Google広告地域設定の完全マニュアル | 名古屋でホームページ制作、Web制作なら株式会社エッコ

「広告費をかけているのに、なかなか成果につながらない」「遠方のユーザーにばかり広告が表示されてしまう」

Google広告を運用していると、このような悩みを抱えることは少なくありません。実は、これらの課題を解決するカギとなるのが地域設定です。

Google広告の地域設定を正しく活用すれば、自社のサービス提供エリアにいる見込み客だけに広告を届けられます。たとえば、名古屋市内で美容室を経営している場合、東京や大阪のユーザーに広告を見せても来店にはつながりにくいでしょう。地域を絞り込むことで、広告費のムダを削減しながらコンバージョン率を高めることが可能になります。

本記事では、Google広告の地域設定について、基本的な仕組みから具体的な設定方法、効果的な運用のコツまで徹底的に解説します。初めて地域設定に取り組む方はもちろん、すでに運用中で成果を改善したい方にも役立つ内容となっています。

この記事を読み終えるころには、自社のビジネスに最適な地域ターゲティングを実践できるようになるはずです。ぜひ最後までお読みいただき、広告運用の改善にお役立てください。

Google広告の地域設定とは

Google広告の地域設定は、広告を表示するエリアを指定できる機能です。この機能を使えば、特定の国や都道府県、市区町村、さらには特定の地点から半径何キロメートルといった範囲まで細かく設定できます。

地域設定を活用する最大の目的は、ビジネスに関連性の高いユーザーだけに広告を届けることにあります。全国展開しているECサイトであれば日本全体をターゲットにすることも可能ですし、地元密着型の店舗であれば商圏に合わせてエリアを絞り込むこともできます。

適切な地域設定をおこなうことで、広告の費用対効果は大きく向上します。なぜなら、サービスを利用する可能性の低いユーザーへの配信を避け、見込み客に予算を集中できるからです。

設定方法	特徴	適している場面
地名による指定	国・都道府県・市区町村を選択	行政区画に沿ったエリア設定
半径による指定	特定地点から○km圏内を設定	店舗周辺への配信
除外設定	特定エリアへの配信を停止	サービス提供外の地域を除く

地域設定は一度おこなえば終わりではなく、配信データを見ながら継続的に調整していくことが重要です。 PDCAサイクルを回しながら最適化を進めることで、広告のパフォーマンスを着実に高められます。

地域ターゲティングの基本

地域ターゲティングとは、広告を表示する地域を詳しく指定できる機能のことです。 Google広告では、この機能を使ってターゲットとなるエリアを自由にカスタマイズできます。

地域ターゲティングの基本的な考え方は、「チラシ配布」に似ています。たとえば、新宿にあるカフェがオープン記念のセールを告知したい場合、北海道や沖縄にチラシを配っても効果は期待できません。新宿周辺に住んでいる人や、新宿を訪れる可能性のある人に届けるのが合理的です。

Google広告の地域設定も同じ発想で、自社のサービスを必要としている可能性が高いエリアのユーザーに広告を届けるための仕組みといえます。

地域ターゲティングでは、以下のようなユーザーを対象にできます。

ターゲット地域に現在いるユーザー
ターゲット地域を定期的に訪れるユーザー
ターゲット地域に関心を示しているユーザー

これらの設定を組み合わせることで、ビジネスの特性に合わせた柔軟なターゲティングが実現します。たとえば、観光地のホテルであれば「関心を示しているユーザー」も含めることで、旅行を計画している遠方のユーザーにもアプローチできるでしょう。

地域ターゲティングは、リスティング広告だけでなくディスプレイ広告やYouTube広告にも適用できます。 Google広告の管理画面から一括で設定できるため、複数のキャンペーンを運用している場合でも効率的に管理できます。

位置情報の特定方法

Google広告がユーザーの位置情報を特定する方法は、複数の技術を組み合わせたものです。単一の情報源に頼るのではなく、さまざまなシグナルを総合的に判断して所在地を推定しています。

位置情報の精度は約6〜7割程度といわれており、100%正確ではありません。この点を理解しておくことは、地域設定を効果的に活用するうえで非常に重要です。

Googleがユーザーの位置を特定する際に使用する主な情報源は以下のとおりです。

情報源	特徴	精度
IPアドレス	インターネット接続時に割り当てられる識別番号	中程度
GPS	スマートフォンなどの衛星測位システム	高い
Wi-Fi	接続中のWi-Fiネットワークの位置情報	中〜高程度
Bluetooth	近くのBluetoothビーコンからの情報	高い
Googleアカウントの設定	ユーザーが登録している住所情報	高い

パソコンからのアクセスでは、主にIPアドレスをもとに位置が推定されます。一方、スマートフォンではGPSやWi-Fiの情報も活用されるため、より正確な位置特定が可能です。

ただし、VPNを使用しているユーザーや、位置情報の設定をオフにしているユーザーには、正確なターゲティングが難しくなります。このような制約があることを踏まえ、地域設定はある程度余裕を持って設定するのが現実的なアプローチです。

地域設定が効果的な業種

地域設定は、あらゆるビジネスに有効というわけではありません。特に効果を発揮しやすい業種とそうでない業種があるため、自社のビジネスモデルに照らし合わせて活用を検討することが大切です。

地域設定がとくに効果的なのは、実店舗を持つビジネスやサービス提供エリアが限定されている業種です。こうした業種では、商圏外のユーザーに広告を配信しても来店や利用につながりにくいため、地域を絞り込むメリットが大きくなります。

飲食店・カフェ・レストラン
美容室・エステサロン・ネイルサロン
歯科医院・クリニック・整骨院
不動産会社・賃貸仲介
学習塾・習い事教室
水道修理・鍵交換などの緊急サービス
引越し業者・ハウスクリーニング

一方、全国発送に対応しているECサイトや、オンラインで完結するサービスでは、地域を絞りすぎると機会損失につながる可能性があります。ただし、送料が地域によって異なる場合や、特定エリアでのプロモーションをおこなう場合には、ECサイトでも地域設定が役立ちます。

自社のビジネスにとって最適な地域設定がわからない場合は、まずは広めに配信を開始し、データを蓄積しながら調整していくのがおすすめです。名古屋を拠点とする株式会社エッコでは、こうした地域設定の最適化についてもご相談を承っております。

地域設定の方法

Google広告で地域を設定する方法は、大きく分けて2種類あります。ひとつは都道府県や市区町村といった「地名による設定」、もうひとつは特定の地点を中心とした「半径による設定」です。

どちらの方法を選ぶかは、ビジネスの特性やターゲットエリアの形状によって異なります。たとえば、電車での移動が主流の都市部では地名による設定が適しており、車での移動が中心の地方では半径による設定が効果的なケースが多いです。

設定方法	メリット	デメリット
地名による設定	行政区画に沿った正確な設定が可能	境界付近のユーザーを取りこぼす可能性
半径による設定	店舗中心に均等にカバーできる	行政区画を無視した配信になる

両方の設定方法を理解したうえで、自社の状況に合わせて使い分けることが重要です。場合によっては、地名と半径を組み合わせて設定することも可能です。

設定作業自体は難しくありませんが、どのエリアをターゲットにするかという戦略的な判断が成果を左右します。以下では、それぞれの設定方法について具体的な手順を解説していきます。

地名による設定手順

地名による設定は、Google広告の地域設定でもっとも基本的な方法です。国や都道府県、市区町村といった行政区画を選択して、広告の配信エリアを指定します。

設定をおこなう際は、まずGoogle広告の管理画面にログインします。左側のメニューから「キャンペーン」を選択し、地域を設定したいキャンペーンをクリックしてください。

次に、「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」タブから「地域」を選択します。画面に表示される青い鉛筆マークをクリックすると、編集モードに入れます。

「住所」を選択し、設定したい地域名を入力すると、候補が表示されます。該当する地域の「目標」をクリックすれば、配信対象として追加されます。

Google広告の管理画面にログイン
左メニューから「キャンペーン」→対象キャンペーンを選択
「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」→「地域」を選択
青い鉛筆マークをクリックして編集モードへ
「住所」を選択し、地域名を入力
候補から該当地域の「目標」をクリック
「保存」をクリックして設定完了

複数の地域を同時に追加することも可能なので、東京都と神奈川県と埼玉県をまとめて設定するといった使い方もできます。設定した地域は地図上で青くハイライト表示されるため、視覚的に確認しながら作業を進められます。

国・都道府県単位の指定

国や都道府県単位での指定は、広いエリアをカバーしたい場合に適した設定方法です。全国展開しているサービスや、特定の地方ブロックを対象にしたキャンペーンで活用されます。

国単位で設定する場合は、地域名の入力欄に「日本」と入力するだけで設定できます。海外向けのビジネスであれば、「アメリカ」「イギリス」「中国」など、対象となる国を追加することも可能です。

都道府県単位で設定する場合は、「東京都」「愛知県」「大阪府」といった形で入力します。すると候補として表示されるので、「目標」をクリックして追加してください。

設定単位	入力例	用途
国	日本、アメリカ、中国	全国または海外向け配信
地方	関東、近畿、東海	地方ブロック単位の配信
都道府県	東京都、愛知県、福岡県	県単位でのターゲティング

都道府県単位の設定で注意したいのが、県境をまたぐ商圏を持つビジネスの場合です。たとえば、愛知県の店舗でも、岐阜県や三重県から来店するお客様がいるケースは珍しくありません。そのような場合は、隣接する県も配信対象に含めておくことで、見込み客の取りこぼしを防げます。

設定後は、地図上で配信エリアを確認し、意図したとおりに設定できているかチェックしましょう。

市区町村単位の指定

市区町村単位の指定は、より細かいエリアをターゲットにしたい場合に使用します。地元密着型のビジネスや、特定の市区町村でプロモーションをおこなう際に効果的です。

設定方法は都道府県と同様で、地域名の入力欄に「新宿区」「名古屋市」「横浜市中区」といった形で入力します。候補が表示されたら、該当する地域を選択して追加してください。

市区町村単位の指定は、都市部での運用にとくに適しています。なぜなら、都市部では電車やバスでの移動が主流であり、行政区画に沿ったターゲティングが利用者の行動パターンと合致しやすいからです。

「名古屋市中区」「名古屋市中村区」など区単位での指定が可能
「豊田市」「岡崎市」など市単位での指定も可能
複数の市区町村を組み合わせて配信エリアを構築できる
一部の小規模な市町村は候補に表示されない場合がある

注意点として、すべての市区町村がGoogle広告のターゲティング候補に登録されているわけではありません。人口の少ない町村や、合併・名称変更があった地域では、候補に表示されないケースがあります。

その場合は、より広い範囲（郡や都道府県単位）で設定するか、後述する半径による設定を活用してカバーする方法を検討してください。

半径による設定手順

半径による設定は、特定の地点を中心として、そこから一定距離内のエリアをターゲットにする方法です。 店舗ビジネスで「お店から○km圏内のユーザーに届けたい」という場合に最適な設定方法といえます。

この方法のメリットは、市区町村の境界にとらわれずに配信エリアを設定できる点です。行政区画は必ずしも生活圏と一致しないため、半径による設定のほうが実態に即したターゲティングができるケースも多くあります。

設定手順は、地名による設定と同じ画面からおこなえます。「地域」の編集画面で「範囲」を選択すると、半径による設定モードに切り替わります。

項目	設定内容
中心地点	住所、施設名、郵便番号、ピンで指定
距離単位	キロメートル（km）またはマイル
半径	任意の数値を入力

たとえば、「名古屋駅から半径10km」「自社店舗の住所から半径5km」といった設定が可能です。設定した範囲は地図上に円で表示されるため、視覚的に確認しながら調整できます。

地方で車移動が中心のエリアでは、半径指定のほうがユーザーの行動範囲と合致しやすい傾向があります。一方、都市部では電車の路線に沿った移動が多いため、半径指定だと交通アクセスの悪いエリアまで含んでしまう可能性があります。

自社の商圏や顧客の移動手段を考慮して、地名指定と半径指定のどちらが適しているか判断しましょう。

中心地点の選び方

半径による設定で重要なのが、中心地点をどこに設定するかという判断です。この選択によって、広告が届くユーザー層が大きく変わってきます。

Google広告では、中心地点を以下の4つの方法で指定できます。

住所（番地まで入力可能）
郵便番号
施設名・ランドマーク名
地図上でピンを立てる

もっとも一般的なのは、自社の店舗や事務所の住所を中心地点に設定する方法です。これにより、実際の商圏に近いエリアをカバーできます。

ただし、すべてのケースで自社住所が最適とは限りません。たとえば、駅前に店舗がある場合は、店舗住所よりも最寄り駅を中心にしたほうが、電車で来店するユーザーに効果的に届く可能性があります。

中心地点の選び方	適している場面
店舗住所	車での来店が多い場合
最寄り駅	電車での来店が多い場合
主要交差点・ランドマーク	複数店舗の中間地点をカバーしたい場合
ピンで任意指定	上記に該当しない特殊なケース

複数の店舗を展開している場合は、各店舗ごとに半径設定をおこなうこともできます。その場合、重複するエリアがあっても問題なく、両方の円の範囲内にいるユーザーに広告が配信されます。

距離の設定方法

中心地点を決めたら、次は半径の距離を設定します。この距離設定が、広告のリーチ範囲と費用対効果に直結する重要なポイントです。

設定画面で「範囲」を選択すると、距離を入力する欄が表示されます。 デフォルトでは「マイル」になっていることが多いため、「km」に切り替えることを忘れないでください。

距離の数値は、1km〜500kmの範囲で自由に設定できます。入力した数値に応じて、地図上に円が表示されるので確認しながら調整しましょう。

適切な距離の目安は、ビジネスの種類や立地によって異なります。

都市部の飲食店・カフェ：1〜3km程度
郊外の飲食店：5〜10km程度
美容室・サロン：3〜5km程度
歯科医院・クリニック：3〜10km程度
車ディーラー・大型店舗：10〜30km程度

最初から狭い範囲に絞りすぎないことが重要です。位置情報の精度が約6〜7割であることを考慮すると、想定より広めに設定しておくほうが機会損失を防げます。

運用を開始した後、地域別レポートを確認しながら「この距離からのコンバージョンは少ない」といったデータが見えてきたら、徐々に範囲を調整していくのが効果的なアプローチです。

地域設定でできること

Google広告の地域設定は、単に配信エリアを指定するだけの機能ではありません。除外設定や入札調整など、さまざまな活用方法があり、組み合わせることで高度なターゲティングが実現します。

地域設定で可能な主な機能は以下の4つです。

機能	概要
配信地域の指定	広告を表示するエリアを設定
除外地域の設定	広告を表示しないエリアを設定
地域別入札調整	エリアごとに入札単価を増減
特定地域検索への対応	その地域について検索しているユーザーに配信

これらの機能を理解し、自社のビジネスに合わせて適切に組み合わせることが、広告効果を最大化するカギとなります。

たとえば、関東全域に配信しながら、サービス提供外の離島は除外し、メインターゲットの東京23区には入札を強化するといった設定が可能です。こうした細やかな調整ができることが、Google広告の地域ターゲティングの強みといえます。

以下では、それぞれの機能について詳しく解説していきます。

配信地域の指定

配信地域の指定は、地域設定のもっとも基本的な機能です。設定した地域にいる、または関心を持つユーザーに対して広告を表示できます。

指定方法は前述のとおり、地名による指定と半径による指定の2種類があります。どちらの方法でも、複数の地域を組み合わせて配信エリアを構築することが可能です。

配信地域を適切に設定することで得られるメリットは大きく、ターゲット外のユーザーへの無駄な配信を防ぎ、広告予算を効率的に活用できます。

国・地域・都道府県・市区町村単位で指定可能
複数の地域を同時に設定できる
半径指定と地名指定を組み合わせることも可能
設定した地域は地図上で視覚的に確認できる

配信地域と除外地域の両方に同じ地域を設定した場合、除外が優先されます。たとえば、東京都全体を配信対象にしつつ、渋谷区を除外した場合、渋谷区には広告が配信されません。

この仕組みを活用すれば、「関東全域から特定の市区町村だけを除く」といった柔軟な設定も実現できます。ビジネスの商圏に合わせて、過不足のない配信エリアを構築しましょう。

除外地域の設定

除外地域の設定は、特定のエリアへの広告配信を停止する機能です。サービス提供エリア外や、コンバージョンが見込めない地域への配信を防ぐことで、広告費のムダを削減できます。

設定方法は、地域設定の編集画面で「除外」タブを選択し、除外したい地域名を入力するだけです。除外された地域は地図上で赤く表示されるため、設定内容を視覚的に確認できます。

除外設定は地名による指定のみ可能で、半径による除外はできません。たとえば「東京駅から半径5km圏内を除外」といった設定はできないため、注意が必要です。

除外地域の例	理由
サービス提供外の地域	利用できないユーザーへの配信を防ぐ
離島や遠方地域	送料や移動コストの問題
競合が強すぎるエリア	費用対効果が悪い場合
過去にCVRが低かった地域	データに基づく最適化

除外設定を活用することで、広告予算を見込み客の多いエリアに集中投下できます。とくに予算が限られている場合は、除外設定を積極的に活用して配信効率を高めることが重要です。

運用開始後も、地域別レポートを定期的にチェックし、成果の出ていない地域があれば除外を検討しましょう。

地域別入札調整

地域別入札調整は、エリアごとに入札単価を増減させる機能です。この機能を使えば、成果の出やすい地域には多く予算を配分し、成果の出にくい地域は配信を抑えるといった運用が可能になります。

入札調整は、-90%から+900%の範囲で設定できます。たとえば、基本入札単価が100円の場合、+50%に設定すれば150円、-50%に設定すれば50円で入札されます。

設定方法は、地域設定の画面で各地域の「入札単価調整比」欄をクリックし、数値を入力するだけです。

+50%：その地域への入札が1.5倍に強化される
-50%：その地域への入札が半分に抑えられる
-90%：その地域への配信がほぼ停止される

ただし、自動入札戦略を使用している場合は、手動での地域別入札調整が反映されないケースがあります。「クリック数の最大化」「コンバージョン数の最大化」などの自動入札では、システムが最適な入札を自動で判断するため、手動での調整が効かないことがあります。

地域別に細かく入札をコントロールしたい場合は、手動入札への切り替えを検討するか、キャンペーン自体を地域ごとに分けて運用する方法も有効です。

特定地域検索への対応

特定地域検索への対応は、その地域について検索しているユーザーに広告を表示する機能です。この設定は、検索キャンペーンでのみ利用できる特別なオプションとなっています。

通常の地域設定では、ターゲット地域にいるユーザーや、その地域に関心を示しているユーザーが配信対象となります。特定地域検索の設定を有効にすると、「地域名+キーワード」で検索しているユーザーにも広告を届けられます。

たとえば、名古屋のホテルが「名古屋ホテルおすすめ」と検索しているユーザーに広告を表示したい場合、この設定が効果的です。検索者が東京にいても、大阪にいても、「名古屋」というキーワードで検索していれば広告が表示される可能性があります。

設定オプション	配信対象
所在地のみ	ターゲット地域にいる/よく訪れるユーザー
所在地やインタレスト	上記+関心を示しているユーザー
検索インタレスト	ターゲット地域を検索しているユーザー

この機能は、旅行業、不動産業、引越しサービスなど、ユーザーが遠方から情報を探すことが多い業種で特に有効です。一方、地元密着型で来店が必須のビジネスでは、あまり効果が期待できない場合もあります。

自社のビジネスモデルに照らして、この設定が必要かどうかを判断してください。

ターゲット地域のオプション設定

Google広告の地域設定には、細かなオプション設定が用意されています。このオプション設定によって、どのようなユーザーを配信対象とするかを詳細にコントロールできます。

デフォルトでは、Googleが推奨する設定が適用されていますが、ビジネスの特性によっては変更したほうが良い場合があります。とくに、海外からの流入を避けたい場合や、本当にその地域にいるユーザーだけにアプローチしたい場合は、設定の見直しが必要です。

所在地やインタレスト（推奨設定）
所在地のみ
検索インタレスト（検索キャンペーンのみ）

これらのオプションを正しく理解し、適切に設定することで、広告の配信精度が向上します。設定の違いによって配信対象が大きく変わるため、自社のターゲット像に合ったオプションを選択することが重要です。

以下では、それぞれのオプション設定について詳しく解説していきます。

対象地域にいるユーザー

「対象地域にいるユーザー」は、ターゲット地域に現在いる、または定期的に訪れるユーザーに限定して広告を配信する設定です。 位置情報をもとにした、もっとも厳密なターゲティング方法といえます。

この設定を選択すると、ターゲット地域に関心を示しているだけのユーザーには広告が配信されません。実際にその地域に所在している可能性が高いユーザーのみが対象となります。

配信対象	具体例
ターゲット地域にいるユーザー	名古屋市内で検索しているユーザー
ターゲット地域をよく訪れるユーザー	通勤や買い物で名古屋市を頻繁に訪れるユーザー

この設定が適しているのは、緊急性の高いサービスや、来店が必須のビジネスです。たとえば、水道修理や鍵の交換といったサービスでは、遠方から関心を持っているユーザーよりも、今まさに困っている地元のユーザーに届けることが重要です。

一方、この設定には注意点もあります。 Googleが位置情報を正確に把握できないユーザーには広告が配信されないため、リーチ数が減少する可能性があります。

また、VPNを使用しているユーザーや、位置情報をオフにしているユーザーは、実際にターゲット地域にいても配信対象外となることがあります。

関心を示したユーザーへの配信

「関心を示したユーザーへの配信」は、ターゲット地域に実際にいなくても、その地域に関心を持っているユーザーに広告を届ける設定です。 Googleの推奨設定では、このオプションがデフォルトで有効になっています。

この設定が有効な場合、以下のようなユーザーも広告の配信対象となります。

ターゲット地域について頻繁に検索しているユーザー
ターゲット地域をGoogleマップで調べているユーザー
過去にターゲット地域を訪れたことがあるユーザー

たとえば、名古屋のホテルが広告を出している場合、東京にいるユーザーが「名古屋出張ホテル」と検索すれば、広告が表示される可能性があります。これは、旅行業や不動産業など、ユーザーが遠方から情報収集をおこなう業種には非常に有効です。

一方で、この設定にはデメリットもあります。地元密着型のビジネスでは、遠方のユーザーからのクリックが増えても、実際の来店にはつながりにくいためです。

また、海外ユーザーからの流入が発生する可能性がある点も注意が必要です。海外で日本の特定地域について検索しているユーザーにも広告が配信されることがあり、予期せぬ広告費の消費につながるケースがあります。

推奨設定との違い

Googleが推奨する設定は「所在地やインタレスト」ですが、すべてのビジネスにこの設定が最適とは限りません。推奨設定と「所在地のみ」の違いを理解し、自社のビジネスに合った設定を選択することが重要です。

設定	配信対象	特徴
所在地やインタレスト（推奨）	地域にいる+関心を示しているユーザー	リーチ広い、海外流入リスクあり
所在地のみ	地域にいる/よく訪れるユーザーのみ	リーチ狭い、精度高い

推奨設定の「所在地やインタレスト」は、できるだけ多くのユーザーにリーチしたい場合に適しています。観光地のホテル、不動産のポータルサイト、引越し業者など、遠方のユーザーも見込み客になり得るビジネスには効果的です。

一方、「所在地のみ」は、配信対象を厳密に絞りたい場合に選択します。地元の飲食店、美容室、クリニックなど、実際に来店できるユーザーにだけアプローチしたい場合はこちらが適しています。

設定を変更するには、キャンペーンの設定画面から「地域」→「地域の設定」を開き、「目標」欄で希望するオプションを選択してください。変更後は、地域別レポートで配信状況をモニタリングし、意図したとおりに機能しているか確認しましょう。

海外ユーザーの流入対策

Google広告で日本国内を対象に配信していても、推奨設定のままでは海外からの流入が発生することがあります。これは、海外にいるユーザーが日本の特定地域に関心を示している場合に、広告が配信されてしまうためです。

たとえば、東京のレストランが広告を配信している場合、アメリカにいるユーザーが「東京グルメおすすめ」と検索すれば、広告が表示される可能性があります。観光客向けのビジネスであればプラスに働くこともありますが、多くの場合は意図しない広告費の消費につながります。

海外からの流入を防ぐためには、以下の対策が有効です。

ターゲティング設定を「所在地のみ」に変更する
除外地域に「日本国外」を設定する
定期的に地域別レポートで海外からの流入をチェックする

もっとも確実な方法は、ターゲティング設定を「所在地のみ」に変更することです。これにより、日本国内（ターゲット地域）にいるユーザーにのみ広告が配信されるようになります。

設定変更の手順は、キャンペーン設定の「地域」→「地域の設定」から「所在地」を選択するだけです。海外向けのサービスや旅行業を除き、国内向けビジネスでは「所在地のみ」への変更をおすすめします。

地域設定の確認方法

地域設定は、設定して終わりではありません。 意図したとおりに設定されているか確認し、配信結果をモニタリングすることが、効果的な広告運用には欠かせません。

設定内容の確認と、配信実績のチェックは、定期的におこなうべき重要な作業です。とくに、設定直後や変更後には、必ず確認作業をおこなって問題がないかをチェックしましょう。

確認項目	確認方法	確認頻度
現在の地域設定	キャンペーン設定画面から確認	設定変更時
配信実績	地域別レポートで確認	週1回〜月1回
意図しない配信	地域別レポートで確認	週1回〜月1回

確認を怠ると、設定ミスに気づかないまま広告費を消費してしまうリスクがあります。また、時間の経過とともにビジネス環境が変化し、当初の設定が最適でなくなることもあります。

以下では、設定内容の確認方法と、配信実績をレポートで確認する方法について解説します。

現在の設定を確認する手順

現在の地域設定を確認するには、Google広告の管理画面から簡単にアクセスできます。定期的な確認はもちろん、別の担当者が設定した内容を引き継ぐ際にも、この手順で現状を把握できます。

確認の手順は以下のとおりです。

Google広告の管理画面にログイン
左メニューから「キャンペーン」を選択
確認したいキャンペーンをクリック
「設定」→「地域」をクリック
「地域の設定」で詳細を確認

設定画面では、配信対象として追加されている地域が一覧で表示されます。除外設定がある場合は、「除外」タブに切り替えることで確認できます。

また、地図上でも設定内容を視覚的に確認できます。 配信地域は青色、除外地域は赤色で表示されるため、一目で配信エリアを把握できるのが便利なポイントです。

確認時にチェックすべき項目は以下のとおりです。

チェック項目	確認ポイント
配信地域	意図したエリアがすべて含まれているか
除外地域	不要な地域が適切に除外されているか
ターゲット設定	「所在地のみ」か「所在地やインタレスト」か
入札調整比	地域ごとの調整が正しく設定されているか

設定内容に問題があれば、この画面からすぐに修正できます。確認作業は数分で完了するため、定期的な運用チェックの習慣をつけましょう。

配信実績の地域別レポート

地域別レポートは、広告がどの地域で表示され、どのような成果を上げているかを確認できる機能です。このレポートを活用することで、地域設定の効果を数値で把握し、改善につなげることができます。

レポートの確認方法は、管理画面の「レポート」→「事前定義レポート」→「地域」から簡単にアクセスできます。また、「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」タブの「地域」からも、地域ごとの配信データを確認できます。

地域別レポートで確認できる主な指標は以下のとおりです。

表示回数（インプレッション）
クリック数
クリック率（CTR）
費用
コンバージョン数
コンバージョン率（CVR）
コンバージョン単価（CPA）

このレポートで注目すべきは、地域ごとのコンバージョン率とCPAです。同じ広告でも、地域によって成果が大きく異なることは珍しくありません。

たとえば、都心部ではCVRが高いのに、郊外では低いといったデータが見えてくることがあります。そのような場合は、郊外への配信を抑えるか、入札単価を下げることで費用対効果を改善できます。

また、意図していない地域への配信がないかもチェックしましょう。設定ミスや、「関心を示しているユーザー」への配信によって、想定外のエリアに広告が表示されているケースがあります。

株式会社エッコでは、こうしたレポート分析から改善施策の立案まで、一貫してサポートしております。

地域設定のメリット

Google広告の地域設定を活用することで、広告運用にさまざまなメリットがもたらされます。 適切な地域設定は、広告費の効率化と成果向上の両方に貢献するため、積極的に活用すべき機能です。

地域設定を活用しない場合、ターゲットエリア外のユーザーにも広告が配信され、見込み客以外へのクリックで予算を消費してしまいます。逆に、適切に設定すれば、限られた予算でも効果的にターゲットにアプローチできます。

メリット	具体的な効果
広告費の最適化	無駄な配信を削減しコストを抑制
関連性の高いユーザーへのリーチ	CVR向上、CPA改善
地域特性に合わせた訴求	クリック率向上、離脱率低下

これらのメリットは、地域設定を正しく活用してはじめて得られるものです。以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

広告費の最適化

地域設定のもっとも大きなメリットは、広告費のムダを削減できることです。ターゲットエリア外のユーザーへの配信を防ぐことで、予算を見込み客に集中投下できます。

たとえば、名古屋市内で飲食店を経営している場合、日本全国に広告を配信しても、北海道や九州のユーザーが来店する可能性は極めて低いでしょう。地域を絞り込むことで、そうした可能性の低いクリックに予算を使わなくて済むようになります。

具体的な改善効果の例として、ある広告運用会社の事例では、地域設定の最適化によりCPAが約22%改善したというデータがあります。

最適化前：CPA 4,358円
最適化後：CPA 3,378円
改善率：約22%

このように、地域設定の見直しだけで大きなコスト改善が期待できるケースは少なくありません。

また、予算が限られている場合は、地域設定を活用することで小規模な予算でも効果的な配信が可能になります。「広告費をかけているのに成果が出ない」という課題を抱えている場合は、まず地域設定を見直してみることをおすすめします。

地域特性に合わせた訴求

地域設定を活用すると、エリアごとに最適化された広告メッセージを届けることができます。同じサービスでも、地域によってユーザーのニーズや関心事は異なるため、訴求内容を変えることで効果が高まります。

たとえば、同じ不動産会社でも、都心部では「駅徒歩3分」を強調し、郊外では「駐車場2台付き」を訴求するほうが響く可能性があります。地域ごとにキャンペーンを分けて設定すれば、それぞれのエリアに最適な広告文を配信できます。

地域特性に合わせた訴求の例をいくつか挙げてみます。

都心部：「駅チカ」「アクセス抜群」「24時間対応」
郊外：「広い駐車場完備」「ファミリー歓迎」「のびのび空間」
観光地：「観光名所から徒歩5分」「地元の味を堪能」
ビジネス街：「平日限定特典」「ランチタイム営業」

このような地域特性を踏まえた訴求は、ユーザーの検索意図と広告メッセージの合致度を高め、クリック率とコンバージョン率の向上に貢献します。

また、広告をクリックした先のランディングページも、地域ごとに最適化することでさらに効果が高まります。広告文だけでなく、遷移先のページも地域特性に合わせて設計することを意識しましょう。

地域設定の注意点

地域設定は便利な機能ですが、いくつかの注意点を理解しておかないと、思わぬ問題が発生することがあります。 位置情報の精度や設定上の制限など、事前に知っておくべきポイントを押さえておきましょう。

注意点を理解せずに設定すると、以下のような問題が起こりえます。

問題	原因
意図しない地域に配信される	位置情報の精度が100%ではない
狙った地域に届かない	設定が狭すぎる、位置情報を取得できない
一部地域が設定できない	Googleの制限により対象外
広告グループごとに設定できない	キャンペーン単位でしか設定できない

これらの注意点を理解したうえで地域設定をおこなえば、トラブルを未然に防ぎ、効果的な運用が可能になります。以下では、それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

位置情報の精度について

Google広告の地域設定において、もっとも重要な注意点が位置情報の精度は100%ではないという点です。業界では、精度は約6〜7割程度といわれており、完璧なターゲティングは期待できません。

Googleは複数の情報源を組み合わせてユーザーの位置を推定していますが、常に正確とは限りません。

IPアドレスは地域を大まかにしか特定できない
GPSをオフにしているユーザーは正確な位置がわからない
VPNを使用しているユーザーは実際の所在地と異なる判定をされる
移動中のユーザーは位置情報が不安定になることがある

この精度の限界を理解しておくことで、地域設定を過信しすぎない運用が可能になります。

たとえば、「半径1km圏内」のような極端に狭い設定をすると、位置情報の誤差によって本来届けたいユーザーにも広告が表示されない可能性があります。精度の限界を踏まえ、ある程度余裕を持った設定にすることが実践的なアプローチです。

IPアドレスの誤判定

IPアドレスは、ユーザーの位置情報を特定するための基本的な情報源ですが、誤判定が起こりやすいという特徴があります。とくにパソコンからのアクセスでは、IPアドレスが主な位置特定の手段となるため、注意が必要です。

IPアドレスによる位置判定で誤差が生じる主な原因は以下のとおりです。

原因	説明
プロバイダの設定	IPアドレスの登録地と実際の使用地が異なる場合
VPNの使用	実際の所在地とは異なる地点のIPが使用される
企業ネットワーク	本社のIPが全拠点で使用されるケース
モバイルデータ	基地局の位置で大まかに判定される

たとえば、東京の企業に勤める社員が名古屋支社で働いていても、本社のVPNを経由してインターネットに接続している場合、東京にいると判定されることがあります。

この問題への対策としては、地域設定を狭くしすぎないことが有効です。また、定期的に地域別レポートを確認し、意図しない地域からのアクセスがないかをチェックする習慣をつけましょう。

IPアドレスの誤判定は完全に防ぐことはできませんが、存在を認識しておくことで適切な運用ができます。

GPS情報の扱い

GPS情報は、IPアドレスと比べて高精度な位置特定が可能です。スマートフォンでは、GPSを活用することで、より正確な地域ターゲティングが実現します。

ただし、GPSにも注意すべき点があります。

ユーザーが位置情報の設定をオフにしている場合は利用できない
屋内では衛星からの信号が届きにくく精度が下がる
バッテリー消費を抑えるために位置情報の更新頻度が低いことがある
古いデバイスでは精度が低い場合がある

スマートフォンユーザーの約3割は位置情報をオフにしているというデータもあり、GPSに頼りすぎると一定数のユーザーを取りこぼす可能性があります。

条件	GPS精度
屋外・位置情報ON	高精度（数メートル〜数十メートル）
屋内・位置情報ON	中程度（Wi-Fiで補完）
位置情報OFF	利用不可（IPアドレスで代替）

GPS情報を最大限活用するためには、ユーザーが位置情報をオンにしている状態で検索することが前提となります。しかし、すべてのユーザーがそうとは限らないため、GPSの高精度に頼りすぎない設計が重要です。

地域設定を考える際は、GPS情報が取得できないユーザーも一定数いることを念頭に置いておきましょう。

設定できる地域の制限

Google広告の地域設定では、すべての地域が自由に設定できるわけではありません。プライバシー保護の観点から、極端に狭いエリアや人口の少ない地域は、ターゲティング対象として選択できない場合があります。

設定できない地域の具体例としては、以下のようなケースがあります。

面積が極端に小さい地域（数百メートル四方程度）
人口や世帯数が非常に少ない町村
合併や名称変更があった地域（データベースの更新遅れ）
特定個人が推測できてしまうような狭いエリア

これは、Googleがユーザーのプライバシーを保護するために設けている制限です。特定の地域に住む少数の人を狙い撃ちにするようなターゲティングを防ぐ目的があります。

もし設定したい地域が候補に表示されない場合は、以下の対処法を検討してください。

対処法	具体的な方法
広いエリアで代替	町村ではなく郡や県単位で設定
半径指定で代替	該当地域の中心を指定して半径○kmでカバー
周辺地域を組み合わせ	設定可能な周辺市町村を複数選択

地域設定ができないからといって諦める必要はありません。代替手段を活用して、狙いたいエリアを最大限カバーする工夫をしましょう。

キャンペーン単位での適用

Google広告の地域設定で重要な制約が、キャンペーン単位でしか設定できないという点です。広告グループごとに異なる地域を設定することはできません。

これは運用上、注意すべきポイントです。

設定レベル	地域設定
アカウント	不可
キャンペーン	可能
広告グループ	不可
広告	不可

たとえば、「東京向け商品」と「名古屋向け商品」で異なる地域設定をおこないたい場合、同じキャンペーン内の広告グループで分けることはできません。それぞれ別のキャンペーンとして作成する必要があります。

この制約があるため、地域ごとに異なる戦略を取りたい場合は、キャンペーンを分けて運用するのが一般的です。

東京キャンペーン：東京都をターゲットに設定
名古屋キャンペーン：愛知県をターゲットに設定
大阪キャンペーン：大阪府をターゲットに設定

キャンペーンを分けることで、地域ごとの予算管理や成果分析もしやすくなるというメリットがあります。一方、管理するキャンペーン数が増えるため、運用の手間は増加します。

自社の運用体制とビジネスの特性を踏まえて、最適なキャンペーン構成を検討しましょう。

効果的な地域設定のコツ

地域設定の効果を最大化するためには、いくつかのコツがあります。単に地域を設定するだけでなく、運用のノウハウを踏まえた設定と継続的な改善が成果につながります。

コツ	効果
最初は広めに設定	機会損失を防ぎ、データを蓄積
データを見ながら絞り込む	根拠のある最適化が可能
地域別の広告文作成	クリック率・CVRの向上
LPとの整合性確保	離脱率の低下

これらのコツは、広告運用の現場で実践されている効果的な手法です。 初心者の方でも取り組みやすい内容から、ぜひ実践してみてください。

以下では、それぞれのコツについて具体的に解説していきます。

最初は広めに設定する

地域設定をおこなう際、最初から狭い範囲に絞りすぎないことが重要です。位置情報の精度が約6〜7割であることを考慮すると、想定より広めに設定しておくほうが現実的です。

狭すぎる設定のリスクは、機会損失につながることです。本来リーチしたいユーザーにも広告が届かず、獲得できるはずだったコンバージョンを逃してしまう可能性があります。

おすすめの初期設定の考え方は以下のとおりです。

都市部の店舗：商圏の1.5〜2倍程度の範囲
郊外の店舗：想定商圏の2倍程度の範囲
広域サービス：都道府県単位からスタート

たとえば、商圏が半径3kmと想定される場合、最初は半径5〜6km程度で設定します。 データを蓄積してから、成果の出ていないエリアを除外していくというアプローチが効果的です。

初期の広めの設定は、あくまでもデータ収集のためと考えてください。 1〜2ヶ月程度データを蓄積し、地域別レポートを分析してから、徐々に最適化を進めていきましょう。

データを見ながら絞り込む

地域設定の最適化において、データに基づいた判断がもっとも重要です。感覚や予想ではなく、実際の配信結果を見ながら設定を調整していきましょう。

地域別レポートで確認すべき主な指標は以下のとおりです。

指標	判断基準
コンバージョン数	地域ごとの獲得数を比較
CVR（コンバージョン率）	平均より低い地域は要注意
CPA（顧客獲得単価）	目標CPAを大幅に超える地域は除外検討
クリック率	低い地域は広告文との相性を確認

データ分析の結果、以下のような地域は除外または入札引き下げを検討してください。

コンバージョンがゼロまたは極端に少ない地域
CPAが目標値の2倍以上になっている地域
クリック数は多いがCVRが極端に低い地域
サービス提供エリア外なのに配信されている地域

逆に、成果の良い地域は入札を強化することで、さらなる成果向上が期待できます。

データに基づく改善サイクルを回し続けることが、地域設定の効果を最大化するカギです。株式会社エッコでは、このようなデータ分析から改善施策の実行まで、トータルでサポートしております。

地域別の広告文作成

地域設定の効果をさらに高めるテクニックとして、地域ごとに最適化した広告文を作成する方法があります。同じ内容でも、地域名を入れることでユーザーの目に留まりやすくなります。

たとえば、名古屋市内で歯科医院を探しているユーザーに対して、「名古屋駅徒歩3分の歯科医院」という広告文が表示されれば、関連性の高さから目を引きやすくなります。

地域名を活用した広告文の例をいくつか挙げてみます。

「【名古屋市】駅近の歯科医院｜土日診療OK」
「栄エリアNo.1の美容室｜カット3,000円から」
「豊田市で評判のリフォーム会社｜無料見積もり」

地域名を広告文に入れることで、以下のメリットが期待できます。

メリット	詳細
クリック率向上	地元のユーザーの目に留まりやすい
関連性向上	検索クエリと広告の合致度が上がる
品質スコア改善	関連性の向上によりスコアが上がる可能性
CVR向上	地元意識の強いユーザーの反応が良い

地域ごとにキャンペーンを分けて運用することで、それぞれのエリアに最適化した広告文を設定できます。手間はかかりますが、成果改善の効果は大きいため、ぜひ取り組んでみてください。

ランディングページとの整合性

地域設定と広告文を最適化しても、ランディングページとの整合性が取れていないと成果にはつながりません。ユーザーは広告をクリックした先のページで、期待した情報が見つからなければすぐに離脱してしまいます。

たとえば、「名古屋駅徒歩3分の歯科医院」という広告をクリックしたユーザーが、東京本院の情報しかないページに遷移したら、がっかりして離脱するでしょう。広告で訴求した内容とランディングページの内容を一致させることが重要です。

ランディングページで確認すべき整合性のポイントは以下のとおりです。

地域名が広告文と一致しているか
店舗の住所やアクセス情報が掲載されているか
地元ユーザー向けの特典やキャンペーンがあるか
問い合わせ先が地域に対応しているか

理想的には、地域ごとに専用のランディングページを用意するのが効果的です。名古屋向けキャンペーンには名古屋店のページ、東京向けキャンペーンには東京店のページを設定します。

整合性レベル	状態	CVRへの影響
高	地域専用LPを用意	向上
中	共通LPだが地域情報を掲載	維持
低	広告とLPの地域が不一致	低下

すべての地域で専用ページを用意するのが難しい場合は、最低限、共通ページ内に各地域の情報を掲載するようにしましょう。広告からランディングページまでの一貫性を保つことが、コンバージョン率向上のカギです。

よくあるトラブルと対処法

Google広告の地域設定を運用していると、さまざまなトラブルに遭遇することがあります。 よくある問題とその対処法を知っておくことで、迅速に解決し、広告効果を維持できます。

主なトラブルと概要は以下のとおりです。

トラブル	主な原因
意図しない地域への配信	オプション設定、位置情報の誤判定
設定が反映されない	保存忘れ、自動入札の影響
地域を絞りすぎた	表示回数・リーチの激減

これらのトラブルは、多くの広告運用者が経験するものです。原因を理解し、適切に対処することで、効果的な運用を継続できます。

以下では、それぞれのトラブルについて、具体的な原因と対処法を解説していきます。

意図しない地域への配信

もっとも多いトラブルが、意図しない地域に広告が配信されてしまうケースです。設定したはずのない地域からクリックが発生し、広告費が消費されてしまいます。

このトラブルの主な原因は以下のとおりです。

デフォルトの「所在地やインタレスト」設定が有効になっている
位置情報の誤判定により設定外の地域にいると認識されたユーザーに配信
除外設定が漏れている地域がある

対処法としては、まず地域別レポートを確認し、どの地域から配信が発生しているかを特定します。

対処法	手順
オプション設定の変更	「所在地のみ」に変更して関心ユーザーへの配信を停止
除外地域の追加	問題のある地域を除外リストに追加
継続的なモニタリング	週1回程度、地域別レポートをチェック

とくに海外からの流入が発生している場合は、早急な対応が必要です。オプション設定を「所在地のみ」に変更するか、「日本」以外の国を除外地域に設定してください。

定期的なモニタリングを習慣化することで、問題の早期発見と対処が可能になります。

設定が反映されない場合

地域設定を変更したのに、広告の配信に反映されていないように見えるケースがあります。このようなトラブルには、いくつかの原因が考えられます。

まず確認すべきは、設定変更後に「保存」ボタンを押したかどうかです。意外と多いのが、保存を忘れて設定が適用されていないケースです。

その他の主な原因と対処法は以下のとおりです。

反映までの時間が必要：設定変更後、数時間〜24時間程度かかることがある
キャッシュの影響：ブラウザのキャッシュをクリアして再確認
自動入札の影響：地域別入札調整が自動入札では反映されないケースがある
審査中のステータス：広告の審査中は配信されない

確認項目	対処法
保存の確認	設定画面に戻り、変更が保存されているか確認
反映待ち	24時間程度待ってから再確認
ブラウザ更新	キャッシュクリア後に管理画面を再読み込み
自動入札の確認	入札戦略を確認し、必要に応じて変更

自動入札を使用している場合、手動での地域別入札調整が機能しない点には特に注意が必要です。地域ごとの入札をコントロールしたい場合は、キャンペーンを分けるか、入札戦略の変更を検討してください。

地域を絞りすぎた場合

地域設定を厳しくしすぎた結果、表示回数やクリック数が激減してしまうトラブルもよく発生します。効率を追求するあまり、見込み客にもリーチできなくなってしまうパターンです。

地域を絞りすぎた場合の症状は以下のとおりです。

表示回数（インプレッション）の大幅な減少
クリック数の激減
コンバージョンの獲得が難しくなる
予算が消化されない

このような状況に陥った場合は、配信エリアを段階的に拡大してみてください。

段階	対応
第1段階	半径を1.5倍に拡大（例：3km→5km）
第2段階	隣接する市区町村を追加
第3段階	オプション設定を「所在地やインタレスト」に変更