火曜日から木曜日が参加率が高いとされています。 月曜日は週初めで予定が入りやすく、金曜日は早めに退社したい人が多いためです。 時間帯は、ランチタイムの12時〜13時や、業務終了後の18時〜20時が狙い目です。

一般消費者向けのイベントであれば、土日の日中が基本となります。 ただし、連休やゴールデンウィーク、お盆、年末年始は外出する人が多いため、避けたほうが無難です。

競合イベントとの重複も必ず確認しましょう。 同じターゲット層を対象とした大規模イベントと日程が重なると、参加者が分散してしまいます。 業界の主要イベントのスケジュールは、年間カレンダーなどで事前に把握しておくことをおすすめします。

曜日・時間帯 向いているイベント 注意点
平日火〜木 日中 BtoBセミナー、企業向け研修 業務時間中のため、上司の承認が必要な場合も
平日夕方以降 ビジネス交流会、勉強会 残業との兼ね合い、帰宅時間への配慮
土日日中 一般消費者向けイベント、ファミリー向け 競合レジャーとの競争
土日夕方以降 カジュアルなセミナー、ワークショップ 翌日の予定を気にする人も
祝日 特別イベント 連休は外出者が多く要注意

オンライン・オフライン・ハイブリッドの選び方

イベントの開催形式は、大きく分けてオンライン、オフライン、ハイブリッドの3つがあります。 それぞれにメリット・デメリットがあるため、目的やターゲットに応じた選択が必要です。

オンライン開催のメリットは、地理的な制約がなく、全国から参加者を集められることです。 会場費がかからず、参加者にとっても移動の手間がないため、参加ハードルが大幅に下がります。 一方で、参加者同士の交流が生まれにくく、途中離脱も起きやすいというデメリットがあります。

オフライン開催は、参加者との直接的なコミュニケーションが可能で、体験価値を提供しやすいという強みがあります。 製品のデモンストレーションや、参加者同士のネットワーキングを重視するイベントには最適です。 ただし、会場費や設営費がかかり、参加可能な人数も会場のキャパシティに制限されます。

ハイブリッド開催は、両方のメリットを取り入れられる形式です。 来場できない人にもオンラインで参加してもらえるため、最大限の集客が可能になります。 ただし、運営の手間は最も多くなり、オンライン参加者をどう盛り上げるかという課題もあります。

  • オンライン開催:地理的制約なし、コスト削減、参加ハードル低、交流が生まれにくい
  • オフライン開催:直接交流可能、体験価値高、会場費要、地域限定
  • ハイブリッド開催:両方のメリット享受、最大集客可能、運営負荷高
  • 選択基準:イベントの目的、ターゲットの属性、予算、運営体制
  • 初めてのイベントはシンプルな形式からスタートするのが安心

予算計画と費用対効果の考え方

イベントを成功させるためには、適切な予算計画と費用対効果の見極めが欠かせません。 予算をかけすぎても、かけなさすぎても、イベントの成功にはつながりません。

イベント予算の主な内訳としては、会場費、設営費、広告宣伝費、講師謝礼、ケータリング費用、配布資料費などがあります。 このなかでも特に重要なのが広告宣伝費です。 一般的に、全体予算の20〜30%を集客のための広告費に充てることが推奨されています。

費用対効果を考える際は、単に参加者数だけでなく、その後の成果まで含めて評価することが大切です。 たとえば、リード獲得が目的のセミナーであれば、参加者1人あたりの獲得コストと、その後の商談化率・成約率を計算します。 CPA(顧客獲得単価)やROI(投資対効果)といった指標を用いて、定量的に効果を測定しましょう。

低予算でイベントを開催したい場合は、無料で使える告知手段を最大限活用することが重要です。 SNSでの情報発信、プレスリリースの配信、既存顧客へのメール案内など、コストをかけずにできる施策も数多くあります。

予算項目 目安の割合 コスト削減のヒント
会場費 20〜30% 公共施設の活用、平日開催、オンライン化
広告宣伝費 20〜30% SNS活用、口コミ施策、プレスリリース
設営・機材費 10〜20% 会場備品の活用、レンタル機材の比較検討
講師・登壇者謝礼 10〜20% 社内リソースの活用、若手専門家の起用
飲食・ケータリング 5〜15% 簡易的なドリンク提供、持ち込み可にする
印刷物・ノベルティ 5〜10% デジタル資料への切り替え、必要最小限に

イベント集客の告知方法8選

イベントの企画が固まったら、いよいよ集客のための告知活動に入ります。 告知方法には様々な選択肢がありますが、ターゲットや予算、イベントの性質に応じて最適なものを組み合わせることが重要です。 ここでは、効果的な8つの告知方法について詳しく解説します。

SNS広告を活用した拡散戦略

SNS広告は、ターゲットを細かく絞り込んで効率的にリーチできる告知手段として、多くのイベントで活用されています。 Facebook広告、Instagram広告、X(旧Twitter)広告、LinkedIn広告など、プラットフォームごとに特性が異なります。

Facebook広告の強みは、年齢、性別、居住地、興味関心など、詳細なターゲティングが可能な点です。 BtoBイベントの集客では、特定の業種や役職の人にピンポイントで広告を届けることができます。 Instagram広告は、ビジュアル重視のイベント告知に適しており、30〜40代の女性へのリーチに効果的です。

X広告は、リアルタイム性が高く、イベント直前の追い込みや、話題性のある内容の拡散に向いています。 LinkedIn広告は、ビジネスパーソン向けのセミナーや展示会の集客において、高い精度でターゲットにリーチできるという特長があります。

SNS広告を出稿する際は、まず少額でテストをおこない、効果の高いクリエイティブやターゲット設定を見極めてから、本格的に予算を投下することをおすすめします。

SNSプラットフォーム 向いているイベント ターゲティングの特徴
Facebook BtoBセミナー、地域イベント 詳細な属性設定、類似オーディエンス
Instagram ビジュアル重視、女性向け 興味関心、フォロワーの類似
X(旧Twitter) 話題性重視、直前告知 キーワード、フォロワー
LinkedIn ビジネスセミナー、採用イベント 業種、役職、会社規模
TikTok 若年層向け、エンタメ系 興味関心、視聴行動

自社サイト・オウンドメディアでの告知

自社サイトやオウンドメディアでの告知は、コストをかけずに情報を発信できる基本的な集客手段です。 すでに自社に興味を持っている層にアプローチできるため、転換率(申込率)が高いという特長があります。

自社サイトでの告知では、トップページのバナーやポップアップでイベント情報を目立たせることが重要です。 また、専用のランディングページ(LP)を作成し、イベントの詳細情報や申込フォームをまとめて掲載しましょう。 LP上での申込完了率を高める工夫として、申込ボタンを複数箇所に設置したり、残席数を表示したりする方法が効果的です。

オウンドメディア(自社ブログ)を運営している場合は、イベントに関連する記事を公開し、記事内からイベントページへ誘導する方法も有効です。 たとえば、セミナーで扱うテーマの概要を記事にして、「詳しく知りたい方はセミナーへ」という導線を設けます。

SEO対策をおこなうことで、検索エンジン経由でのイベント認知も期待できます。 「〇〇 セミナー 名古屋」「〇〇 イベント 2025」といったキーワードで検索した人に、自社のイベント情報を届けることが可能になります。

  • トップページにイベントバナーやポップアップを設置
  • 専用ランディングページ(LP)の作成
  • 申込ボタンを複数箇所に配置、残席数の表示
  • 関連ブログ記事からの誘導
  • SEO対策で検索流入を獲得
  • Webサイトの集客力を高めたい場合は、専門家への相談も選択肢

イベント告知サイトへの掲載

イベント集客において、Peatix、こくちーず、connpassなどの告知サイトは非常に有効なチャネルです。 これらのサイトには、イベントを探している能動的なユーザーが集まっているため、新規層へのリーチが期待できます。

Peatixは、ビジネスセミナーから音楽イベントまで幅広いジャンルに対応した告知サイトです。 申込管理や決済機能も備わっているため、運営の手間を軽減できるというメリットがあります。 手数料はかかりますが、集客から参加者管理までを一元化できる便利さがあります。

こくちーずは、無料イベントの掲載に強みがあり、セミナーや勉強会の告知に広く利用されています。 connpassは、IT・テクノロジー系のイベントに特化しており、エンジニア向けの集客に適しています。

これらのサイトで効果を出すためには、魅力的なイベントタイトルと説明文が不可欠です。 検索されやすいキーワードを含めつつ、参加メリットが一目でわかるタイトルを設定しましょう。 また、アイキャッチ画像の品質も、クリック率に大きく影響します。

告知サイト 特徴 向いているイベント
Peatix 幅広いジャンル、決済機能あり ビジネス、音楽、アート、地域イベント
こくちーず 無料利用可能、シンプル セミナー、勉強会、交流会
connpass IT特化、エンジニアコミュニティ 技術セミナー、もくもく会、ハッカソン
Doorkeeper コミュニティ運営機能 継続的なイベント運営、会員制イベント
ストアカ スキルシェア、講座形式 ワークショップ、習い事、講座

メールマガジン・LINE配信

メールマガジンやLINE配信は、既存リストへの告知において最も効果的な手段のひとつです。 すでに自社と接点のある人にアプローチするため、反応率が高く、費用対効果にも優れています。

メールでの告知で重要なのは、配信のタイミングと頻度です。 ある企業の事例では、イベント1ヶ月前から週5〜7回のペースでメールを配信し、1,000名以上の集客に成功しています。 ただし、通常のメルマガに埋もれないよう、イベント専用の単独メールとして配信するほうが効果は高いとされています。

配信スケジュールとしては、以下のタイミングが効果的です。 まず告知開始時、次に早期割引終了の1週間前、そしてイベント1週間前・2日前・前日のリマインド。 特に前日のリマインドは、申込済みの参加者の来場率を高める効果があります。

LINE公式アカウントでの配信は、開封率がメールよりも高いという特長があります。 プッシュ通知でスマートフォンに直接届くため、見逃されにくいのです。 ただし、配信頻度が高すぎるとブロックされるリスクがあるため、重要な告知に絞って活用しましょう。

  • イベント告知は通常のメルマガではなく単独メールで配信
  • 配信頻度は1ヶ月前から週5〜7回が効果的(事例あり)
  • リマインドメールは1週間前・2日前・前日に送る
  • 件名は具体的なメリットや緊急性を含める
  • LINE配信は開封率が高いが、頻度は控えめに
  • 申込後のフォローメールも来場率向上に重要

プレスリリースの活用

プレスリリースの配信は、メディア露出を獲得してイベントの認知度を高める手段として効果的です。 特に、話題性のあるイベントや、業界初の取り組みなどは、メディアに取り上げられやすくなります。

PR TIMESやValuePress!などのプレスリリース配信サービスを利用すれば、多くのメディアに一斉に情報を届けることができます。 配信されたプレスリリースは、ニュースサイトやポータルサイトに転載されることもあり、SEO効果も期待できるというメリットがあります。

プレスリリースを作成する際は、ニュースバリュー(報道価値)を意識することが重要です。 単にイベントの開催告知だけでなく、「なぜ今このイベントが必要なのか」「どのような社会的意義があるのか」といった視点を盛り込むと、取り上げられやすくなります。

また、登壇者の肩書きや経歴、過去の実績なども、プレスリリースの説得力を高める要素です。 タイトルは30文字程度で、最も伝えたい内容を端的に表現しましょう。

プレスリリースの構成要素 ポイント
タイトル 30文字程度、最重要情報を凝縮
リード文 5W1Hを含めた概要
本文 イベントの詳細、背景、意義
登壇者情報 肩書き、経歴、実績
イベント概要 日時、場所、参加費、申込方法
問い合わせ先 担当者名、電話番号、メールアドレス

チラシ・ポスターなどオフライン施策

デジタル全盛の時代でも、チラシやポスターなどのオフライン施策は一定の効果があります。 特に、地域密着型のイベントや、オンラインに慣れていない層をターゲットとする場合には有効です。

チラシ配布のポイントは、ターゲットが集まる場所を選ぶことです。 ビジネスパーソン向けであれば、オフィス街のカフェや、コワーキングスペースへの設置が効果的でしょう。 地域イベントであれば、商店街や公共施設、地元の商業施設などが適しています。

チラシのデザインでは、一目で内容が伝わるレイアウトを心がけましょう。 イベント名、日時、場所、参加メリットを大きく配置し、詳細はQRコードで誘導するという方法が主流です。 スマートフォンでQRコードを読み取ると、申込ページに直接アクセスできるようにしておくと、申込のハードルが下がります。

ポスター掲示は、視認性の高い場所を選ぶことが重要です。 協力店舗や関連施設への掲示依頼をおこなう際は、先方にもメリットがある形での提案を心がけましょう。

  • ターゲットが集まる場所を選んで配布・掲示
  • QRコードで申込ページに直接誘導
  • デザインは情報を詰め込みすぎない
  • A4サイズのチラシとB3以上のポスターを使い分け
  • 近隣店舗や施設への掲示協力を依頼
  • 地域イベントでは地元メディア(フリーペーパー等)への掲載も検討

インフルエンサー起用

影響力のある人物にイベントを紹介してもらうインフルエンサー施策は、短期間で認知を広げる手段として効果的です。 特に、SNSでの情報収集が主流の若年層向けイベントでは、大きな効果を発揮します。

インフルエンサーを起用する際は、フォロワー数だけでなく、ターゲットとの親和性を重視しましょう。 100万人のフォロワーがいても、イベントのターゲット層と合っていなければ効果は限定的です。 むしろ、フォロワー数は少なくても、特定のコミュニティで強い影響力を持つマイクロインフルエンサーのほうが、費用対効果が高い場合もあります。

依頼の形式としては、イベントへの登壇、SNSでの告知投稿、イベントレポートの発信などがあります。 費用は、フォロワー数や影響力によって大きく異なりますが、中小規模のインフルエンサーであれば数万円から依頼可能なケースもあります。

注意点としては、ステルスマーケティング(ステマ)にならないよう、広告であることを明示する必要があります。 「#PR」「#広告」などのハッシュタグを付けてもらうようにしましょう。

インフルエンサーの規模 フォロワー数目安 特徴
ナノインフルエンサー 1,000〜1万人 エンゲージメント率が高い、費用低い
マイクロインフルエンサー 1万〜10万人 特定領域での影響力、費用対効果良好
ミドルインフルエンサー 10万〜50万人 幅広いリーチ、一定の費用が必要
メガインフルエンサー 50万人以上 大規模な認知拡大、費用高い

口コミ・紹介キャンペーン

参加者や関係者からの口コミ・紹介は、最も信頼性が高く、転換率の高い集客手段です。 実際に参加を決めた人からの推薦は、広告よりも説得力があります。

紹介キャンペーンを実施する場合、紹介者と被紹介者の両方にメリットがある設計にすることが重要です。 たとえば、「友人を紹介すると参加費が20%オフ、紹介された方も10%オフ」といった形です。 ある調査によると、紹介キャンペーン経由での申込者は、通常の申込者に比べて来場率が20%以上高いという結果も出ています。

口コミを促進するためには、参加者が思わず誰かに話したくなるような、特別な体験や驚きを提供することが大切です。 SNSでシェアしたくなるようなフォトスポットを用意したり、参加特典を工夫したりするのも効果的でしょう。

また、過去の参加者に対して、次回イベントの先行案内を送ることも、リピーター獲得と口コミ促進につながります。 満足度の高かった参加者は、自然と周囲に勧めてくれる可能性が高いのです。

  • 紹介者・被紹介者の両方にメリットを設計
  • 紹介経由の参加者は来場率が20%以上高い(事例あり)
  • SNSシェアを促すフォトスポットや特典を用意
  • 過去参加者への先行案内でリピーター獲得
  • 口コミは最も信頼性の高い集客手段
  • 参加後のアンケートで紹介意向を確認し、働きかける

時期別の集客施策とスケジュール管理

イベント集客は、時期に応じた適切な施策を打つことで効果が最大化されます。 告知開始から当日まで、それぞれのフェーズで何をすべきかを明確にしておくことが重要です。 ここでは、時期別の具体的な施策とスケジュール管理のポイントを解説します。

告知開始の最適なタイミング

イベント告知を開始するタイミングは、イベントの規模や性質によって異なりますが、一般的には2ヶ月前が最適とされています。 あまり早すぎると参加者の記憶から薄れてしまい、遅すぎると予定が埋まってしまうからです。

大規模なカンファレンスや展示会であれば、3〜4ヶ月前からの告知が必要になる場合もあります。 参加者側も、大きなイベントには事前にスケジュールを確保しておきたいと考えるからです。 一方、小規模な勉強会やセミナーであれば、1ヶ月前からでも十分な場合があります。

告知開始時には、早期申込特典を設けることで初速を上げることができます。 「先着50名様は参加費30%オフ」「早期申込で限定資料をプレゼント」といった特典です。 初期段階で一定数の申込が入ると、イベントの信頼性が高まり、その後の集客もスムーズになります。

また、告知開始と同時に、SNSでの情報発信やプレスリリースの配信も開始しましょう。 複数のチャネルから同時に情報を発信することで、相乗効果が期待できます

イベント規模 告知開始時期の目安 備考
大規模(500名以上) 3〜4ヶ月前 会場予約も早めに
中規模(100〜500名) 2〜3ヶ月前 業界カレンダーを確認
小規模(〜100名) 1〜2ヶ月前 機動的な対応が可能
オンライン 1〜1.5ヶ月前 参加ハードルが低いため短めでも可

集客初期(1ヶ月前)の施策

イベント開催の1ヶ月前は、集客の土台を築く重要な時期です。 この段階で目標申込数の50〜60%を確保できていれば、順調なペースといえます。

集客初期にまずおこなうべきは、告知の面を広げることです。 自社サイト、SNS、メールマガジン、告知サイトなど、使えるチャネルをすべて活用して情報を発信しましょう。 特にメール配信は、この時期から開始し、週に2〜3回のペースで継続的に送ることが効果的です。

広告出稿もこの時期に開始します。 まずは少額からテストをおこない、効果の高いクリエイティブやターゲット設定を見極めていきます。 Facebook広告であれば、日予算3,000〜5,000円程度からスタートし、反応を見ながら調整するのがおすすめです。

また、登壇者や関係者にも告知への協力を依頼しましょう。 登壇者自身がSNSで情報を発信してくれれば、そのフォロワーへのリーチが期待できます。

  • 告知チャネルを網羅的に活用(サイト、SNS、メール、告知サイト)
  • メール配信は週2〜3回のペースで開始
  • 広告は少額からテストし、効果を見ながら拡大
  • 登壇者・関係者への告知協力を依頼
  • 目標の50〜60%の申込確保を目指す
  • 申込状況を毎日確認し、施策の軌道修正をおこなう

集客中期(2週間前)の施策

イベント2週間前は、集客を加速させる重要なフェーズです。 この時期に目標申込数の80%程度を確保できていることが理想です。

集客中期で特に効果的なのは、緊急性や限定性を訴求することです。 「残席わずか」「申込締切間近」「早期割引は今週末まで」といったメッセージを、メールやSNSで積極的に発信しましょう。 実際に残席が少なくなっている場合は、その事実を伝えることで、検討中の人の背中を押すことができます。

この時期には、広告の予算を増やすことも検討しましょう。 初期のテストで効果が確認できた広告クリエイティブに、予算を集中投下するのが効果的です。 リターゲティング広告(一度サイトを訪れた人に再度広告を表示する手法)も、この時期から本格的に活用します。

また、申込済みの参加者に対しては、友人や同僚への紹介を依頼するメールを送ることも効果的です。 「お知り合いをお誘いいただくと、特典をプレゼント」といった形での紹介キャンペーンを展開しましょう。

集客中期の施策 具体的なアクション 期待効果
緊急性の訴求 残席数の公開、締切の告知 迷っている層の後押し
広告予算の増加 効果の高いクリエイティブに集中 リーチ拡大
リターゲティング サイト訪問者への再アプローチ 離脱した見込み客の獲得
紹介依頼 申込者への協力依頼メール 口コミ効果
コンテンツ追加発信 登壇者インタビュー、見どころ紹介 興味喚起

直前期(1週間〜前日)の追い込み施策

イベント直前期は、最後の追い込みと来場率向上の両面で重要な時期です。 まだ申込を迷っている人への最終アプローチと、すでに申込んだ人への来場促進を並行しておこないます。

直前の追い込み施策としては、「いよいよ来週開催」「残席あとわずか」といった緊急性を最大限に強調したメッセージが効果的です。 SNSでも、カウントダウン投稿をおこなうことで、イベントへの期待感を高めることができます。 当日参加可能であれば、その旨を明記することで、直前まで悩んでいた人の申込を促せます。

来場率向上のためには、リマインドメールが非常に重要です。 1週間前、2日前、前日の3回送ることが推奨されています。 リマインドメールには、日時・場所・アクセス方法などの基本情報に加え、当日の持ち物や見どころなども記載しましょう。

前日のリマインドは特に重要で、これを送るか送らないかで、来場率に10〜20%の差が出ることもあります。 「明日お会いできることを楽しみにしています」といった温かみのあるメッセージを添えることで、参加者のモチベーションを高めることができます。

  • 緊急性を強調した最終告知(SNS、メール)
  • カウントダウン投稿で期待感を醸成
  • 当日参加可能であれば明記
  • リマインドメールは1週間前・2日前・前日の3回
  • 前日リマインドで来場率10〜20%向上(事例あり)
  • 会場へのアクセス方法を詳しく案内

イベント種類別の集客ポイント

イベントの種類によって、効果的な集客方法は異なります。 セミナー、展示会、地域イベントなど、それぞれの特性に合わせた施策を講じることが成功への近道です。 ここでは、代表的なイベント種類ごとの集客ポイントを解説します。

セミナー・ウェビナーの集客

セミナーやウェビナーの集客では、学びや情報収集を目的とした層へのアプローチが中心となります。 参加者は「具体的に何が学べるのか」を重視するため、告知では登壇者の専門性やコンテンツの具体性を前面に出しましょう。

登壇者の知名度や実績は、集客に大きな影響を与えます。 業界で著名な方を招く場合は、その方の名前をタイトルに含めることで、検索経由での流入も期待できます。 登壇者自身のSNSやメルマガで告知してもらうことも、効果的な施策です。

ウェビナー(オンラインセミナー)の場合は、参加ハードルが低い反面、申込後の離脱も起きやすいという特徴があります。 申込直後の自動返信メールで期待感を高める工夫や、リマインドメールの徹底が重要です。 また、アーカイブ視聴を用意することで、リアルタイム参加できない人にも訴求できます。

ターゲットが明確なセミナーであれば、LinkedIn広告やFacebook広告での詳細なターゲティングが効果を発揮します。 「人事部門の管理職」「IT企業のマーケティング担当」といった具体的な条件で絞り込むことで、効率的にリーチできます

セミナー・ウェビナー集客のポイント 具体的な施策
登壇者の訴求 経歴・実績の明記、本人からの告知依頼
コンテンツの具体化 「〇〇がわかる」「明日から使える」等の表現
申込ハードル低減 簡単なフォーム、参加費の明示
リマインドの徹底 複数回のメール、当日朝のリマインド
アーカイブ対応 見逃し配信で申込数増加
詳細ターゲティング LinkedIn・Facebook広告の活用

展示会・体験イベントの集客

展示会や体験イベントでは、実際に見て・触れて・体験できる価値を訴求することが重要です。 オンラインでは得られない体験価値があることを、告知の段階から明確に伝えましょう。

展示会の集客では、出展内容の魅力をビジュアルでアピールすることが効果的です。 過去の展示会の様子を写真や動画で紹介したり、今回の目玉展示をティザー(予告)として公開したりすることで、来場への期待感を高められます

事前登録制を採用している展示会では、登録者に対する継続的な情報提供が来場率向上につながります。 新たな出展者情報や、特別セッションの案内など、登録後も価値ある情報を届け続けることで、来場モチベーションを維持できます。

体験イベントの場合は、体験できる内容を具体的に伝えることが重要です。 「最新のVR機器を実際に体験できます」「プロのシェフから直接指導を受けられます」など、参加者が何を体験できるのかを明確にしましょう。 体験枠に限りがある場合は、事前予約制にすることで、希少性を訴求できます。

  • 体験価値をビジュアルでアピール(写真・動画)
  • 目玉コンテンツのティザー公開
  • 事前登録者への継続的な情報提供
  • 体験内容の具体的な説明
  • 体験枠の事前予約制で希少性を訴求
  • SNSでのハッシュタグキャンペーンで拡散

地域イベント・お祭りの集客

地域イベントやお祭りの集客では、地元住民へのアプローチが基本となります。 全国的な認知よりも、地域内での浸透を重視した施策が効果的です。

地域密着型の告知チャネルとしては、地元のフリーペーパー、自治体の広報誌、町内会の回覧板などがあります。 デジタルよりもアナログの媒体が有効な場合も多いのが、地域イベントの特徴です。 地元の商店街や公共施設へのポスター掲示、チラシ設置も積極的におこないましょう。

地元のケーブルテレビやコミュニティFM局でのPRも、費用対効果の高い方法です。 取材依頼や出演交渉をおこなうことで、無料で告知できる場合もあります。 地域メディアは、地元の話題に関心が高いため、取り上げてもらえる可能性は比較的高いでしょう。

SNSでの情報発信も忘れずにおこないましょう。 Facebookは地域コミュニティとの相性が良く、Instagramは若い世代への訴求に有効です。 地域名をハッシュタグに含めることで、地元ユーザーの検索にヒットしやすくなります。

地域イベント集客の手段 特徴 ポイント
フリーペーパー 地域住民に広くリーチ 配布エリア・部数を確認
自治体広報誌 信頼性が高い、無料 掲載締切に注意
ポスター・チラシ 目に留まりやすい 設置場所の選定が重要
地域メディア 取材で無料PR可能 早めのアプローチを
SNS 若年層への訴求 地域名ハッシュタグを活用
商店街・商業施設 買い物客へのリーチ 協力依頼の丁寧な対応

イベント集客の成功事例と失敗事例

イベント集客のノウハウを学ぶ上で、実際の成功事例と失敗事例から学ぶことは非常に有効です。 成功した施策の共通点、失敗してしまう典型的なパターンを理解することで、自社のイベントに活かすことができます。

4,500名集客に成功した事例から学ぶ

あるWebマーケティング企業がおこなったカンファレンスでは、4,500名もの集客に成功しています。 この事例から学べるポイントを整理してみましょう。

まず、この企業が重視したのは自社メディアの活用です。 普段からYouTubeチャンネルやブログで有益な情報を発信し、多くのファンを獲得していました。 イベント告知の際には、この既存のファン層に対して優先的に情報を届けることで、初速の申込を確保しました。

次に、登壇者の豪華さと話題性です。 業界で著名な方々を多数招へいし、「ここでしか聞けない話」という価値を訴求しました。 登壇者自身もSNSで告知をおこなったため、各登壇者のフォロワーにも情報が拡散されました。

さらに、参加ハードルの低さも重要なポイントでした。 参加費を無料に設定し、オンライン参加も可能にすることで、地理的・経済的な障壁を取り除きました。 結果として、全国から参加者が集まり、大規模な集客を実現したのです。

この事例の教訓は、日頃からの情報発信と関係構築が、いざという時の集客力につながるということです。 イベント単体ではなく、継続的なマーケティング活動の一環として位置づけることが重要です。

成功要因 具体的な内容 学びのポイント
自社メディア活用 YouTube、ブログでの日常的な発信 普段からファンを獲得しておく
豪華な登壇者 業界著名人を多数招へい 登壇者自身の発信力も活用
低い参加ハードル 無料、オンライン参加可 障壁を徹底的に取り除く
話題性の創出 「ここでしか聞けない」価値 希少性・独自性を訴求
継続的な施策 年1回の定例イベント化 ブランドとしての認知向上

集客に失敗する共通パターン

一方、集客に失敗するイベントにも共通のパターンがあります。 これらを事前に把握しておくことで、同じ失敗を避けることができます。

最も多い失敗パターンは、ターゲットと内容のミスマッチです。 「誰でも参加できるイベント」として間口を広げすぎた結果、誰にも刺さらない告知になってしまうケースです。 ターゲットを絞り込むことに抵抗を感じる主催者も多いですが、絞り込むからこそ響くメッセージが作れるのです。

次に多いのは、告知の量と質の不足です。 「1回告知したから大丈夫」と考え、継続的な情報発信をおこなわないケースです。 イベント情報は、何度も目にして初めて記憶に残ります。 メールなら5〜7回、SNSなら毎日の発信が、成功している事例の共通点です。

日程選定のミスも、失敗の大きな要因です。 競合イベントとの重複、連休や繁忙期との重なり、ターゲット層にとって参加しにくい曜日・時間帯の設定などです。 事前のリサーチを怠ると、こうした失敗につながります。

そして、申込フォームの煩雑さも見落としがちなポイントです。 入力項目が多すぎる、エラーが出やすい、スマートフォンで操作しにくいなど、申込の途中で離脱する原因は様々です。

  • ターゲットと内容のミスマッチ:誰にでも向けた告知は誰にも刺さらない
  • 告知の量と質の不足:1回の告知では記憶に残らない
  • 日程選定のミス:競合や繁忙期との重複
  • 申込フォームの煩雑さ:入力項目の多さ、操作のしにくさ
  • メリットの訴求不足:「何が得られるか」が伝わらない
  • フォロー不足:申込後のリマインド欠如で来場率低下

イベント終了後のフォローアップ施策

イベントは終了してからが本番という側面もあります。 参加者との関係を継続し、次のアクションにつなげるフォローアップ施策は、イベントの効果を最大化するために欠かせません。 ここでは、アンケートの活用方法と、リスト活用のポイントを解説します。

参加者へのアンケートと分析

イベント終了後は、できるだけ早いタイミングでアンケートを実施しましょう。 記憶が新鮮なうちに回答してもらうことで、より正確なフィードバックを得ることができます。

アンケートで聞くべき項目としては、満足度、印象に残ったコンテンツ、改善点、次回参加意向などがあります。 自由記述の設問も設けることで、定量データだけでは見えてこない生の声を収集できます。

回答率を高めるためには、回答へのインセンティブを用意することが効果的です。 「アンケート回答者にはイベント資料をプレゼント」「抽選でギフトカードをプレゼント」といった形です。 また、設問数は10問以内に抑え、回答にかかる時間を5分以内にすることも重要です。

収集したアンケート結果は、必ず分析して次回に活かしましょう。 満足度が低かった項目、改善要望が多かった点を特定し、具体的な改善策を検討します。 また、NPS(推奨度)を測定することで、参加者がどの程度イベントを他者に勧めたいと思っているかを把握できます。

アンケート項目 目的 質問例
満足度 全体評価の把握 「イベント全体の満足度を5段階で」
印象的なコンテンツ 強みの特定 「最も印象に残ったセッションは」
改善点 課題の発見 「改善してほしい点があれば」
次回参加意向 リピート予測 「次回も参加したいと思いますか」
推奨度(NPS) ロイヤルティ測定 「友人にすすめたいと思いますか」
自由記述 定性的な声の収集 「ご意見・ご感想をお聞かせください」

次回イベントへつなげるリスト活用

イベントで獲得した参加者リストは、非常に価値のある資産です。 このリストを適切に活用することで、次回イベントの集客や、商品・サービスの販売につなげることができます。

まず、イベント終了後のフォローメールを送りましょう。 お礼のメッセージとともに、イベントの資料や録画を共有することで、参加者との関係を維持できます。 このフォローメールの開封率やクリック率は、通常のメルマガよりも高くなる傾向があります。

次に、参加者の属性や行動に応じたセグメント分けをおこないましょう。 たとえば、「満足度が高かった人」「次回参加意向がある人」「特定のセッションに興味を示した人」など、グループごとに分類します。 これにより、次回イベントの告知や関連サービスの案内を、よりパーソナライズして届けることができます。

次回イベントの企画が決まったら、過去参加者への先行案内を送りましょう。 「前回ご参加いただいた方への特別案内」「先行申込で特典あり」といった形で、リピーターの早期獲得を目指します。 過去参加者は、すでにイベントの価値を理解しているため、転換率が高くなります。

名古屋を拠点とするWebコンサルティング会社の株式会社エッコでは、こうしたイベント後のフォロー施策やリスト活用についてのご相談も承っています。

  • イベント終了後24時間以内にフォローメールを送信
  • 資料・録画の共有で参加者との関係を維持
  • 参加者を属性・行動でセグメント分け
  • 次回イベントの先行案内でリピーター獲得
  • 関連サービス・商品の案内にも活用
  • MA(マーケティングオートメーション)ツールで効率化

まとめ

イベント集客を成功させるためには、企画段階からの綿密な準備と、時期に応じた適切な施策の実行が不可欠です。 この記事で解説した内容を振り返ってみましょう。

まず、成功するイベントには、明確な目的とターゲット設定、参加者にとってのメリットの訴求が重要です。 誰に向けて、どのような価値を提供するのかを明確にすることで、告知メッセージも具体的になります。

告知方法としては、SNS広告、自社サイト、イベント告知サイト、メールマガジン、プレスリリース、チラシ・ポスター、インフルエンサー、口コミ・紹介キャンペーンの8つを紹介しました。 ターゲットや予算に応じて最適な組み合わせを選ぶことが大切です。

時期別の施策としては、告知開始は2ヶ月前が目安であること、1ヶ月前には目標の50〜60%、2週間前には80%の申込を確保することを目指すこと、直前期にはリマインドメールの徹底が来場率向上に効果的であることを解説しました。

成功事例からは、日頃からの情報発信と関係構築の重要性を学びました。 失敗パターンとしては、ターゲットのミスマッチ、告知不足、日程選定ミス、申込フォームの煩雑さなどを挙げました。 これらを事前に把握しておくことで、同じ失敗を避けることができます。

そして、イベント終了後のフォローアップも忘れてはなりません。 アンケートによる改善点の把握、参加者リストの継続的な活用が、次回イベントの成功につながります。

イベント集客は、一朝一夕で成果が出るものではありません。 しかし、正しい方法で継続的に取り組むことで、確実に成果は向上していきます。

もし、イベント集客についてお困りのことがあれば、名古屋のWebコンサルティング会社である株式会社エッコにご相談ください。 Webマーケティングの視点から、集客戦略の立案から実行まで、一貫してサポートいたします。

  • イベント集客の成功には企画段階からの準備が重要
  • 8つの告知方法をターゲットや予算に応じて組み合わせる
  • 時期別の施策とスケジュール管理で計画的に集客
  • 成功事例と失敗パターンから学び、自社に活かす
  • 終了後のフォローアップが次回の成功につながる
  • 困ったときは専門家への相談も有効な選択肢

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