Webサイトを運営している方なら、**alt属性(オルト属性)**という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、「具体的にどのような効果があるのか分からない」「正しい設定方法が知りたい」という声をよく耳にします。

alt属性は、SEO対策やアクセシビリティの向上において、極めて重要な役割を果たす基本的な要素です。

適切に設定することで、検索エンジンからの評価向上や、より多くのユーザーにとって使いやすいWebサイトを構築できます。

本記事では、alt属性の基本概念から実際の設定方法、効果的な書き方のコツまで、初心者の方にも分かりやすく詳しく解説いたします。

名古屋のWebコンサルティング会社である株式会社エッコでも、クライアント様のWebサイト制作において、alt属性の最適化を重要な施策の一つとして位置づけています。

ぜひ最後までお読みいただき、あなたのWebサイトの品質向上にお役立てください。

alt属性の基本知識

alt属性とは何か

alt属性とは、HTML文書において画像の代替テキストを指定するための属性です。

正式には「alternative text attribute」と呼ばれ、画像が何らかの理由で表示されない場合に、その画像の内容を文字で説明する役割を担います。

画像を見ることができない状況でも、その画像が伝えたい情報を適切に伝えることが主な目的です。

この属性は、視覚的な情報をテキスト情報に変換する重要な仕組みとして機能します。

alt属性の主な機能 説明
代替表示機能 画像が表示できない時にテキストで内容を表示
音声読み上げ機能 スクリーンリーダーが画像内容を音声で伝達
検索エンジン理解促進 クローラーが画像の意味を把握しやすくする
アクセシビリティ向上 視覚障害者を含む全てのユーザーへの配慮

現代のWebサイト制作において、alt属性は必須の要素として位置づけられています。

単なるSEO対策の一環ではなく、インクルーシブデザインの観点からも欠かせない機能です。

特に、企業のWebサイトやECサイトでは、商品画像や説明図に適切なalt属性を設定することで、より多くの潜在顧客にリーチできる可能性が高まります。

読み方と正式名称

alt属性の読み方について、「オルト属性」が最も一般的です。

「アルト属性」と読む方もいらっしゃいますが、Web制作の現場では「オルト」という読み方が標準的に使用されています。

正式名称は「Alternative Text Attribute」で、日本語では「代替テキスト属性」と訳されます。

また、関連する呼び方として以下のような表現も使われます。

  • 代替テキスト
  • altテキスト
  • altタグ(厳密にはタグではなく属性ですが、慣用的に使用)
  • 画像説明文
  • イメージ代替文

Web業界では**「alt属性」または「代替テキスト」**という呼び方が最も適切で、多くの専門家がこの表現を推奨しています。

HTML5の仕様書においても、この属性は「alt attribute」として正式に定義されており、国際標準として認知されています。

株式会社エッコのような専門的なWebコンサルティング会社では、クライアント様との打ち合わせでも統一した用語を使用することで、認識のズレを防いでいます。

HTML上での記述方法

alt属性は、HTMLのimg要素内に記述する属性の一つです。

基本的な記述方法は以下の通りです。

<img src=”画像のパス” alt=”画像の説明文”>

具体的な記述例を見てみましょう。

  • 商品画像の場合: <img src=”smartphone.jpg” alt=”最新スマートフォンXYZの正面画像”>
  • グラフ画像の場合: <img src=”sales-graph.png” alt=”2024年売上推移グラフ”>
  • ロゴ画像の場合: <img src=”company-logo.png” alt=”株式会社ABC”>

重要なポイントは、alt属性を空にする場合と完全に省略する場合では意味が異なることです。

装飾目的の画像など、内容的な意味を持たない画像の場合はalt=””のように空の値を設定します。

これにより、スクリーンリーダーはその画像を読み飛ばすことができ、ユーザーの利便性が向上します。

一方で、alt属性自体を省略してしまうと、多くのスクリーンリーダーは画像のファイル名を読み上げてしまい、かえって混乱を招く可能性があります。

alt属性の重要性と効果

SEOへの効果

alt属性は、SEO(検索エンジン最適化)において重要な役割を果たしています。

検索エンジンのクローラーは画像の視覚的な内容を直接理解することができないため、alt属性のテキスト情報を頼りに画像の意味を把握します。

適切に設定されたalt属性は、Webページ全体の内容理解を促進し、検索エンジンからの評価向上に寄与します。

SEO効果の種類 具体的な影響
ページ内容の理解促進 クローラーが画像の意味を正確に把握
キーワード最適化 関連キーワードを自然な形で含められる
コンテンツ品質向上 総合的なページ価値の向上
ユーザー体験改善 検索エンジンが重視する要素の強化

ただし、SEOを意識しすぎたキーワードの詰め込みは逆効果です。

検索エンジンは、不自然なキーワードの羅列をスパム行為として認識し、サイト全体の評価を下げる可能性があります。

あくまでも画像の内容を正確に表現することを最優先とし、結果的にSEO効果を得られるようなアプローチが重要です。

画像検索での上位表示

alt属性の最適化は、Google画像検索での上位表示に直接的な効果をもたらします。

ユーザーがGoogle画像検索を利用する際、検索エンジンはalt属性のテキストを重要な判断材料の一つとして活用します。

特に商品画像やサービス紹介画像において、適切なalt属性を設定することで、画像検索からの流入を大幅に増加させることができます。

効果的な画像検索最適化の要素:

  • 画像の内容を正確に表現したalt属性
  • 検索キーワードとの関連性
  • 画像ファイル名との整合性
  • 周辺テキストとの一貫性

例えば、レストランのWebサイトで料理の画像に「美味しそうなハンバーガー」というalt属性を設定するよりも、「特製アボカドチーズバーガー」のように具体的で特徴的な表現を使用する方が、画像検索での発見可能性が高まります。

株式会社エッコでは、クライアント様のECサイトにおいて、商品画像のalt属性最適化により画像検索からの流入を30%以上改善した実績があります。

検索エンジンの画像理解促進

現代の検索エンジンは、AI技術の発達により画像の内容をある程度理解できるようになっています。

しかし、alt属性があることで、より正確で詳細な理解が可能になります。

検索エンジンは、alt属性のテキスト情報と画像の視覚的特徴を組み合わせることで、その画像がページ全体のコンテンツにおいてどのような役割を果たしているかを判断します。

この理解の精度が向上することで、以下のようなメリットが生まれます。

  • ページの専門性や権威性の評価向上
  • 関連性の高い検索クエリでの表示機会増加
  • 総合的な検索順位の改善
  • リッチスニペット表示の可能性向上

特に、専門的な内容を扱うWebサイトや、ビジュアルコンテンツが重要な役割を果たすサイトでは、alt属性の質が検索エンジンからの評価に大きな影響を与えます。

アクセシビリティの向上

alt属性は、Webアクセシビリティの向上において中核的な役割を担っています。

世界中には、視覚に障害を持つ方々や、一時的に画像を見ることができない環境にいる方々が数多くいらっしゃいます。

適切に設定されたalt属性は、これらのユーザーにとって画像の内容を理解するための重要な手がかりとなります。

アクセシビリティ効果 対象ユーザー 具体的なメリット
音声読み上げ対応 視覚障害者 スクリーンリーダーによる内容理解
代替表示機能 通信環境の悪いユーザー 画像未表示時の情報補完
多様な環境対応 全てのユーザー デバイスや設定に関わらない情報アクセス

Webアクセシビリティは、法的な観点からも重要性が高まっています。

多くの国では、公的機関や大企業のWebサイトに対してアクセシビリティ基準の遵守を義務付ける法律が制定されています。

スクリーンリーダー対応

スクリーンリーダーは、視覚障害者の方々がWebサイトの内容を音声で理解するための支援技術です。

この技術において、alt属性は画像の内容を伝える唯一の手段となります。

適切なalt属性が設定されていない場合、スクリーンリーダーは画像のファイル名を読み上げたり、「画像」とだけ発音したりします。

これでは、画像が伝えようとしている重要な情報が全く伝わりません。

効果的なスクリーンリーダー対応のポイント:

  • 文脈に沿った自然な表現を使用
  • 読み上げ時の流れを考慮した文章構成
  • 過度に詳細すぎず、要点を押さえた説明
  • 周辺のテキストとの重複を避ける

例えば、企業の代表者の写真に対して「社長の顔写真」というalt属性よりも、「代表取締役山田太郎」のように、より具体的で有用な情報を提供する方が効果的です。

画像表示エラー時の代替表示

インターネット接続が不安定な環境や、データ通信量を節約するために画像表示をオフにしているユーザーも存在します。

このような状況において、alt属性は画像の代わりに表示されるテキストとして機能します。

特に重要な情報を含む画像(商品写真、グラフ、図解など)の場合、適切なalt属性があることで、画像が表示されなくてもページの内容を理解することができます。

代替表示が重要なケース:

  • モバイルデータ通信量の制限がある環境
  • 低速なインターネット接続環境
  • 画像ファイルの読み込みエラー発生時
  • テキストベースのブラウザ使用時

このような配慮により、より多くのユーザーにとって使いやすいWebサイトを構築することができます。

ユーザビリティの改善

alt属性は、全体的なユーザビリティの向上にも大きく貢献します。

ユーザビリティとは、ユーザーがWebサイトを使いやすく、目的を達成しやすくするための品質指標です。

適切に設定されたalt属性は、様々な状況やデバイスにおいて、一貫した情報提供を可能にします。

ユーザビリティ向上の効果
情報の冗長性確保による理解度向上
多様なアクセス環境への対応
エラー発生時の情報補完
SEO効果によるサイト発見性向上
ブランドイメージの向上

現代のWebサイトでは、デスクトップPC、タブレット、スマートフォンなど、様々なデバイスからのアクセスが想定されます。

alt属性があることで、どのような環境からアクセスしても、画像の内容を理解できる仕組みが構築されます。

また、企業のWebサイトにおいて、アクセシビリティに配慮した設計は、社会的責任を果たす企業としてのブランドイメージ向上にもつながります。

株式会社エッコでは、クライアント様のWebサイト制作において、このような総合的な観点からalt属性の最適化をご提案しています。

title属性との違い

それぞれの役割

alt属性とtitle属性は、どちらもHTMLの画像に関連する属性ですが、それぞれ全く異なる役割と目的を持っています。

多くのWeb制作者や運営者が混同しがちな概念ですが、正しく理解して使い分けることで、より効果的なWebサイトを構築できます。

alt属性は画像の代替情報として機能し、画像が表示されない場合にその内容を説明する役割を担います。

一方、title属性は補足的な説明として機能し、画像に関する追加情報を提供します。

属性名 主な役割 表示タイミング SEO効果
alt属性 画像の代替テキスト 画像未表示時・音声読み上げ時 高い
title属性 補足的な説明・ツールチップ マウスホバー時 限定的

この基本的な違いを理解することで、それぞれの属性を適切に活用し、ユーザーエクスペリエンスとSEO効果の両方を向上させることができます。

alt属性は必須の要素として位置づけられる一方、title属性はオプションの要素として、必要に応じて追加する補完的な機能です。

使い分けのポイント

効果的な使い分けを実現するためには、それぞれの属性の特性を理解し、適切な場面で活用することが重要です。

まず、alt属性は全ての意味を持つ画像に設定すべき基本的な属性です。

画像の内容を端的に説明し、その画像がページ全体の文脈において果たす役割を明確にします。

title属性の効果的な活用場面:

  • 画像に関する詳細な背景情報の提供
  • 撮影場所や撮影日時などの補足データ
  • 著作権情報やクレジット表記
  • 技術的な仕様や詳細説明

例えば、商品画像の場合:

  • alt属性:「高性能ワイヤレスヘッドホン WH-1000XM5」
  • title属性:「ソニー製ノイズキャンセリング機能付き、2024年発売モデル」

このように使い分けることで、基本的な情報と補足情報を適切に整理して提供できます。

ただし、title属性はスマートフォンやタブレットでは表示されない場合が多いため、重要な情報は必ずalt属性に含めることが重要です。

よくある間違い

alt属性とtitle属性に関して、多くのWebサイトで見られる代表的な間違いパターンがあります。

最も多い間違いは、両方の属性に同じ内容を設定してしまうことです。

これは冗長な情報提供となり、特にスクリーンリーダーを使用するユーザーにとって同じ内容を重複して聞くことになってしまいます。

よくある間違い 問題点 正しい対応
alt属性とtitle属性に同じ文章 情報の重複、冗長性 役割に応じた使い分け
alt属性にキーワード詰め込み スパム扱いのリスク 自然で適切な説明
装飾画像にも詳細なalt設定 不要な情報提供 空のalt属性を使用

その他の間違いパターン:

  • title属性をSEO対策の主軸として使用
  • 画像ファイル名をそのままalt属性に使用
  • 「画像」「写真」などの無意味な説明
  • 過度に長い説明文の設定

また、「altタグ」という呼び方も厳密には間違いです。

HTMLにおいて「タグ」とは<img>のような要素を指し、「属性」とはalt=””のような要素内の情報を指します。

正しくは「alt属性」と呼ぶべきですが、慣用的に「altタグ」と呼ばれることも多いため、意味は通じます。

効果的なalt属性の書き方

記述時の基本ルール

効果的なalt属性を記述するためには、いくつかの基本的なルールを理解し、一貫して適用することが重要です。

これらのルールは、ユーザビリティ、アクセシビリティ、SEO効果のすべてを考慮して確立されています。

最も重要なルールは、画像が持つ意味や役割を正確に表現することです。

alt属性は画像の見た目を詳細に描写することが目的ではなく、その画像がページ内で果たしている役割や伝えたい情報を明確にすることが目的です。

基本ルール 詳細説明
簡潔性 必要十分な情報を無駄なく表現
正確性 画像の内容と一致した説明
文脈性 ページ全体の流れに適合
自然性 読み上げ時に違和感のない表現

また、周辺のテキストとの関連性を考慮することも重要です。

画像の直前や直後に説明文がある場合、alt属性はそれらと重複しない内容にするか、より簡潔な表現に留めることで、情報の冗長性を避けることができます。

画像の内容を簡潔に説明

alt属性の記述において、簡潔さと情報の充実度のバランスを取ることが最も重要なスキルです。

長すぎる説明は読み上げ時に煩わしく感じられ、短すぎる説明は必要な情報を伝えきれません。

効果的な簡潔性を実現するポイント:

  • 画像の核心的な意味を一文で表現
  • 修飾語は必要最小限に留める
  • 専門用語は文脈に応じて使用判断
  • 読み上げ時の自然さを意識

良い例と悪い例の比較:

良い例:「2024年売上推移グラフ」 悪い例:「青色の背景に赤い折れ線で描かれた、横軸に月、縦軸に売上金額を表示した2024年の売上推移を示すグラフ」

悪い例は視覚的な詳細を過度に説明していますが、ユーザーが本当に必要としているのは「売上推移を示すグラフである」という情報です。

画像の見た目ではなく、意味や役割を中心に説明することで、より効果的なalt属性を記述できます。

適切な文字数

alt属性の文字数については、明確な上限は定められていませんが、実用的な目安があります。

一般的に、スクリーンリーダーでの読み上げ時間や、視覚的な代替表示での読みやすさを考慮すると、50〜100文字程度が理想的とされています。

文字数の目安:

  • 簡単な画像:20〜50文字
  • 一般的な画像:50〜100文字
  • 複雑な画像:100〜150文字
  • 装飾画像:0文字(空白)

ただし、文字数よりも内容の適切性を優先すべきです。

必要な情報を伝えるために多少長くなっても、それが有用であれば問題ありません。

一方で、不要な情報で文字数を増やすことは避けるべきです。

特に、複雑なグラフや図表の場合は、alt属性で詳細を説明するよりも、本文中に詳しい説明を記載し、alt属性はその存在を示す程度に留める方が効果的な場合もあります。

シーン別の記述例

実際のWebサイト運営において、様々な種類の画像に対して適切なalt属性を記述する必要があります。

画像の種類や用途に応じて、最適な記述方法が異なります。

ここでは、よく使用される画像のタイプ別に、具体的な記述例とポイントを詳しく解説します。

これらの例を参考にすることで、実践的なalt属性の記述スキルを身につけることができます。

画像タイプ 記述のポイント 注意事項
商品画像 商品名と主要特徴 ブランド名・モデル名を含める
グラフ・図表 データの種類と期間 詳細は本文で補完
装飾画像 空白に設定 意味のない情報は避ける

商品画像

ECサイトや企業サイトにおける商品画像は、売上に直結する重要な要素です。

適切なalt属性を設定することで、検索エンジンからの流入増加と、アクセシビリティの向上を同時に実現できます。

商品画像のalt属性記述例:

  • スマートフォン:「iPhone 15 Pro Max ナチュラルチタニウム 256GB」
  • アパレル:「レディース コットンブレンド Vネック長袖カーディガン ベージュ Mサイズ」
  • 家電:「ドラム式洗濯乾燥機 11kg洗濯・6kg乾燥 左開き」
  • 食品:「国産小麦100%使用 手打ち風讃岐うどん 200g×3束」

商品画像のalt属性では、以下の要素を含めることが効果的です:

  • ブランド名・メーカー名(認知度が高い場合)
  • 商品名・型番
  • 主要な特徴や仕様
  • カラー・サイズ(重要な場合)

ただし、全ての情報を詰め込む必要はありません

ユーザーが画像から判断したい最も重要な情報を優先的に含めることが大切です。

グラフ・図表

データを視覚的に表現するグラフや図表は、情報の理解を助ける重要な要素です。

しかし、視覚的な表現を文字で完全に説明することは困難であり、適切な要約が求められます。

グラフ・図表のalt属性記述例:

  • 売上グラフ:「2024年月別売上推移グラフ(1月〜12月)」
  • 円グラフ:「2024年地域別売上割合円グラフ」
  • 組織図:「株式会社ABC 組織構造図」
  • フローチャート:「新規顧客獲得プロセスフローチャート」

グラフ・図表の場合、alt属性では概要を示し、詳細なデータは本文やキャプションで補完することが重要です。

すべてのデータポイントをalt属性に含めようとすると、非常に長い文章になってしまい、かえってユーザビリティを損ねる可能性があります。

代わりに、そのグラフが示している主要な傾向や結論を、本文中で詳しく解説することが推奨されます。

装飾画像

Webサイトの見た目を向上させる装飾的な画像については、alt属性を空白に設定することが適切です。

これは、スクリーンリーダーユーザーにとって不要な情報を避け、コンテンツの流れを邪魔しないためです。

装飾画像の例と対応:

  • 区切り線・罫線:alt=””
  • 背景装飾:alt=””
  • アイコン(意味を持たない):alt=””
  • スペーサー画像:alt=””

ただし、装飾画像か意味のある画像かの判断が重要です。

例えば、記事のカテゴリを示すアイコンや、手順を表現する矢印などは、装飾的に見えても実際には意味を持つ画像です。

このような場合は、適切な説明文を設定する必要があります。

迷った場合は、「この画像がなくても、ページの内容や意味は変わらないか?」という基準で判断することが効果的です。

避けるべき書き方

alt属性の記述において、SEO効果やユーザビリティを損なう書き方を避けることが重要です。

これらの間違いは、検索エンジンからのペナルティリスクを高めるだけでなく、ユーザーエクスペリエンスを大幅に悪化させる可能性があります。

多くのWebサイトで見られる典型的な間違いを理解し、適切な対策を講じることで、より効果的なalt属性を記述できます。

避けるべき書き方 問題点 改善方法
キーワードの羅列 スパム判定のリスク 自然な文章での説明
「画像」「写真」のみ 情報価値がない 具体的な内容説明
ファイル名の流用 ユーザーにとって無意味 意味のある説明文
過度に長い説明 読み上げ時の負担 簡潔で要点を絞った表現

特に注意すべき点は、SEO効果を狙いすぎて不自然な表現になることです。

検索エンジンは年々高度化しており、不自然なキーワードの詰め込みを容易に検出できるようになっています。

代表的な悪い例:

  • 「SEO 対策 ホームページ 制作 会社 名古屋 格安 おすすめ」
  • 「この画像はホームページ制作の写真です」
  • 「img_20241115_001.jpg」
  • 「弊社の経験豊富なスタッフが最新技術を駆使して作成した、お客様に最適なソリューションを提供するための…(以下長文)」

これらの表現は、ユーザーにとって有用でないばかりか、検索エンジンからも低く評価される可能性があります。

画像の内容を正直かつ簡潔に説明することが、最も効果的なアプローチです。

設定方法と確認方法

WordPressでの設定

WordPressは世界中で広く使用されているCMS(コンテンツ管理システム)であり、alt属性の設定も直感的に行える設計になっています。

WordPress環境でのalt属性設定は、技術的な知識がない方でも簡単に実行できる仕組みが整備されています。

基本的な設定手順から、効率的な運用方法まで、実践的な内容を詳しく解説します。

WordPressでのalt属性設定の基本手順:

手順 操作内容
1. メディア追加 投稿画面で「メディアを追加」ボタンをクリック
2. 画像選択 アップロード済み画像を選択または新規アップロード
3. 代替テキスト入力 右側の「代替テキスト」欄に説明文を入力
4. 投稿に挿入 「投稿に挿入」ボタンで記事に画像を配置

重要なポイントは、画像をアップロードした時点で代替テキストを設定する習慣を身につけることです。

後から一括で設定しようとすると、大量の画像に対して一つずつ設定する手間がかかり、作業効率が大幅に低下します。

また、時間が経ってから設定しようとすると、その画像の意図や文脈を思い出すのが困難になる場合があります。

WordPressのメディアライブラリでは、既存の画像のalt属性も簡単に編集できます。

「メディア」→「ライブラリ」から対象の画像を選択し、「代替テキスト」欄を編集するだけで、サイト全体で使用されている該当画像のalt属性が更新されます。

株式会社エッコでは、クライアント様のWordPressサイト制作時に、運用担当者の方々にalt属性設定の重要性と手順をレクチャーし、継続的な品質向上をサポートしています。

HTMLでの直接記述

HTML文書を直接編集する場合や、WordPressのテーマファイルをカスタマイズする場合には、HTMLコード内でalt属性を直接記述する必要があります。

この方法は、より細かい制御が可能で、開発者にとって柔軟性の高いアプローチです。

基本的なHTML記述例:

<img src=”images/product-photo.jpg” alt=”高性能ワイヤレスイヤホン AirPods Pro 第3世代” width=”300″ height=”200″>

HTMLでの記述時に注意すべきポイント:

  • alt属性値は必ずダブルクォート(””)で囲む
  • HTMLエンティティが必要な特殊文字は適切にエスケープ
  • 他の属性(width、height、class等)との順序は自由
  • 空のalt属性の場合はalt=””と記述

複数の画像を効率的に管理する場合、CSSクラスやID属性と組み合わせて使用することで、スタイリングと意味付けの両方を実現できます。

<img src=”images/step1.jpg” alt=”手順1:商品を選択” class=”tutorial-image” id=”step-1″>

<img src=”images/step2.jpg” alt=”手順2:カートに追加” class=”tutorial-image” id=”step-2″>

開発チームで作業する場合は、alt属性の記述ルールを事前に統一しておくことで、一貫した品質を保つことができます。

設定状況の確認ツール

alt属性が適切に設定されているかを確認するためには、専用のツールを活用することが効率的です。

手動での確認は時間がかかり、見落としのリスクもあるため、自動化されたツールの使用を強く推奨します。

代表的な確認ツールとその特徴:

ツール名 タイプ 主な機能
Google Chrome DevTools ブラウザ標準機能 個別要素の詳細確認
WAVE Web Accessibility Evaluator ブラウザ拡張機能 アクセシビリティ全般の評価
Lighthouse ブラウザ標準機能 SEO・アクセシビリティスコア
Screaming Frog SEO Spider デスクトップアプリ サイト全体の一括検査

Google Chrome DevToolsを使用した確認方法:

  1. 確認したいページをChromeで開く
  2. F12キーを押してDevToolsを起動
  3. 画像要素を右クリックして「検証」を選択
  4. HTMLコード内でalt属性の設定状況を確認

この方法は無料で利用でき、リアルタイムでの確認が可能です。

WAVE拡張機能は、ページ全体のアクセシビリティ問題を視覚的に表示してくれるため、alt属性の不備を含む様々な問題を効率的に発見できます。

定期的な品質チェックを行う場合は、Screaming Frog SEO Spiderのようなツールを使用して、サイト全体のalt属性設定状況を一括で確認することが効果的です。

株式会社エッコでは、クライアント様のWebサイトの定期メンテナンスにおいて、これらのツールを活用した包括的な品質チェックを実施し、継続的な改善をサポートしています。

まとめ

alt属性は、現代のWebサイト運営において欠かすことのできない基本的かつ重要な要素です。

適切に設定されたalt属性は、SEO効果の向上、アクセシビリティの確保、ユーザビリティの改善という3つの重要な価値を同時に提供します。

本記事で解説した内容を実践することで、より多くのユーザーに愛され、検索エンジンからも高く評価されるWebサイトを構築することができます。

重要なポイントの再確認

要点 具体的な実践内容
基本理解 alt属性は画像の代替テキストを提供する機能
SEO効果 検索エンジンの画像理解促進と画像検索対応
アクセシビリティ スクリーンリーダー対応と多様な環境への配慮
記述方法 簡潔で正確、文脈に適した自然な表現
運用管理 適切なツールを活用した継続的な品質チェック

alt属性の最適化は、一度設定して終わりではなく、継続的な改善と管理が必要なプロセスです。

新しい画像を追加する際は必ずalt属性を設定し、既存の画像についても定期的に見直しを行うことで、サイト全体の品質を維持・向上させることができます。

また、title属性との適切な使い分けや、画像の種類に応じた記述方法の選択など、細かな配慮がユーザーエクスペリエンスの向上につながります。

名古屋を拠点とするWebコンサルティング会社である株式会社エッコでは、alt属性の最適化を含む包括的なSEO対策とアクセシビリティ改善のサービスを提供しています。

お客様のWebサイトがより多くのユーザーに価値を提供し、ビジネス目標の達成に貢献できるよう、専門的な知識と豊富な経験を活かしたサポートを行っております。

Webサイトの品質向上やSEO対策についてご相談がございましたら、ぜひお気軽にお声がけください。

あなたのWebサイトが、すべてのユーザーにとって使いやすく、価値のあるものになることを心より願っています。

今日から早速、あなたのWebサイトの画像にalt属性を設定し、より良いWebサイトの構築に取り組んでみてください。

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