「Google広告を出しているのに、なぜか成果につながらない」 「広告費ばかりかかって、思うようにコンバージョンが増えない」

このような悩みを抱えている方は、もしかするとマッチタイプの設定に原因があるかもしれません。

Google広告の運用において、マッチタイプは広告の成果を左右する非常に重要な要素です。 適切なマッチタイプを選ぶことで、見込み客に効率よくアプローチできるようになります。 一方で、設定を誤ると関係のないユーザーにまで広告が表示され、貴重な広告費を無駄にしてしまうことも。

2024年7月には「部分一致」が「インテントマッチ」へと名称変更されるなど、マッチタイプを取り巻く環境は常に進化しています。 AIや機械学習の発展により、運用方法そのものも大きく変わってきました。

本記事では、Google広告のマッチタイプについて基礎から最新トレンドまでを徹底解説します。 3種類のマッチタイプの特徴や使い分け方、設定時の注意点など、実践的な内容を網羅しました。

これからGoogle広告を始める初心者の方はもちろん、すでに運用中で成果を改善したい方にも役立つ情報をお届けします。 ぜひ最後までお読みいただき、費用対効果の高い広告運用を実現してください。

目次

マッチタイプとは


マッチタイプとは、Google広告においてキーワードと検索語句の一致度合いを決める設定のことです。 ユーザーがGoogleで何かを検索したとき、その検索語句に対して広告を表示するかどうかを制御する仕組みといえます。

たとえば「ランニングシューズ」というキーワードを登録した場合を考えてみましょう。 マッチタイプの設定によって、「ランニングシューズ おすすめ」や「ジョギング用の靴」といった関連する検索にも広告を出すのか、それとも「ランニングシューズ」と完全に一致した検索だけに絞るのかが変わってきます。

この設定ひとつで広告の表示範囲が大きく変わるため、リスティング広告の成果を決定づける重要な要素といっても過言ではありません。

  • マッチタイプは広告の表示範囲を決める設定
  • キーワードと検索語句の一致度合いを制御する
  • 設定次第で広告費の効率が大きく変わる
  • 現在は3種類のマッチタイプが存在する
  • 2024年7月に部分一致がインテントマッチへ名称変更

マッチタイプの役割と重要性

マッチタイプの主な役割は、広告を表示させるユーザーの範囲をコントロールすることです。 広すぎる範囲に配信すれば多くの人に届きますが、関心の薄いユーザーからのクリックも増えてしまいます。 狭すぎる範囲に絞れば無駄なクリックは減るものの、本来アプローチできたはずの見込み客を逃してしまう可能性があります。

マッチタイプが重要な理由は、広告費の使い方に直結するからです。 リスティング広告はクリック課金型のため、関連性の低いユーザーからクリックされると費用だけがかさんでいきます。 逆に、購入意欲の高いユーザーだけに絞って配信できれば、少ない費用で高いコンバージョン率を実現できるでしょう。

Googleの公式発表によると、検索語句が3語以上で構成されている割合は54%にのぼります。 また、過去6ヶ月に検索されたことのない新規の検索語句は全体の20%を占めています。 このデータからも、キーワードと完全に一致しない多様な検索に対応する必要性がわかるでしょう。

項目 数値 意味
3語以上の検索語句 54% 複合的な検索が主流
新規の検索語句 20% 予測できない検索が多い
キーワードと不一致の検索 70% 完全一致だけでは不十分

適切なマッチタイプを選ぶことは、限られた広告予算を最大限に活かすための第一歩です。 名古屋を拠点とするWebコンサルティング会社の株式会社エッコでも、マッチタイプの最適化によってクライアントの広告効果を改善してきた実績があります。

検索語句とキーワードの違い

マッチタイプを正しく理解するには、「検索語句」と「キーワード」の違いを押さえておく必要があります。 この2つは混同されやすいですが、まったく別のものを指しています。

検索語句(検索クエリ) とは、ユーザーが実際にGoogleの検索窓に入力した言葉のことです。 「名古屋 ランチ おすすめ」や「iPhone 修理 即日」など、ユーザーが知りたい情報を求めて打ち込む文字列を指します。

キーワード とは、広告主がGoogle広告の管理画面に登録する言葉のことです。 「どのような検索に対して広告を表示させたいか」を設定するために使います。

つまり、検索語句はユーザー側の言葉であり、キーワードは広告主側の設定です。 マッチタイプは、この両者をどの程度の幅でマッチングさせるかを決める役割を担っています。

  • 検索語句:ユーザーが検索窓に入力する実際の言葉
  • キーワード:広告主が管理画面に登録する言葉
  • 検索語句は無限のパターンが存在する
  • キーワードはマッチタイプで拡張できる
  • 両者を結びつけるのがマッチタイプの役割

たとえば「英会話教室」というキーワードを登録したとします。 ユーザーが「英会話教室 名古屋 安い」と検索したとき、このキーワードで広告を出すかどうかはマッチタイプ次第です。 検索語句とキーワードの関係性を正しく理解することが、効果的な広告運用の基盤となります。

マッチタイプの歴史と変遷

Google広告のマッチタイプは、時代とともに大きく変化してきました。 かつては4種類のマッチタイプが存在し、より細かな設定が可能でした。

以前は「完全一致」「フレーズ一致」「絞り込み部分一致」「部分一致」の4種類が用意されていました。 広告主は目的に応じてこれらを使い分け、手動で細かくコントロールする運用が主流だったのです。

しかし2021年7月に大きな変更がありました。 絞り込み部分一致が廃止され、その機能はフレーズ一致に統合されたのです。 これにより、マッチタイプは現在の3種類に集約されました。

さらに2024年7月には、「部分一致」が「インテントマッチ」へと名称変更されています。 単なる名前の変更ではなく、ユーザーの検索意図(インテント)をより重視する仕組みへと進化したことを示しています。

時期 変更内容 影響
2021年2月 フレーズ一致の仕様変更発表 語順の制約が緩和
2021年7月 絞り込み部分一致の廃止 4種類から3種類に
2024年7月 部分一致がインテントマッチに名称変更 検索意図重視の方針を明確化

これらの変遷の背景には、GoogleのAI技術の進化があります。 機械学習がユーザーの検索意図を高精度で理解できるようになり、手動での細かい設定よりもAIに任せる運用が効果的になってきたのです。

3種類のマッチタイプの特徴

現在のGoogle広告で使用できるマッチタイプは、インテントマッチ、フレーズ一致、完全一致の3種類です。 それぞれ広告の表示範囲が異なり、特徴や適した使い方も変わってきます。

最も広い範囲に配信できるのがインテントマッチで、Googleが推奨するマッチタイプでもあります。 フレーズ一致は中間的な立ち位置で、キーワードの意味に近い検索に広告を表示します。 完全一致は最も範囲が狭く、キーワードと同じ意図の検索にのみ広告を出す設定です。

マッチタイプ 表示範囲 記号 特徴
インテントマッチ 最も広い なし 関連する幅広い検索に表示
フレーズ一致 中間 ” “ 同じ意味を含む検索に表示
完全一致 最も狭い [ ] 同じ意図の検索にのみ表示

それぞれのマッチタイプについて、詳しく見ていきましょう。

インテントマッチ(旧部分一致)

インテントマッチは、設定したキーワードに関連する幅広い検索に対して広告を表示するマッチタイプです。 2024年7月に「部分一致」から名称が変更され、ユーザーの検索意図をより重視する仕組みになりました。

キーワードそのものが含まれていない検索語句にも広告が表示される点が大きな特徴です。 たとえば「ランニングシューズ」というキーワードを登録した場合、「ジョギング用の靴」や「マラソン スニーカー」といった関連する検索にも反応します。

Googleはインテントマッチを推奨のマッチタイプとして位置づけています。 AIが検索意図を理解し、コンバージョンにつながりやすいユーザーを自動的に見つけてくれるからです。

  • 3種類のなかで最も広い配信範囲を持つ
  • キーワードを含まない関連検索にも表示される
  • Google公式が推奨するマッチタイプ
  • スマート自動入札との相性が非常に良い
  • 新しいキーワードを発見しやすい

配信範囲の特性

インテントマッチの配信範囲は、他のマッチタイプと比べて圧倒的に広いのが特徴です。 登録したキーワードの同義語、関連語、さらには検索意図が近いと判断された語句にまで広告が表示されます。

たとえば「東京 結婚式場」というキーワードを登録した場合を考えてみましょう。 「東京都 結婚式」「結婚式 ホテル」といった検索はもちろん、競合他社の名前を含む検索にも反応する可能性があります。

この広さはメリットにもデメリットにもなりえます。 想定外の有効なキーワードを発見できる一方で、意図しない検索にも広告が出てしまうリスクがあるのです。

設定キーワード マッチする検索例 マッチしない検索例
東京 結婚式場 東京都 結婚式 大阪 結婚式場
東京 結婚式場 結婚式 ホテル 葬儀場 東京
東京 結婚式場 ウェディング 都内 レストラン 予約

そのため、インテントマッチを使う際は定期的に検索語句レポートを確認し、除外キーワードを設定することが重要です。

AI・機械学習との相性

インテントマッチは、GoogleのAI・機械学習と最も相性の良いマッチタイプです。 幅広い検索語句に広告が表示されることで、AIが学習するためのデータを豊富に収集できるからです。

GoogleのAIは、どのような検索語句からコンバージョンが発生したかを分析します。 データが蓄積されるほど、コンバージョンしやすいユーザーを自動で見つける精度が向上していきます。

インテントマッチを使うと、以下のようなシグナルが活用されます。

  • ユーザーの最近の検索アクティビティ
  • ランディングページのコンテンツ内容
  • 広告グループ内の他のキーワード
  • ユーザーの所在地や使用デバイス
  • 過去のコンバージョンデータ

これらの情報を総合的に判断し、AIが最適なユーザーに広告を届けてくれます。 手動で細かく設定するよりも、AIの学習に任せる運用が主流になってきている背景には、このような仕組みがあるのです。

適したケース

インテントマッチが効果を発揮するのは、以下のようなケースです。

まず、コンバージョン数を増やしたい場合に適しています。 広い範囲に広告を出すことで、これまでリーチできなかった見込み客にもアプローチできるようになります。

次に、新しいキーワードを発掘したい場合にも有効です。 想定していなかった検索語句からコンバージョンが発生することで、新たな訴求軸を発見できる可能性があります。

また、十分な広告予算がある場合にも向いています。 配信範囲が広いぶん、ある程度のクリック数が発生することを見込んでおく必要があるからです。

適したケース 理由
コンバージョン数を増やしたい 広い範囲で見込み客を獲得できる
新しいキーワードを発掘したい 想定外の有効な検索語句を発見できる
十分な予算がある 多くのデータを収集して学習できる
スマート自動入札を使っている AIとの相乗効果が期待できる
BtoC向けの商材を扱っている 多様な検索パターンに対応できる

株式会社エッコでは、クライアントの状況に応じてインテントマッチの活用を提案しています。 適切な除外キーワードの設定と組み合わせることで、効率的な運用を実現できます。

フレーズ一致

フレーズ一致は、キーワードと同じ意味の内容を含む検索に対して広告を表示するマッチタイプです。 インテントマッチよりは狭く、完全一致よりは広い、中間的な配信範囲を持っています。

2021年7月に絞り込み部分一致の機能が統合され、以前よりも柔軟なマッチングが可能になりました。 文言に差があっても、同じ意味に解釈できる場合は一致と見なされるのが特徴です。

フレーズ一致は、ターゲットを絞りつつも関連する検索をカバーしたい場合に適しています。 インテントマッチほど広がりすぎず、完全一致ほど狭くならない、バランスの取れたマッチタイプといえるでしょう。

  • キーワードと同じ意味の検索に広告を表示
  • 絞り込み部分一致の機能が統合されている
  • 語順が異なっても意味が同じなら一致する
  • インテントマッチより配信範囲が狭い
  • 適度な関連性を維持しながらリーチを確保

配信範囲の特性

フレーズ一致の配信範囲は、キーワードの「意味」に基づいて決まります。 以前のフレーズ一致は語順が厳密に考慮されていましたが、現在はより柔軟になっています。

たとえば「東京 結婚式場」をフレーズ一致で登録した場合を見てみましょう。 「東京 式場 人気」や「表参道 結婚式場」といった、キーワードの意味を含む検索に広告が表示されます。

ただし、意味が異なる検索には表示されません。 「東京大学」と「東京の大学」のように、字面は似ていても意味が違えば別物として扱われます。

設定キーワード マッチする検索例 マッチしない検索例
“東京 結婚式場” 東京 式場 人気 結婚式場 求人
“東京 結婚式場” 表参道 結婚式場 大阪 ウェディング
“東京 結婚式場” ブライダル 東京 結婚式 司会 募集

このように、フレーズ一致は関連性を保ちながら適度な広がりを持つのが特徴です。

語順と意味の考慮

2021年のアップデートにより、フレーズ一致は語順よりも意味を重視するようになりました。 以前は「東京 結婚式場」と登録すると、この語順を含む検索にしか表示されませんでした。

現在は「結婚式場 東京」のように語順が入れ替わっていても、意味が同じであれば一致と判断されます。 これにより、より多くの関連検索をカバーできるようになっています。

重要なのは、あくまで「意味」が基準になっている点です。 語順が変わっても意味が変わらない検索には対応しつつ、意味が大きく異なる検索は除外されます。

  • 語順が異なっても意味が同じなら一致する
  • 「男性用 靴」と「靴 男性用」は同一視される
  • 意味が変わる語順変更には対応しない
  • 絞り込み部分一致の機能が引き継がれている
  • 従来より柔軟なマッチングが可能に

この仕様変更により、フレーズ一致は使いやすさが大幅に向上しました。

適したケース

フレーズ一致が適しているのは、以下のようなケースです。

まず、ターゲットを絞りつつリーチも確保したい場合に向いています。 完全一致では狭すぎるが、インテントマッチでは広すぎると感じるときの選択肢となります。

次に、コンバージョン単価を抑えたい場合にも有効です。 配信範囲を適度に絞ることで、関連性の低い検索からのクリックを減らせます。

また、BtoB向けの商材やニッチな業界でも効果を発揮します。 専門性の高いキーワードは、インテントマッチだと意図しない方向に拡張されやすいからです。

適したケース 理由
ターゲットを絞りつつリーチも確保 バランスの取れた配信範囲
コンバージョン単価を抑えたい 関連性の低い検索を除外できる
BtoB向け商材 専門用語の意味が正しく解釈される
予算が限られている 無駄なクリックを抑制できる
特定のニーズに応えたい 意味の近い検索に絞れる

完全一致

完全一致は、キーワードとまったく同じ意味または意図の検索にのみ広告を表示するマッチタイプです。 3種類のなかで最も配信範囲が狭く、ピンポイントでターゲットにアプローチできます。

「完全一致」という名前ですが、文字列が完全に同じである必要はありません。 現在の仕様では、検索意図が同じと判断されれば一致と見なされます。

たとえば「ランニングシューズ」と登録すると、「ランニング シューズ」(スペース違い)や「ランニング用シューズ」(言い回し違い)にも反応します。 ただし、「ランニングシューズ おすすめ」のような追加情報を含む検索には表示されません。

  • 3種類のなかで最も狭い配信範囲
  • キーワードと同じ意図の検索にのみ表示
  • 文字列の完全一致ではなく意図の一致
  • 無駄なクリックを最小限に抑えられる
  • コンバージョン率が高くなりやすい

配信範囲の特性

完全一致の配信範囲は、他のマッチタイプと比べて非常に限定的です。 狙ったユーザーにピンポイントで広告を届けられるのが最大の強みといえます。

配信されるのは、キーワードと「同じ意味」または「同じ意図」を持つ検索のみです。 表記ゆれや語順の違いには対応しますが、追加の情報を含む検索には反応しません。

設定キーワード マッチする検索例 マッチしない検索例
[ランニングシューズ] ランニングシューズ ランニングシューズ 安い
[ランニングシューズ] ランニング シューズ レディース ランニングシューズ
[ランニングシューズ] ランニング用シューズ ジョギング 靴

この特性から、完全一致は成果が確実に見込めるキーワードに使うのが効果的です。 過去のデータでコンバージョンが多く発生しているキーワードを完全一致で登録すれば、効率よく成果を積み上げられます。

意図と意味の一致

以前の完全一致は、文字列が完全に一致する検索にしか表示されませんでした。 しかし現在は、検索意図の一致を基準に判断されるようになっています。

これは「キーワードの類似パターン」と呼ばれる仕組みによるものです。 以下のような違いは同一視され、広告が表示されます。

  • 表記ゆれ:「振込」と「振り込み」
  • 略語:「スマートフォン」と「スマホ」
  • 語順の違い:「男性用 靴」と「靴 男性用」
  • 漢字・ひらがな・カタカナ:「猫」「ねこ」「ネコ」
  • 誤字脱字:軽微なスペルミス

ただし注意が必要なのは、検索意図が複数考えられるキーワードです。 たとえば「アップル」というキーワードは、企業名か果物かで意図が分かれます。 このようなケースでは、意図しない検索にも配信される可能性があることを理解しておきましょう。

適したケース

完全一致が効果を発揮するのは、以下のようなケースです。

まず、コンバージョンが確実に見込めるキーワードに使うと効果的です。 過去データで成果が出ているキーワードを完全一致で設定し、確実に獲得していく戦略が有効です。

次に、広告予算が限られている場合にも向いています。 無駄なクリックを徹底的に排除することで、少ない予算でも成果を出しやすくなります。

また、指名検索(ブランド名検索)のキーワードにも適しています。 自社名や商品名で検索するユーザーは購入意欲が高いため、完全一致で確実に広告を出すべきです。

適したケース 理由
コンバージョン実績のあるキーワード 確実に成果を積み上げられる
広告予算が限られている 無駄なクリックを最小化できる
指名検索キーワード 購入意欲の高いユーザーを逃さない
ニッチな専門用語 意図の解釈ブレが少ない
テスト段階の運用 リスクを抑えて効果を検証できる

マッチタイプの設定方法


マッチタイプの設定は、Google広告の管理画面から行います。 キーワードを登録する際に、
特定の記号を使うことでマッチタイプを指定できる仕組みです。

設定自体は難しくありませんが、記号の使い方を間違えると意図しないマッチタイプで登録されてしまいます。 特に初心者の方は、記号のルールをしっかり覚えておくことが大切です。

マッチタイプ 記号 入力例
インテントマッチ なし ランニングシューズ
フレーズ一致 ” “ “ランニングシューズ”
完全一致 [ ] [ランニングシューズ]

正しい設定方法を理解して、狙い通りの広告配信を実現しましょう。

Google広告での設定手順

Google広告でマッチタイプを設定する方法は、大きく分けて2つあります。 ひとつは記号を使ってキーワードを入力する方法、もうひとつは管理画面のプルダウンから選択する方法です。

どちらの方法でも結果は同じですが、複数のキーワードを一度に登録する場合は記号を使う方法が効率的です。 逆に、1つずつ丁寧に設定したい場合は管理画面からの操作が確実でしょう。

設定を始める前に、キャンペーンと広告グループを作成しておく必要があります。 キーワードは広告グループ単位で管理されるため、事前に構造を整理しておくとスムーズです。

  • Google広告アカウントにログインする
  • 対象のキャンペーンと広告グループを選択する
  • 左側メニューから「キーワード」をクリックする
  • 「+」ボタンから新しいキーワードを追加する
  • 記号またはプルダウンでマッチタイプを指定する
  • 「保存」をクリックして設定を完了する

記号を使った設定方法

記号を使う方法は、キーワードの入力時に特定の記号で囲むだけのシンプルな操作です。 複数のキーワードをまとめて登録する際に便利な方法といえます。

インテントマッチの場合は、記号を付けずにそのままキーワードを入力します。 フレーズ一致では、キーワードをダブルクォーテーション(” “)で囲みます。 完全一致では、キーワードを角かっこ([ ])で囲みます。

マッチタイプ 入力方法 入力例
インテントマッチ 記号なし 英会話教室
フレーズ一致 ” “で囲む “英会話教室”
完全一致 [ ]で囲む [英会話教室]

入力時の注意点として、記号は必ず半角で入力してください。 全角の記号を使うと、マッチタイプとして認識されずにインテントマッチで登録されてしまいます。

管理画面からの登録

管理画面のプルダウンから設定する方法は、視覚的にわかりやすいのが特徴です。 記号を覚えていなくても、選択肢から選ぶだけで設定できます。

手順としては、まずキーワードを入力してから、横に表示されるマッチタイプの欄をクリックします。 プルダウンメニューが表示されるので、希望するマッチタイプを選択します。

この方法のメリットは、設定ミスが起きにくいことです。 記号の入力ミスでインテントマッチになってしまうといったトラブルを防げます。

  • キーワード入力欄の横にあるマッチタイプ欄をクリック
  • プルダウンから希望のマッチタイプを選択
  • 「完全一致」「フレーズ一致」「インテントマッチ」から選ぶ
  • 選択後、「保存」をクリックして完了
  • 既存キーワードのマッチタイプ変更も同様に可能

初めてGoogle広告を運用する方には、まずこの方法で慣れることをおすすめします。

記号の種類と使い方

マッチタイプを指定する記号は3種類あり、それぞれ対応するマッチタイプが決まっています。 記号の使い方を正確に覚えることが、意図通りの広告配信を実現する第一歩です。

記号を間違えると、想定と異なる範囲に広告が配信されてしまいます。 たとえば完全一致のつもりで入力したキーワードがインテントマッチになっていたら、予想外のクリックで広告費が消費されてしまうかもしれません。

記号 マッチタイプ 配信範囲
なし インテントマッチ 最も広い
” “ フレーズ一致 中間
[ ] 完全一致 最も狭い

各記号の詳しい使い方を確認していきましょう。

インテントマッチ(記号なし)

インテントマッチを設定する場合は、記号を付けずにキーワードをそのまま入力します。 最もシンプルな入力方法で、初期設定としても使われているマッチタイプです。

たとえば「ランニングシューズ」というキーワードを登録したい場合、以下のように入力します。

ランニングシューズ

これだけで、インテントマッチとして登録されます。 記号を付け忘れた場合もインテントマッチになるため、意図せずインテントマッチになっていないか確認することが大切です。

  • 記号を付けずにキーワードをそのまま入力
  • Google広告のデフォルト設定
  • 最も広い範囲に広告が配信される
  • 関連する検索にも広く表示される
  • 記号の付け忘れに注意が必要

フレーズ一致(” “)

フレーズ一致を設定する場合は、キーワードをダブルクォーテーションで囲みます。 半角の「”」を使い、キーワードの前後に付けてください。

たとえば「英会話教室」というキーワードをフレーズ一致で登録したい場合、以下のように入力します。

“英会話教室”

ダブルクォーテーションは、Shiftキーを押しながら「2」のキーを押すと入力できます。 キーワードの前後を必ず囲むことを忘れないようにしましょう。

  • ダブルクォーテーション(” “)でキーワードを囲む
  • 半角記号を使用する
  • Shift + 2 で入力可能
  • キーワードの前後を囲むのを忘れずに
  • 同じ意味を含む検索に広告が表示される

完全一致([ ])

完全一致を設定する場合は、キーワードを角かっこで囲みます。 半角の「[」と「]」を使い、キーワードの前後に付けてください。

たとえば「名古屋 美容室」というキーワードを完全一致で登録したい場合、以下のように入力します。

[名古屋 美容室]

角かっこは、Enterキーの左側にあるキーで入力できます。 最も狭い配信範囲になるため、確実にターゲットに届けたいキーワードに使いましょう。

  • 角かっこ([ ])でキーワードを囲む
  • 半角記号を使用する
  • Enterキー左側のキーで入力可能
  • キーワードと同じ意図の検索にのみ表示
  • 無駄なクリックを抑えたい場合に有効

設定時の注意事項

マッチタイプを設定する際には、いくつかの注意点があります。 これらを見落とすと、意図しない設定になってしまう可能性があるので気をつけてください。

特に多いミスが、記号を全角で入力してしまうケースです。 全角の記号はマッチタイプの指定として認識されないため、すべてインテントマッチとして登録されてしまいます。

また、Google広告のデフォルト設定がインテントマッチになっていることも覚えておきましょう。 記号を付け忘れると自動的にインテントマッチになるため、設定後は必ず確認することをおすすめします。

注意事項 起こりうる問題 対策
全角記号の使用 マッチタイプが認識されない 半角記号を使う
記号の付け忘れ インテントマッチになる 設定後に確認する
片方の記号だけ入力 正しく認識されない 前後に記号を付ける
デフォルト設定の確認漏れ 意図しない配信 登録後に一覧で確認

半角記号の使用

マッチタイプを指定する記号は、必ず半角で入力してください。 全角の記号を使うと、Google広告はそれをマッチタイプの指定として認識しません。

たとえば、全角で「”英会話教室”」と入力した場合を考えてみましょう。 この場合、ダブルクォーテーションがキーワードの一部と見なされ、インテントマッチとして登録されてしまいます。

日本語入力モードのままでは全角記号になりやすいので注意が必要です。 記号を入力する前に、半角英数モードに切り替えることをおすすめします。

  • マッチタイプの記号は必ず半角で入力
  • 全角記号は認識されない
  • 日本語入力モードだと全角になりやすい
  • 記号入力時は半角英数モードに切り替える
  • 設定後に管理画面で正しく登録されているか確認

株式会社エッコでは、クライアントの広告アカウントを監査する際、このような設定ミスがないかもチェックしています。

デフォルト設定の確認

Google広告では、マッチタイプを指定しない場合、デフォルトでインテントマッチが適用されます。 これは便利な反面、意図せずインテントマッチになってしまうリスクもはらんでいます。

キーワードを登録した後は、必ず一覧画面でマッチタイプを確認しましょう。 管理画面の「キーワード」セクションで、各キーワードのマッチタイプが表示されています。

もし意図と異なるマッチタイプになっていた場合は、速やかに修正してください。 ただし、マッチタイプを変更すると過去の掲載データがリセットされる点には注意が必要です。

  • デフォルト設定はインテントマッチ
  • 記号なしで登録するとインテントマッチになる
  • 登録後は管理画面で確認する
  • 意図と異なる場合は早めに修正
  • 変更時はデータリセットに注意

マッチタイプの効果的な使い分け


マッチタイプの使い分けは、広告運用の成果を大きく左右します。 どのマッチタイプを選ぶかによって、
リーチの広さと効率のバランスが変わってくるからです。

かつては複数のマッチタイプを細かく使い分けるのが主流でしたが、現在はAIの進化によって運用方法が変わってきました。 2025年現在の推奨は、インテントマッチを中心にした運用です。

ただし、すべてのケースでインテントマッチが最適というわけではありません。 商材の特性や予算、運用フェーズによって、適切なマッチタイプは異なります。

運用フェーズ 推奨マッチタイプ 理由
初期段階 フレーズ一致・完全一致 リスクを抑えて効果検証
データ蓄積後 インテントマッチ AIの学習を活かす
成熟期 組み合わせ運用 成果とリーチを両立

状況に応じた効果的な使い分け方を解説します。

運用初期段階の設定

広告運用を始めたばかりの初期段階では、フレーズ一致と完全一致を中心に設定することをおすすめします。 インテントマッチは配信範囲が広いぶん、コントロールが難しいからです。

初期段階でいきなりインテントマッチを使うと、関連性の低い検索にも広告が表示されてしまう可能性があります。 まだ除外キーワードの設定も十分でないため、無駄なクリックで広告費が消費されるリスクが高いのです。

まずはフレーズ一致や完全一致で、成果の出るキーワードを見極めましょう。 検索語句レポートを確認しながら、徐々に運用のノウハウを蓄積していくことが大切です。

  • 初期段階はフレーズ一致・完全一致から始める
  • インテントマッチはリスクが高い
  • 除外キーワードの知見が不足している
  • まずは成果の出るキーワードを特定する
  • 検索語句レポートで傾向を把握する

予算が限られている場合は、完全一致に絞って運用を開始するのも有効な戦略です。 確実にコンバージョンが見込めるキーワードから始めることで、リスクを最小限に抑えられます。

データ蓄積後の最適化

ある程度のデータが蓄積されたら、インテントマッチの活用を検討しましょう。 コンバージョンデータが十分に集まれば、AIが効果的な検索語句を学習してくれるからです。

目安として、月に30件以上のコンバージョンがあれば、インテントマッチの導入を考えてもよいでしょう。 AIの学習にはある程度のデータ量が必要なため、少なすぎると効果が発揮されません

インテントマッチを導入する際は、スマート自動入札と組み合わせることが重要です。 手動入札ではインテントマッチの広い配信範囲をコントロールしきれない可能性があります。

データ蓄積状況 推奨対応
コンバージョン月10件未満 フレーズ一致・完全一致を継続
コンバージョン月10〜30件 一部インテントマッチを試験導入
コンバージョン月30件以上 インテントマッチ中心に移行
コンバージョン月100件以上 完全にインテントマッチ運用

株式会社エッコでは、クライアントのデータ蓄積状況に応じて、最適なマッチタイプ戦略を提案しています。

業種・商材別の推奨設定

マッチタイプの最適な設定は、業種や商材によっても異なります。 BtoBとBtoC、専門性の高いサービスでは、それぞれ異なるアプローチが効果的です。

商材の特性に合わせたマッチタイプ選択が、広告効果を最大化するポイントとなります。 ここでは、代表的なケースごとの推奨設定を紹介します。

業種・商材タイプ 推奨マッチタイプ 理由
BtoBビジネス フレーズ一致・完全一致 専門用語の拡張を抑える
BtoCビジネス インテントマッチ 多様な検索に対応する
専門性の高いサービス 完全一致中心 意図のブレを防ぐ

BtoBビジネスの場合

BtoB向けの商材やサービスでは、フレーズ一致や完全一致を中心に運用するのがおすすめです。 BtoBのキーワードは専門用語が多く、インテントマッチだと意図しない方向に拡張されやすいからです。

たとえば「業務用エアコン」というキーワードを考えてみましょう。 インテントマッチで登録すると、家庭用エアコンを探している一般消費者にも広告が表示される可能性があります。

BtoBでは、購買に関わる担当者が限られているため、広くリーチするよりも正確にターゲットに届けることが重要です。 無駄なクリックを減らし、質の高いリードを獲得する戦略が効果的でしょう。

  • BtoBはフレーズ一致・完全一致が基本
  • 専門用語の意図しない拡張を防ぐ
  • 購買担当者に正確にリーチする
  • 無駄なクリックを最小限に抑える
  • リード品質を重視した運用が有効

BtoCビジネスの場合

BtoC向けの商材やサービスでは、インテントマッチの活用が効果的です。 一般消費者は多様な言葉で検索するため、広い範囲をカバーする必要があるからです。

BtoCでは、同じ商品を探していても、人によって使う言葉が異なります。 「スニーカー」「運動靴」「ランニングシューズ」など、さまざまな表現があるのです。

インテントマッチを使えば、これらの多様な検索パターンを1つのキーワードでカバーできます。 AIが検索意図を理解し、見込み客を自動的に見つけてくれるのがメリットです。

  • BtoCはインテントマッチが効果的
  • 消費者は多様な言葉で検索する
  • 幅広い検索パターンをカバーできる
  • AIが見込み客を自動で見つける
  • コンバージョン数の拡大が見込める

専門性の高いサービスの場合

医療、法律、金融など専門性の高いサービスでは、完全一致を中心にした運用が推奨されます。 これらの分野では、キーワードの微妙な違いで意味が大きく変わることがあるからです。

たとえば「相続税 対策」と「相続税 申告」では、ユーザーのニーズがまったく異なります。 インテントマッチだと、このような違いを区別せずに広告が表示されてしまう可能性があります。

専門性の高い分野では、キーワードの意図を厳密にコントロールすることが重要です。 完全一致を使い、確実にターゲットとなるユーザーにだけ広告を届けましょう。

  • 専門性の高い分野は完全一致が基本
  • キーワードの微妙な違いが重要になる
  • 意図のブレを防ぐことが大切
  • ニーズの異なるユーザーを区別できる
  • フレーズ一致も状況に応じて活用

スマート自動入札との組み合わせ


マッチタイプの効果を最大限に引き出すには、
スマート自動入札との組み合わせが欠かせません。 Googleは公式に、スマート自動入札とインテントマッチの併用を推奨しています。

スマート自動入札とは、AIが自動的に入札単価を調整してくれる機能のことです。 コンバージョンにつながりやすい検索には高く入札し、そうでない検索には低く抑えることで、効率的な運用を実現します。

自動入札戦略 目的 マッチタイプとの相性
コンバージョン数の最大化 CV数を増やす インテントマッチと好相性
目標コンバージョン単価 CPAを維持しながらCV獲得 インテントマッチと好相性
目標広告費用対効果 ROASを維持しながら売上拡大 インテントマッチと好相性

この組み合わせによって、広告運用の成果は大きく変わります。

インテントマッチとの相性

スマート自動入札と最も相性が良いのはインテントマッチです。 Googleの公式ヘルプでも、この組み合わせが推奨されています。

インテントマッチは幅広い検索に広告を表示するため、AIが学習するためのデータを多く収集できます。 どのような検索語句からコンバージョンが発生するかを分析し、効果的な入札を自動で行ってくれるのです。

従来の手動運用では、インテントマッチの広い配信範囲をコントロールするのが難しいという課題がありました。 しかしスマート自動入札と組み合わせることで、その課題が解決されています。

  • インテントマッチはスマート自動入札と最も相性が良い
  • 幅広い検索からデータを収集できる
  • AIが効果的な入札を自動で行う
  • 手動では難しい最適化が可能になる
  • Googleが公式に推奨している組み合わせ

実際の運用でも、インテントマッチ×スマート自動入札の組み合わせで成果が改善した事例は多く報告されています。

機械学習を活かす運用

スマート自動入札の効果を最大化するには、機械学習が十分に機能する環境を整えることが重要です。 AIは過去のデータを分析して最適化を行うため、学習に必要な条件を満たす必要があります。

まず、十分なコンバージョン数が必要です。 データが少なすぎると、AIは傾向を把握できません。 目安として、月に30件以上のコンバージョンがあることが望ましいでしょう。

次に、安定した運用期間も大切です。 頻繁に設定を変更すると、AIの学習が進みません。 一定期間はデータを蓄積することを優先しましょう。

機械学習を活かすポイント 詳細
十分なコンバージョン数 月30件以上が目安
安定した運用期間 2〜4週間は設定を変えない
正確なコンバージョン計測 タグの設定を正しく行う
十分な予算 学習に必要なデータを収集できる金額
適切なターゲティング 配信地域や時間帯の設定

データ蓄積の重要性

スマート自動入札の成功には、データの蓄積が欠かせません。 AIは過去のデータから学習するため、蓄積されたデータの量と質が成果を左右します。

運用を始めたばかりの段階では、AIに十分なデータがありません。 この段階でスマート自動入札を使っても、思うような成果が出ないことがあります。

最初の2〜4週間は「学習期間」と呼ばれ、AIがデータを収集・分析しています。 この期間中は成果が安定しないこともありますが、焦らずに見守ることが大切です。

  • データ蓄積がスマート自動入札の成功を左右する
  • AIは過去のデータから学習する
  • 運用初期はデータが不足している
  • 学習期間は2〜4週間が目安
  • 学習期間中は設定変更を控える

株式会社エッコでは、データ蓄積の状況を見ながら、最適なタイミングでスマート自動入札への移行を提案しています。 焦らず段階的に進めることで、着実に成果を向上させることができます。

マッチタイプの優先順位


同じアカウント内に複数のキーワードが登録されている場合、
どのキーワードで広告が表示されるかには優先順位があります。 この仕組みを理解しておくことで、より効果的なアカウント設計が可能になります。

たとえば「ランニングシューズ」を完全一致とフレーズ一致の両方で登録していた場合、どちらのキーワードが使われるのでしょうか。 Googleは独自のルールに基づいて、優先順位を決定しています。

優先順位 条件
1位 検索語句と同一の完全一致キーワード
2位 スペル修正された検索語句と同一の完全一致キーワード
3位 検索語句と同一のフレーズ一致またはインテントマッチ
4位 関連性と広告ランクの最適な組み合わせ

この優先順位の仕組みを詳しく解説します。

複数キーワードがマッチする場合

ユーザーの検索語句に対して、複数のキーワードがマッチする可能性がある場合があります。 このとき、Googleは特定のルールに基づいて、どのキーワードを使うかを決定します。

基本的な考え方は、「より具体的なキーワードが優先される」というものです。 検索語句と完全に一致するキーワードがあれば、それが最優先で使用されます。

たとえば、以下の2つのキーワードが登録されているとしましょう。 ・[女性用 帽子 安い](完全一致) ・”女性用 帽子”(フレーズ一致)

ユーザーが「女性用 帽子 安い」と検索した場合、検索語句と完全に一致する完全一致キーワードが優先されます。

  • 複数のキーワードがマッチする可能性がある
  • より具体的なキーワードが優先される
  • 検索語句と完全一致するキーワードが最優先
  • 同一の場合は広告ランクも考慮される
  • 優先順位を理解してアカウント設計を行う

完全一致の優先

優先順位のルールでは、完全一致キーワードが最も優先されます。 検索語句と同一(または類似パターン)の完全一致キーワードがあれば、他のマッチタイプより先に使われます。

この仕組みには、広告主にとって大きなメリットがあります。 コンバージョンが確実に見込めるキーワードを完全一致で登録しておけば、そのキーワードで確実に広告を出せるからです。

たとえば、自社の商品名を完全一致で登録しておくと効果的です。 商品名で検索するユーザーは購入意欲が高いため、確実に広告を表示させる価値があります。

登録キーワード マッチタイプ 優先度
[自社商品名] 完全一致 最優先
“自社商品名 評判” フレーズ一致 完全一致がなければ優先
自社商品名 インテントマッチ 上記がなければ使用

完全一致の優先ルールを活用して、重要なキーワードを確実にカバーしましょう。

スペルミス補正の仕組み

Googleは、ユーザーのスペルミスを自動的に補正して検索結果を表示します。 この仕組みは広告のマッチタイプにも適用されています。

たとえばユーザーが「ランニンングシューズ」(「ン」が重複)と誤入力した場合を考えてみましょう。 Googleはこれを「ランニングシューズ」への検索と解釈し、正しいスペルのキーワードにマッチさせます。

スペル修正された検索語句に対しては、以下の優先順位が適用されます。 まず、修正後の検索語句と同一の完全一致キーワードが優先されます。 次に、フレーズ一致やインテントマッチが候補になります。

  • Googleはスペルミスを自動補正する
  • 補正後のキーワードでマッチングが行われる
  • 完全一致でも類似パターンには対応する
  • 広告主は表記ゆれを網羅する必要がない
  • 軽微な誤字脱字は自動でカバーされる

この仕組みのおかげで、あらゆるスペルパターンを登録する必要がなくなり、効率的な運用が可能になっています。

マッチタイプ変更時の注意点


運用中のキーワードのマッチタイプを変更する際は、
いくつかの重要な注意点があります。 これらを知らずに変更すると、これまでの成果が失われてしまう可能性があるのです。

特に注意が必要なのは、掲載データのリセットと学習期間への影響です。 マッチタイプを変更すると、Googleは「既存のキーワードを削除して新しいキーワードを作成した」と認識するためです。

注意点 影響 対策
データリセット 過去の実績データが消える 変更ではなく追加を選択
学習期間 自動入札の最適化がリセット 変更後は学習期間を設ける
比較困難 変更前後の比較ができない 元キーワードを停止で残す

これらの注意点を詳しく解説します。

掲載データのリセット

マッチタイプを変更すると、過去の掲載データがリセットされます。 これは、Google広告がマッチタイプの変更を「キーワードの削除と新規作成」として扱うためです。

具体的には、以下のようなデータが失われます。

  • クリック数やインプレッション数の履歴
  • コンバージョン数やコンバージョン率の実績
  • 品質スコアの蓄積データ
  • 検索語句との紐付け履歴
  • 過去の入札単価の推移

これらのデータは、広告の最適化にとって非常に重要な資産です。 安易にマッチタイプを変更すると、これまでの運用で得た知見が無駄になってしまう可能性があります。

特に長期間運用しているキーワードほど、蓄積されたデータの価値は高くなります。 変更を検討する際は、失われるデータの影響を十分に考慮してください。

学習期間への影響

スマート自動入札を使用している場合、マッチタイプの変更は学習期間にも影響を与えます。 AIは過去のデータを基に入札の最適化を行っているため、データがリセットされると学習もやり直しになるのです。

学習期間中は、入札の精度が安定しません。 これまで効率よく運用できていたキーワードでも、一時的に成果が悪化する可能性があります。

影響を受ける項目 内容
入札の最適化 新しいデータで再学習が必要
コンバージョン予測 精度が一時的に低下する
広告の表示頻度 学習中は不安定になりやすい
CPA(顧客獲得単価) 一時的に悪化する可能性がある

学習期間は通常2〜4週間かかります。 この期間中は成果が不安定になることを理解し、焦って再度変更しないことが大切です。

変更ではなく追加の推奨

マッチタイプを変えたい場合は、既存キーワードを変更するのではなく、新しいキーワードを追加することをおすすめします。 この方法なら、過去のデータを保持したまま新しいマッチタイプを試すことができます。

具体的な手順は以下のとおりです。

  • 現在のキーワードはそのまま残す
  • 新しいマッチタイプのキーワードを追加登録する
  • 両方のキーワードを一定期間並行運用する
  • 成果を比較して、優れている方を残す
  • 不要になった方は削除ではなく一時停止にする

一時停止にしておくのがポイントです。 完全に削除すると過去データも消えてしまいますが、一時停止ならいつでも再開できる状態を維持できます。

株式会社エッコでは、クライアントの広告アカウントを運用する際、このような手法でリスクを最小限に抑えています。 データを大切にしながら、慎重に最適化を進めることが成功の秘訣です。

検索語句レポートの活用


マッチタイプの効果を最大化するには、
検索語句レポートの活用が欠かせません。 検索語句レポートとは、実際にどのような検索でユーザーが広告をクリックしたかを確認できる機能です。

特にインテントマッチやフレーズ一致を使っている場合、意図しない検索語句に広告が表示されることがあります。 検索語句レポートを定期的にチェックすることで、そのような問題を早期に発見し、対策を打てるのです。

確認すべき項目 目的
表示された検索語句 意図通りの配信か確認
クリック数 無駄なクリックがないか確認
コンバージョン数 成果につながっている語句を特定
コンバージョン率 効率の良い語句を見つける

検索語句レポートの具体的な活用方法を解説します。

実際の配信語句の確認方法

検索語句レポートは、Google広告の管理画面から確認できます。 手順は以下のとおりです。

  • Google広告の管理画面にログインする
  • 左メニューから「キャンペーン」を選択する
  • 「分析情報とレポート」タブをクリックする
  • 「検索語句」を選択する
  • 確認したい期間を指定する

この画面で、実際にどのような検索語句で広告が表示されたかを一覧で確認できます。 各検索語句のクリック数、表示回数、コンバージョン数なども表示されるため、詳細な分析が可能です。

  • 管理画面から検索語句レポートにアクセス
  • 実際に広告が表示された検索語句を確認できる
  • クリック数やコンバージョン数も表示される
  • 期間を指定して傾向を分析できる
  • 定期的なチェックが運用改善の鍵

週に1回程度は確認する習慣をつけると、問題の早期発見につながります。

拡張されたキーワードの分析

インテントマッチやフレーズ一致を使うと、登録したキーワードとは異なる検索語句にも広告が表示されます。 検索語句レポートでは、どのように拡張されているかを具体的に確認できます。

分析のポイントは、大きく2つあります。

ひとつは、意図通りに拡張されているかの確認です。 たとえば「ランニングシューズ」というキーワードに対して、「ジョギング 靴」のような関連語句に表示されていれば問題ありません。 しかし「サンダル 通販」のような関係のない語句に表示されていたら、対策が必要です。

もうひとつは、成果につながっている語句の発見です。 想定外の検索語句からコンバージョンが発生している場合、その語句を新たなキーワードとして登録することで、さらに成果を伸ばせる可能性があります。

分析の観点 確認内容 対応方法
意図通りの拡張か 関連性の確認 不適切なら除外キーワード設定
成果につながる語句 コンバージョン有無 新キーワードとして追加
無駄なクリック クリック数とCV率 除外キーワードで対策

改善施策への活用

検索語句レポートの分析結果は、具体的な改善施策につなげることが重要です。 単に確認するだけでは意味がなく、アクションを起こすことで初めて効果が現れます。

主な改善施策は以下のとおりです。

まず、除外キーワードの設定です。 関連性の低い検索語句や、クリックされてもコンバージョンにつながらない語句は、除外キーワードに登録しましょう。 これにより、無駄な広告費の消費を防げます。

次に、新しいキーワードの追加です。 予想外の検索語句から成果が出ている場合は、その語句をキーワードとして追加することで、さらなる成果拡大が見込めます。

  • 関連性の低い語句を除外キーワードに設定
  • 成果の出ている語句を新キーワードとして追加
  • コンバージョン率の高い語句に予算を集中
  • マッチタイプの見直しを検討
  • 広告文の改善にも活用できる

株式会社エッコでは、検索語句レポートの分析を通じて、クライアントの広告効果を継続的に改善しています。 地道な分析と改善の積み重ねが、大きな成果につながるのです。

マッチタイプ運用の最新トレンド


2025年現在、マッチタイプの運用方法は大きく変化しています。
AIと機械学習の進化により、かつての手動中心の運用から、AIを活用した効率的な運用へと移行が進んでいます。

従来は複数のマッチタイプを細かく使い分け、手動で入札を調整するのが主流でした。 しかし現在は、インテントマッチとスマート自動入札の組み合わせが推奨されるようになっています。

時代 主流の運用方法
2020年以前 複数マッチタイプを細かく使い分け
2021年頃 絞り込み部分一致の廃止で変化
2024年以降 インテントマッチ+自動入札が主流

最新のトレンドを詳しく解説します。

2025年の推奨設定

2025年現在、Googleが推奨するマッチタイプの設定はインテントマッチです。 公式ヘルプでも、インテントマッチがすべてのキーワードのデフォルトとして推奨されています。

この背景には、AIの精度向上があります。 以前はインテントマッチを使うと関連性の低い検索に広告が出てしまう懸念がありましたが、現在のAIはユーザーの検索意図をより正確に理解できるようになりました。

インテントマッチとスマート自動入札を組み合わせることで、AIが最適な検索語句を見つけ、適切な入札を自動で行ってくれます。 人間が手動で細かく設定するよりも、効率的に成果を出せるケースが増えているのです。

  • 2025年はインテントマッチが推奨
  • Googleの公式推奨設定
  • AIの精度向上が背景にある
  • スマート自動入札との組み合わせが基本
  • 手動運用より効率的なケースが多い

手動管理からAI活用への移行

リスティング広告の運用は、手動管理からAI活用へと大きくシフトしています。 この流れは今後さらに加速していくと予想されます。

従来の運用では、広告担当者がキーワードを細かく選定し、入札単価を手動で調整していました。 しかしこの方法では、対応できる範囲に限界があり、また人間の判断ミスも起こりやすいのが課題でした。

AIを活用する運用では、膨大なデータを分析して最適な判断を下すことが可能です。 人間では気づかない傾向を発見したり、24時間リアルタイムで入札を調整したりできます。

項目 手動運用 AI活用運用
キーワード選定 担当者が選ぶ AIが最適な語句を発見
入札調整 手動で変更 リアルタイムで自動調整
データ分析 限定的 膨大なデータを活用
対応速度 遅い 即時対応
人的コスト 高い 低い

株式会社エッコでも、クライアントの広告運用においてAIを積極的に活用しています。 人間の判断とAIの能力を組み合わせることで、より高い成果を実現しています。

複数マッチタイプ設定を避ける理由

かつては同じキーワードに対して、複数のマッチタイプを設定するのが一般的でした。 たとえば「ランニングシューズ」を完全一致、フレーズ一致、部分一致すべてで登録するといった方法です。

しかし現在は、この方法は推奨されていません。 複数のマッチタイプを設定すると、データが分散してしまうからです。

AIの機械学習は、データが集中しているほど精度が高まります。 同じキーワードを複数のマッチタイプで登録すると、各マッチタイプにデータが分散し、学習効率が落ちてしまうのです。

また、アカウント管理も複雑になります。 どのマッチタイプのキーワードが成果を出しているのか、分析が難しくなってしまいます。

  • 同じキーワードに複数マッチタイプは非推奨
  • データが分散して学習効率が落ちる
  • アカウント管理が複雑になる
  • 現在はマッチタイプを1つに絞るのが基本
  • インテントマッチ1つで十分なケースが多い

1つのキーワードには1つのマッチタイプ、というシンプルな設定が、現在のベストプラクティスです。

まとめ


Google広告のマッチタイプについて、基礎から最新トレンドまでを解説してきました。

マッチタイプは、広告の表示範囲をコントロールする重要な設定です。 インテントマッチ、フレーズ一致、完全一致の3種類があり、それぞれ配信範囲と特性が異なります。

2025年現在の推奨設定は、インテントマッチとスマート自動入札の組み合わせです。 AIの進化により、手動で細かく設定するよりも、AIに任せる運用が成果を出しやすくなっています。

  • マッチタイプは広告の表示範囲を決める設定
  • 現在は3種類のマッチタイプが存在
  • インテントマッチがGoogle推奨
  • スマート自動入札との組み合わせが効果的
  • 検索語句レポートで定期的に効果検証を行う
  • 複数マッチタイプの設定は避ける
  • データ蓄積がAI活用の鍵となる

ただし、すべてのケースでインテントマッチが最適というわけではありません。 BtoB向け商材や専門性の高いサービスでは、フレーズ一致や完全一致が効果的な場合もあります。 商材の特性やデータの蓄積状況に応じて、適切なマッチタイプを選ぶことが大切です。

マッチタイプの設定は一度決めたら終わりではありません。 検索語句レポートを活用して定期的に効果を検証し、改善を続けていくことが成功への道です。

Google広告の運用でお困りの方、マッチタイプの最適化を検討されている方は、ぜひ専門家に相談することをおすすめします。 名古屋のWebコンサルティング会社である株式会社エッコでは、豊富な運用実績をもとに、お客様のビジネスに最適な広告戦略をご提案しています。

マッチタイプの正しい理解と活用で、費用対効果の高い広告運用を実現してください。

 

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