よく聞く「PDCA」をおさらい

PDCAについて

まずは簡単に、ポイントを抑えながらおさらいします。

PDCAとは、
 ・Plan(計画)
 ・Do(実行)
 ・Check(評価)
 ・Action(改善)
の頭文字を取ったものです。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを繰り返し行うことで、
品質管理など業務管理における継続的な改善を促す技法です。

現在では、品質管理の国際基準となっている「ISO 9001」や「ISO 14001」にもPDCAの手法が取り入れられています。
汎用性が高いので、業界や業種を問わずビジネスや個人の成長にも有用なスキルとして、
チームやプロジェクトのマネジメントや、目標に向けて行動し前進するため多くの人が使うフレームワークとなっています。

Plan(計画)

Plan(計画)では、目標の設定と目標を達成するための行動計画の作成を行います。

ポイント
・計画を作成する際は、5W2Hの要素を意識して検討を重ねる
  誰が(Who)・いつ(When)・どこで(Where)・何を(What)・なぜ(Why)・どのように(How)・いくらで(How much)
・数字で把握できる指標を用いて具体性のある設定をする

Do(実行)

Do(実行)では、Plan(計画)で立案した目標やアクションプランをもとに実際に行動にうつします。

ポイント
・一度にすべてを行わない
・目標に対しての進捗度や結果を記録
・時間を計るなどで数値的な結果が得られるように行動
・計画通りに進まない場合にも、その旨を記録する
むやみやたらに実行せず、1つずつ着実に、実行記録を取りながら進めてください。

Check(評価)

Check(評価)では、
・設定した目標やアクションプランが達成できているか
・計画通りに実行できたかどうか
・計画を実行に移してみた結果、それが有効だったのか
・もっと別の方法が考えられないか
について評価します。
ここでPlan(計画)で設定して数値目標と、Do(実行)の段階で記録した数値が活きてきます!

ポイント
計画通りに進まなかった場合だけでなく、計画通りに事が進んだ場合も、成功要因の分析を行いましょう

Action(改善)

Action(改善)では、Check(評価)で明らかにした分析・検証課題について改善点を考えていきます。
改善点を考える際には、
・引き続き計画通りに進める
・計画を続ける中で、いくつかの視点を改善
・計画を中止、延期する
など、選択肢を多く持つようにし、その中からこの先の課題を検討・決定していきます。

ポイント
Check(評価)での分析結果は、この段階で積極的に横展開しましょう!
失敗要因・成功要因は他の課題解決案件や、他者の課題解決案件にも非常に参考になるデータです。

PDCAのメリット

これだけ実践するとなると結構大変ですよね…
でも、PDCAを回すと、こんなに大きな
メリットが得られます。

①業務改善ができる

一番はなんと言っても、「業務改善ができる」これにつきます。

PDCAを正しく使うことができれば着実に業務改善をしていくことができます。
目標に対して、何故うまくいかないのか要素分解して仮説を立て、
アクションを繰り返していくことで確実に改善へと繋がります。

②目標や課題、アクションが明確になる

Plan(計画)の段階で、
目標を設定し、明確になった目標に対する課題設定や改善へのアクションを具体化する作業を行うので、これらがいちばん初めにガチッと決まります。
今後の作業にブレが生じにくいです。

③課題や不足していることを見つけやすい

Plan(計画)の段階で、定性的な目標でも定量化し、進捗を検証できるような状態にしています。
目標と課題を元に決めたアクションについても、定量的な行動目標を設定しているのでモニタリングが容易です。
したがって、目標と現状のギャップも明確に見えてきます。
ギャップが見えれば
・今の行動が改善に繋がっているのか
・どこに原因があり、何を変えれば改善するのか
について具体的な施策を考えやすくなります。

社内でPDCAがうまく回らない理由

冒頭でも触れたように、うまく運用を回していくのが難しく失敗することも多いPDCA。
うまく回らない理由を解説します。

①PDCAを回すこと自体が目的となってしまう

課題を解決するという本来の目的を見失っている場合です。
PDCAは、一定の時間をかけて繰り返し実行、評価、改善というプロセスを回すことで改善をしていくフレームワークです。
あくまで目標達成のための手段です。
PDCAを回すことが目的化してしまうと、目標達成や課題解決のための会議ではなく
「PDCAを回すための会議」が増えていく可能性もありますので注意しましょう。

②Plan(計画)を立てていない

ゴールも分からずに走っていては、到底ゴールにたどり着くことはできません。
指標が全く設定されないまま仕事を進めているケースが散見されます。
「この仕事の目標数値はなんですか?」と聞かれた時に答えられないといけません。

また、“できる目標”を立ててしまっているというケースもあります。
目先の成果にフォーカスしてしまい、将来的な成長を阻害してしまってはもったいないです。

③個々のDo(実行)のクオリティが低い

Do(実行)は「ただ実行するだけだろう」と思われるかも知れませんが、ビジネスの場ではやはり低コスト高品質を目指さなければいけません。
そのためにも、目標に対して何が足りないのか、どこがボトルネックになっているかを自覚したうえで、実行内容を決定するべきです。

④Check(評価)をしていない

実行した内容は常に振り返りましょう。
振り返りをしなければ次のAction(改善)に繋げることができません。
PDCAサイクルも回りません。

私はこの振り返りの機会を非常に重要視しています。
振り返りの機会の優先順位を高くして、Plan(計画)の段階でスケジュールに必ず組み込んでいます。

⑤Action(改善)をしようとしていない

私が新社会人の頃に教えられた言葉があります。
「ビジネスの場は常日頃進化し続けています。毎年同じ仕事のやり方をしているという人は、言い換えればAction(改善)ができていないということ。そのやり方でうまくいっていたとしても、現状に満足せずにさらに高みを目指しなさい。」

同じやり方が続いてしまっているようなら「Action(改善)ができていないな」と自覚しなければならないのです。

PDCAが回らないと発生する問題

PDCAは問題解決の手法なので、うまく回らなければ当然、課題が一向に解決していきません。
また一時的に解決したとしても、同じ問題が別の要因で繰り返し再発する可能性もあります。
手法を誤れば、PDCAのための無駄な会議も発生してしまうでしょう。

PDCAを回すロジカルシンキング”5W1H”とは? 

5W1Hについて

そうならないために、各段階で論理的な仮説立てや課題の抽出が重要です!

そこで私が活用しているのが、”5W1H”というロジカルシンキングの手法です。
この5W1Hはいわゆる「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」ではありません。
Why(なぜ)を5回繰り返して原因をどんどん深堀りし、最後にHow(ではどうやって)を考えることを指します。

5回「なぜ、~なのか」と深堀りすることで、最終的な「なぜ」が問題の真因として明確化されます。
その真因に対して対策を打つことで、課題の解決・再発が防止されます。

5W1HはPDCAにどのように有効なのか?

5W1Hを使うことで、最初は抽象的だった課題やアクションが具体的になり、必然的に取り組むべきタスクも明確になります。
重要度と緊急度を改めて考えながら、具体的なアクションを考えていくことができるので、Plan(計画)を立てる際にとても役立ちます!

また、この手法はCheck(評価)の段階でも有効です。
私はCheck(評価)の時にも「なぜうまくいかなかったか?」「なぜうまくいったのか?」を必ず5回繰り返しています。
最後に「次はどうすべきか?」という質問は次のAction(改善)の案を考える際に役立ちます!

これはNG…やってしまいがちな失敗

Why(なぜ)を5回繰り返すとき、ひとつ重要なポイントがあります。
それは、MECE(ミーシー):漏れなく、ダブりなく”原因を洗い出すことです。

どうしても先入観が優ってしまったり、記憶を頼りに手当たり次第で原因を洗い出してしまいがちです。
まずは事実どうかに関わらず、考えられるあらゆる原因を全て書き出しましょう。
最後に、今回の事象においてはこの原因ではないと判断したものや事実でないものはグレーアウトさせれば良いのです。

企業の問題解決や業務効率化などのご相談も受け付けております! 

いかがでしたか?
これが私が行っているPDCAを回し続けるための工夫です。
思いこみや視野の狭さによって「仮説自体が間違っている」という事態を防ぐことができ、より精度の高いPDCAを回すことができます!

エッコでは、企業の問題解決や業務効率化などのご相談も受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。
少しでもPDCAを回していく手助けになれば嬉しいです!