Webサイトを運営するうえで、検索エンジンからの評価を高めることは欠かせません。 そのために重要な要素のひとつが、サイト全体のディレクトリ構造です。 ディレクトリ構造とは、Webサイト内のページやファイルを階層的に整理する仕組みのことを指します。 この構造が適切に設計されていると、検索エンジンのクローラーがサイト内を効率よく巡回できるようになります。 さらに、ユーザーにとっても目的のページへたどり着きやすくなるため、サイト全体の使いやすさが向上します。
一方で、ディレクトリ階層の設計を誤ると、SEOに悪影響をおよぼす可能性があります。 たとえば、階層が深すぎる構造では、重要なページが検索エンジンに認識されにくくなることがあります。 また、ユーザーが求める情報にたどり着くまでに何度もクリックを繰り返す必要があり、離脱率の増加につながりかねません。
本記事では、SEOに強いディレクトリ階層の設計方法について、基礎知識から実践的なテクニックまで詳しく解説します。 ディレクトリ構造とクリック階層の違いや、業種別の具体的な設計例も紹介しますので、自社サイトの改善にぜひお役立てください。 名古屋を拠点にWebコンサルティングを手がける株式会社エッコでも、多くの企業様のサイト構造改善をサポートしてきた実績があります。 この記事を通じて、検索エンジンとユーザーの両方から評価されるサイト構造の作り方を身につけていただければ幸いです。
目次
ディレクトリ構造と階層の基礎知識
Webサイトを設計するうえで、ディレクトリ構造の理解は欠かせません。 ここでは、ディレクトリ構造の基本的な概念と、階層の仕組みについて解説します。 まずは土台となる知識を押さえておきましょう。
ディレクトリ構造とは何か
ディレクトリ構造とは、Webサイト内のページやファイルをフォルダ分けして整理する方法のことです。 パソコンでファイルを管理するときに、種類ごとにフォルダを作成して整理するのと同じ考え方になります。 Windowsの「エクスプローラー」やMacの「Finder」でファイルを管理した経験がある方なら、イメージしやすいでしょう。
Webサイトにおいては、トップページを最上位として、その下にカテゴリページや個別のコンテンツページが配置されます。 この構造によって、サイト内の情報がどのように関連しているかが明確になります。 検索エンジンは、この構造をもとにサイト全体のテーマや各ページの役割を判断しています。
ディレクトリ構造を適切に設計することで得られるメリットは数多くあります。
- サイト内の情報が体系的に整理される
- 検索エンジンがサイトの構造を理解しやすくなる
- ユーザーが目的のページを見つけやすくなる
- サイトの管理や運営が効率化される
- 将来的なコンテンツ追加にも柔軟に対応できる
とくに大規模なサイトでは、ディレクトリ構造の設計が検索順位に大きく影響することがあります。 サイトの規模が大きくなるほど、構造の重要性は増していくと考えてよいでしょう。
階層構造の仕組みとURL構成
Webサイトの階層構造は、URLの形式に反映されます。 URLを見ることで、そのページがサイト内のどの位置にあるかを把握できる仕組みになっています。 たとえば、「https://example.com/category/article/」というURLであれば、トップページの下にカテゴリがあり、その下に個別の記事があることがわかります。
階層構造の一般的な構成を表にまとめました。
| 階層 | 役割 | URLの例 |
| 第1階層 | トップページ | https://example.com/ |
| 第2階層 | カテゴリページ | https://example.com/service/ |
| 第3階層 | サブカテゴリページ | https://example.com/service/seo/ |
| 第4階層 | 個別コンテンツページ | https://example.com/service/seo/keyword/ |
URLの構造は、スラッシュ(/)で区切られた各部分がディレクトリを表しています。 トップページから遠ざかるほど、階層が深くなるという関係性を覚えておきましょう。
階層が深くなるとURLも長くなりますが、長さ自体がSEOに直接影響するわけではありません。 ただし、GoogleはURLの最大文字数を2,000文字程度としていますので、極端に長いURLは避けるべきです。 現実的には、わかりやすさと管理のしやすさを考慮して、適度な長さに収めることが重要です。
フォルダとディレクトリの違い
「フォルダ」と「ディレクトリ」という言葉は、しばしば混同されることがあります。 結論から言えば、両者はほぼ同じ意味として使われています。 厳密な定義では若干の違いがありますが、実務上は同義語として扱って問題ありません。
言葉の使い分けは、主にオペレーティングシステム(OS)によって異なります。 Windowsでは「フォルダ」という表現が一般的に使われています。 一方、LinuxやUnix系のシステムでは「ディレクトリ」という表現が標準的です。
- フォルダ:Windowsで主に使われる表現で、視覚的な入れ物のイメージ
- ディレクトリ:Linux/Unixで主に使われる表現で、ファイルの格納場所を示す
Web制作の現場では、サーバー環境がLinux系であることが多いため、「ディレクトリ」という表現がよく使われます。 どちらの言葉を使っても意味は通じますので、文脈に応じて使い分ければ問題ないでしょう。
ただし、同じドキュメント内では表現を統一することをおすすめします。 読者の混乱を避けるためにも、一貫性のある表現を心がけましょう。
ディレクトリ階層がSEOに与える影響
ディレクトリ階層は、SEOにさまざまな形で影響を与えます。 検索エンジンがサイトをどのように評価するかを理解するために、具体的な影響について見ていきましょう。 適切な階層設計がなぜ重要なのか、その理由が明確になるはずです。
クローラビリティの向上効果
クローラビリティとは、検索エンジンのクローラーがサイト内を巡回しやすい状態のことを指します。 適切に設計されたディレクトリ構造は、クローラーの巡回効率を大幅に向上させます。 クローラーはリンクをたどってページを発見していくため、構造が整理されているほど効率よく情報を収集できます。
クローラビリティが向上すると、以下のようなメリットが得られます。
- 新しいコンテンツが検索結果に素早く反映される
- サイト内のすべてのページがインデックスされやすくなる
- クロールバジェット(巡回の優先度)が効率的に使われる
- ページの評価が正確に行われやすくなる
とくに10万ページを超えるような大規模サイトでは、クローラビリティへの配慮が欠かせません。 ディレクトリ構造が複雑だと、クローラーが重要なページにたどり着けない可能性があります。 その結果、本来評価されるべきコンテンツが検索結果に表示されないという事態も起こりえます。
逆に、小規模なサイトであればそれほど神経質になる必要はありません。 しかし、将来的なサイトの成長を見据えて、初期段階から適切な構造を設計しておくことが望ましいでしょう。
サイトのテーマ性と専門性の評価
ディレクトリ構造は、サイトのテーマ性や専門性をアピールする手段としても機能します。 関連性の高いコンテンツを同じディレクトリにまとめることで、その分野における知見の豊富さを検索エンジンに伝えられます。 これはGoogleが重視する**E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)**の評価にもつながる要素です。
たとえば、健康食品を扱うECサイトを例に考えてみましょう。
| ディレクトリ構造 | 示される専門性 |
| /supplements/ | サプリメント全般の知識 |
| /supplements/vitamins/ | ビタミン系サプリの専門知識 |
| /supplements/proteins/ | プロテイン系サプリの専門知識 |
| /supplements/minerals/ | ミネラル系サプリの専門知識 |
このように体系的に構造を整理することで、健康食品分野における網羅性と深い知識を効果的に伝えられます。 検索エンジンは、ディレクトリ内のコンテンツ量や質を総合的に判断して、そのサイトの専門性を評価しています。
結果として、特定のキーワードで上位表示を狙いやすくなるだけでなく、ユーザーからの信頼獲得にもつながります。 テーマごとにコンテンツを整理する習慣を身につけておくことが大切です。
ユーザビリティへの貢献
ディレクトリ構造の最適化は、ユーザビリティの向上にも直結します。 整理された構造のサイトでは、ユーザーが迷うことなく目的のページへたどり着けるからです。 これは直接的なSEO要因ではありませんが、ユーザー行動を通じて間接的に検索順位に影響します。
ユーザビリティが向上することで期待できる効果は多岐にわたります。
- サイト内の回遊率が向上する
- ページの滞在時間が長くなる
- 直帰率が低下する
- コンバージョン率が改善する
- リピーターが増加する
Googleはユーザーの行動データも評価の参考にしていると言われています。 使いやすいサイトは結果的に検索順位でも有利になるという考え方が一般的です。
また、URLを見ただけでページの内容が推測できる構造は、ユーザーに安心感を与えます。 「今どこにいるのか」「どこに行けば目的の情報があるのか」がわかりやすいサイトは、信頼感の向上にもつながります。 ディレクトリ構造の設計では、検索エンジンだけでなくユーザーの視点を常に意識することが重要です。
ディレクトリ階層とクリック階層の違い
SEO対策を行ううえで、ディレクトリ階層とクリック階層の違いを理解することは非常に重要です。 この2つは混同されやすい概念ですが、SEOへの影響度が大きく異なります。 正しい理解にもとづいて、効果的なサイト設計を行いましょう。
ディレクトリ階層の定義と特徴
ディレクトリ階層とは、URLの構造上でページがどの深さに位置しているかを示すものです。 URLに含まれるスラッシュ(/)の数によって、階層の深さが決まります。 たとえば、「https://example.com/a/b/c/」というURLは、第4階層に位置していることになります。
ディレクトリ階層の特徴を整理すると、以下のようになります。
- URLの構造によって物理的に決定される
- ファイルの格納場所を反映している
- 変更するにはURLの変更が必要になる
- サイトの論理的な構造を表現している
ディレクトリ階層は、サイトの設計段階で決定される静的な要素と言えます。 一度設計してしまうと、後から変更するにはURLの変更を伴うため、慎重な計画が必要です。
ただし、重要な点として、ディレクトリ階層の深さ自体はSEOに直接影響しないとされています。 Googleのジョン・ミューラー氏も「URLの階層はGoogle検索にとってそれほど重要ではない」と発言しています。 階層が深いからといって、それだけで検索順位が下がるわけではありません。
クリック階層の定義と重要性
クリック階層とは、トップページから何回のクリックで目的のページに到達できるかを示す指標です。 リンク階層とも呼ばれ、ディレクトリ階層とは異なる概念になります。 URLの構造ではなく、実際のリンク構造によって決まる点が大きな違いです。
| 比較項目 | ディレクトリ階層 | クリック階層 |
| 決定要因 | URLの構造 | 内部リンクの構造 |
| 変更の柔軟性 | 低い(URL変更が必要) | 高い(リンク追加で調整可能) |
| SEOへの影響 | 間接的 | 直接的 |
| 計測方法 | URLのスラッシュ数 | トップからのクリック数 |
クリック階層の重要性は、クローラーの巡回に直接影響する点にあります。 クローラーはリンクをたどってページを発見するため、クリック階層が浅いほど早く見つけてもらえます。
たとえば、ディレクトリ階層では第5階層にあるページでも、トップページから直接リンクが張られていれば、クリック階層では第2階層となります。 この場合、クローラーはそのページを第2階層のページとして認識します。 内部リンクを戦略的に配置することで、重要なページの評価を高めることが可能です。
SEO評価に影響するのはどちらか
結論から言えば、SEO評価に直接影響するのはクリック階層です。 ディレクトリ階層はあくまでURLの構造を示すものであり、検索エンジンの評価において優先度は高くありません。 Googleは、ページ間のリンク関係をもとにサイト構造を理解しているためです。
この事実は、サイト設計において重要な示唆を与えてくれます。
- ディレクトリ階層が深くても、内部リンクで補える
- 重要なページには複数の導線を設けるべき
- トップページからのリンクは特に効果が高い
- サイトマップの活用も有効な手段となる
ただし、ディレクトリ階層を軽視してよいわけではありません。 ユーザビリティやサイト管理の観点から、論理的なディレクトリ構造は依然として重要です。 わかりやすいURL構造は、ユーザーの信頼感向上にもつながります。
実務においては、ディレクトリ階層とクリック階層の両方を意識した設計が求められます。 ディレクトリ構造で論理的な整理を行いつつ、内部リンクでクリック階層を最適化するというアプローチが効果的です。
SEOに効果的なディレクトリ構造の設計方法
ここからは、SEOに効果的なディレクトリ構造を設計するための具体的な方法を解説します。 理論を理解したうえで、実践的なテクニックを身につけていきましょう。 これらのポイントを押さえることで、検索エンジンとユーザーの両方から評価されるサイト構造が実現できます。
理想的な階層の深さと3クリックルール
一般的に、Webサイトではトップページから3クリック以内で目的のページに到達できる構造が理想的とされています。 これは「3クリックルール」と呼ばれ、ユーザビリティとSEOの両面で推奨されている考え方です。 3クリック以内であれば、ユーザーがストレスなく情報を探せるとされています。
ただし、この「3クリック」は絶対的なルールではありません。 サイトの規模や性質によっては、4クリック以上かかっても問題ない場合があります。 重要なのは、ユーザーが迷わずに目的地へたどり着けることです。
階層の深さに関する目安を表にまとめました。
| サイト規模 | 推奨階層数 | 備考 |
| 小規模(〜50ページ) | 2〜3階層 | シンプルな構造で十分 |
| 中規模(50〜500ページ) | 3〜4階層 | カテゴリ分けが必要 |
| 大規模(500ページ以上) | 4〜5階層 | 内部リンクで補完が必要 |
階層が深くなる場合は、内部リンクやパンくずリストを活用して、クリック階層を浅く保つ工夫が必要です。 また、グローバルナビゲーションから主要ページへ直接アクセスできるようにすることも効果的です。
テーマ別カテゴリ分類の考え方
ディレクトリ構造を設計する際は、テーマやトピックごとにカテゴリを分類することが基本となります。 関連性の高いコンテンツを同じディレクトリにまとめることで、サイトの専門性が明確になります。 検索エンジンも、このまとまりをもとにサイトのテーマ性を判断しています。
カテゴリ分類を行う際のポイントは以下のとおりです。
- ユーザーの検索意図を起点に分類する
- 各カテゴリの粒度をそろえる
- 将来的なコンテンツ追加を想定しておく
- カテゴリ間の重複を避ける
- わかりやすい名称をつける
たとえば、Web制作会社のサイトであれば、「サービス紹介」「制作実績」「お役立ち情報」「会社概要」といった分類が考えられます。 各カテゴリの下に、さらに詳細なサブカテゴリを設けることで、体系的な構造が完成します。
カテゴリ分類に迷った場合は、競合サイトの構造を参考にするのもひとつの方法です。 ただし、単に模倣するのではなく、自社の強みやターゲットユーザーに合わせたアレンジを加えることが大切です。
URL設計のベストプラクティス
URLは、ユーザーと検索エンジンの両方に情報を伝える重要な要素です。 シンプルでわかりやすいURLを設計することで、サイトの信頼性向上につながります。 ここでは、URL設計における具体的なポイントを紹介します。
| ポイント | 良い例 | 悪い例 |
| 英単語を使用 | /service/seo/ | /service/1234/ |
| ハイフンで区切る | /web-design/ | /webdesign/ または /web_design/ |
| 小文字で統一 | /about-us/ | /About-Us/ |
| 短く簡潔に | /contact/ | /contact-us-form-page/ |
| 日本語は避ける | /news/ | /お知らせ/ |
URLに日本語を使用すると、エンコードされて非常に長くなることがあります。 たとえば「お知らせ」は「%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B」のように変換されます。 可読性が著しく低下するため、英単語でのURL設計を推奨します。
また、URLは一度決めたら変更しないことが原則です。 URLを変更すると、それまでに獲得したSEO評価がリセットされる可能性があります。 変更が必要な場合は、適切なリダイレクト設定を行うことが必須です。
パンくずリストとの連携
パンくずリストは、サイトの階層構造を視覚的に示すナビゲーションです。 ディレクトリ構造と連携させることで、ユーザビリティとSEOの両面で効果を発揮します。 「ホーム > サービス > SEO対策」のような形式で表示されるのが一般的です。
パンくずリストを設置することで得られるメリットは数多くあります。
- ユーザーが現在地を把握しやすくなる
- 上位階層への移動が容易になる
- 検索エンジンにサイト構造を伝えられる
- 検索結果にパンくずが表示される可能性がある
- 内部リンクとしての効果が期待できる
パンくずリストには構造化データ(Schema.org)を実装することをおすすめします。 構造化データを設定すると、検索結果にパンくずが表示されやすくなり、クリック率の向上が期待できます。
名古屋でWebコンサルティングを提供する株式会社エッコでは、パンくずリストの最適な実装方法についてもアドバイスしています。 サイト構造の改善をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
業種別ディレクトリ構造の具体例
ディレクトリ構造の設計方法は、サイトの種類によって異なります。 ここでは、業種別の具体的な設計例を紹介します。 自社サイトの設計に活かせるヒントを見つけていただければ幸いです。
ECサイトの設計例
ECサイトでは、商品カテゴリを軸にした構造が基本となります。 ユーザーが商品を探しやすく、かつ検索エンジンにも理解されやすい構造を目指しましょう。 商品数が多い場合は、大カテゴリと小カテゴリの2段階に分けることが一般的です。
ECサイトのディレクトリ構造例を表にまとめました。
| 階層 | URL例 | 内容 |
| 第1階層 | / | トップページ |
| 第2階層 | /mens/ | メンズカテゴリ |
| 第3階層 | /mens/shirts/ | メンズシャツ一覧 |
| 第4階層 | /mens/shirts/oxford-white/ | 商品詳細ページ |
この構造であれば、「大→中→小」の順序でカテゴリが階層化されていることがわかります。 検索エンジンも、この関係性を理解してテーマごとの関連性を評価してくれます。
ECサイトで注意すべき点は、絞り込み検索によるURL生成です。 色やサイズで絞り込んだ結果ページが大量に生成されると、重複コンテンツの問題が発生することがあります。 canonicalタグやnoindexの設定で適切に対処しましょう。
コーポレートサイトの設計例
コーポレートサイトでは、会社情報やサービス内容を明確に伝える構造が求められます。 訪問者が必要な情報にスムーズにアクセスできるよう、直感的な分類を心がけましょう。 一般的には、サービス紹介、会社概要、採用情報などのカテゴリに分けられます。
コーポレートサイトの一般的なディレクトリ構造は以下のとおりです。
- /service/:サービス紹介ページ群
- /company/:会社概要、沿革、アクセスなど
- /recruit/:採用情報、募集要項など
- /news/:お知らせ、プレスリリースなど
- /contact/:お問い合わせフォーム
- /blog/:企業ブログ、コラムなど
各カテゴリの下には、必要に応じてサブカテゴリを設けます。 たとえば、/service/の下に/service/web-design/や/service/seo/といった個別サービスページを配置します。
コーポレートサイトでは、コンバージョンにつながるページへの導線設計も重要です。 お問い合わせページや資料請求ページへは、どの階層からでもアクセスしやすい構造にしておきましょう。
オウンドメディアの設計例
オウンドメディアでは、コンテンツのジャンルごとにカテゴリを設ける構造が一般的です。 記事数が増えても管理しやすく、ユーザーが興味のある記事を見つけやすい構造を目指します。 SEOを意識したキーワード戦略との連携も重要なポイントです。
| 階層 | URL例 | 役割 |
| 第1階層 | /blog/ | メディアトップ |
| 第2階層 | /blog/category/seo/ | SEOカテゴリ一覧 |
| 第3階層 | /blog/seo-basics/ | 個別記事ページ |
オウンドメディアでは、カテゴリページ自体もSEOの対象となります。 「SEO対策」や「Web制作」といったカテゴリページを、ミドルキーワードで上位表示させる戦略も有効です。 そのためには、カテゴリページにも適切なコンテンツを用意しておく必要があります。
記事のURLについては、カテゴリを含めるか含めないかの選択肢があります。 /blog/category/seo/article-title/とするか、/blog/article-title/とするかはサイトの方針次第です。 一度決めたら統一することが重要ですので、運用開始前に方針を固めておきましょう。
ディレクトリ構造を最適化する際の注意点
ディレクトリ構造の最適化には、いくつかの注意点があります。 適切な対策を講じないと、かえってSEOに悪影響をおよぼす可能性もあります。 ここでは、よくある失敗パターンと対策について解説します。
階層が深くなりすぎないための工夫
サイトの規模が大きくなると、どうしても階層が深くなりがちです。 しかし、階層が深すぎると管理が複雑になり、ユーザビリティも低下します。 以下の工夫を取り入れて、階層の肥大化を防ぎましょう。
- グローバルナビゲーションから主要ページへ直接リンクする
- 関連記事や人気記事へのリンクを設置する
- サイドバーにカテゴリ一覧を表示する
- フッターに主要ページへのリンクを配置する
- HTMLサイトマップを作成して公開する
これらの施策により、ディレクトリ階層が深くても、クリック階層を浅く保つことができます。 とくに重要なページには、複数の導線を設けておくことが効果的です。
また、新しいカテゴリを追加する際は、本当に必要かどうかを慎重に検討しましょう。 カテゴリが増えすぎると構造が複雑になり、ユーザーも検索エンジンも迷いやすくなります。 既存のカテゴリに収められないか、まずは検討してみてください。
サイト改修時のリスクと対策
ディレクトリ構造を変更する際は、SEOへの悪影響を最小限に抑える対策が必要です。 URLが変わると、それまでに獲得した評価や被リンクの効果が失われる可能性があります。 以下の対策を必ず実施してください。
| リスク | 対策 |
| 検索順位の低下 | 301リダイレクトを設定する |
| インデックスからの消失 | Search Consoleでサイトマップを再送信 |
| 被リンク効果の喪失 | リダイレクトで新URLに評価を引き継ぐ |
| ブックマークの無効化 | 旧URLから新URLへ転送する |
| 内部リンク切れ | サイト内のリンクを一括更新する |
301リダイレクトは必須の対策です。 旧URLにアクセスがあった場合に、自動的に新URLへ転送する設定を行います。 これにより、SEO評価の引き継ぎと、ユーザーへの影響軽減が実現できます。
サイト改修は大きなリスクを伴うため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。 株式会社エッコでは、サイトリニューアルにおけるSEO対策についても豊富な実績があります。
アクセス解析しやすい構造の作り方
ディレクトリ構造が整理されていると、アクセス解析の効率が大幅に向上します。 カテゴリごとにディレクトリが分かれていれば、各カテゴリのパフォーマンスを簡単に把握できるからです。 Google Analyticsなどのツールで、ディレクトリ単位のデータ抽出が容易になります。
アクセス解析を意識した構造設計のポイントを挙げます。
- 同じカテゴリのページは同じディレクトリにまとめる
- ディレクトリ名を見てカテゴリが推測できるようにする
- URLにパラメータを多用しない
- 分析したい単位でディレクトリを分ける
- 命名規則を統一する
たとえば、ブログ記事がすべて/blog/以下にまとまっていれば、ブログ全体のアクセス数を一括で確認できます。 逆に、記事がさまざまなディレクトリに散らばっていると、集計作業が煩雑になります。
アクセス解析がしやすい構造は、PDCAサイクルを回しやすい構造でもあります。 改善点の発見や施策の効果測定がスムーズに行えるため、サイト運営の効率化につながります。
まとめ
本記事では、SEOに強いディレクトリ階層の設計方法について詳しく解説してきました。 ディレクトリ構造は、検索エンジンとユーザーの両方にとって重要な要素です。 最後に、記事の要点を振り返っておきましょう。
- ディレクトリ構造とは、サイト内のページを階層的に整理する仕組みのこと
- ディレクトリ階層の深さ自体はSEOに直接影響しない
- SEOに影響するのはクリック階層(トップからのクリック数)
- 3クリック以内でアクセスできる構造が理想的
- テーマごとにコンテンツをまとめると専門性が伝わりやすい
- URL設計はシンプルでわかりやすいものを心がける
- パンくずリストと連携させることで効果が高まる
- サイト改修時は301リダイレクトが必須
ディレクトリ構造の設計は、サイト制作の初期段階で行うのがベストです。 後から大幅な変更を行うと、SEOへの悪影響やリソースの浪費につながる可能性があります。 将来的なサイトの成長も見据えて、計画的に設計することが重要です。
もし自社サイトのディレクトリ構造に不安がある場合は、専門家への相談をおすすめします。 名古屋を拠点にWebコンサルティングを提供する株式会社エッコでは、サイト構造の診断から改善提案まで、トータルでサポートしています。 検索エンジンからの評価向上とユーザビリティの改善を両立させたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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